4/6
04*/遅い帰宅
○ 放 課 後 ○
放課後はいつもお気に入りの場所で時間を潰す。
お気に入りの場所とは、
海の近くに建っている灯台。
ある日、その灯台の鍵が開いていた。
誰かが閉め忘れたんだろう、と思いながら
未だに鍵を持ったままだ。
色々と私物を持ち込んだら部屋みたいになった。
灯台から見る海は最高に奇麗なんだ。
嫌なことも全て忘れれる。
いつも此処から太陽が水平線に落ちるのを見ている。
バタンッ―
どこかのドアが閉まる音で我に返った。
灯台から下を覗き込むと、
一台の車が駐車してあった。
その車に寄り掛かるようにして宮下が立っていた。
「何してんのー?」
「何でもいいでしょっ。
さっさと帰ってよ」
「そっち行っていい?」
そう言うと私の返事も聞かずに入ってきた。
しばらくすると後ろのドアが開いた。




