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1.書きたい小説とテーマ
「一週間ぶり、ということですが烏丸サン」敬称を冗談めかしてつける古谷。
「はい、小説のテーマを決めて持ってくるということでしたね」
烏丸が背負っているリュックから酷く分厚い本を取り出す。置かれた机が軋む音が古谷に聞こえた。
「その人を殺せる本のようなものは一体」驚き、古谷は体を反らせてしまう。
「攻撃力+64 最遅行動のデメリット付きです」とおもむろに烏丸が本を手に取り軽く振り回す。
「持ってくるなよ、間違えても振り回すな殴られたら間違いなく僕は潰れるぞ」
「一生懸命書いてきたので身を持って感じて頂ければと」
「時代の重みを知りたいからといって大仏の下敷きになりたくは無いわ!」仏教文化の重みを知ることは古谷には避けたいものだった。
「ギャグ漫画みたいなことを言いますね古谷さん」
「うるせー今の発言で僕がギャグ漫画扱いならオマエは無類のゲーマーじゃ」
「怒り方が広島の人みたいになってますよ」
「おどりゃクソッタレ」