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6 カレーは万能
『食べれる用』に買っておく材料を一通り購入し、あとは闇鍋用の具材を残すのみとなった仲林。
「闇鍋をいざしようとしても、何を入れるべきなのかさっぱりね……」
考えこみ、食品売り場をグルグルする。
そもそも香波ちゃんは何を買ったのか、と考えこみ、まあいいやと切り餅と鶏胸肉、椎茸を購入。
後は、食べれなかった場合を考えカレー粉、あと念のための小菓子。
「食べれない、ってことを想定するのがだめだよね。無理でも保存して食べなくちゃ」
仲林、第一次産業に関わっている身としては食べ物を捨てられない。
レジへ持って行くも、仲林は店員の「何だこの買物」という視線を感じていた。
まあいいさ、とレジ袋へ食品を入れていく、その時。スマートフォンが振動する。高磯からのメールだった。
『ゴメン、鍋忘れてたから買いに行く もう少しだけ待ってて』
「……マジで?」思わずスマフォに呟く。電話ではないので返信はないが。
無いとすれば、普段鍋なしの生活なのか。1年近く大丈夫だったのか香波ちゃんは、と今更のように驚いている仲林であった。