05*/灯台
ホントに海が好きなんです←
「おぉ、良い眺め」
「.......勝手に」
ボソッというと優しく微笑んだ。
宮下は私の隣に来て、
柵に手をついて海を眺めていた。
その横顔は夕陽に照らされて
すごく奇麗だった。
「いつも此処に来てんの?」
いきなりこっちを向いて話しかけてきた。
驚いてすぐに目を逸らした。
「...別に。関係ないじゃん」
「お前さ、ご両親は?
一回もお会いしてないけ.....」
「いない」
私が言うと隣でそっか、と小さく呟いた。
「なんか、無神経なこと言ったな...。
悪かった..」
「いいよ。慣れてるし」
もう、嫌でも慣れるよ。
親がいないからこんなのに育ったとか。
散々言われてきたからね。
「あのさ、昼間の....その」
言葉を詰らせながら言っている。
宮下の方を向くと首を後ろを触っていた。
その仕草が可愛かった。
「あぁ、男がなんとかね」
「.....毎日言われてんのか?」
問い詰められるのは嫌だ。
って、思うけど
宮下の口調は他の人と違っていて
なんか...良い。
「だったら?関係ある?」
だけどこんな言い方しか出来ない。
これが私だから....
「まぁ、いつでも話聞くから。な?」
そう言いながら
私の頭をクシャっと撫でた。
「ホラ。帰るぞ。
今日は俺がメシ作ってやる」
そう言われ、
半ば強引に車に乗せられた。




