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02*/挨拶
ガチャッ―
二つの音が重なった。
「え....」
隣を見ると昨日の推測25歳の男がいた。
あ、違う。
宮下とかいったっけ...?
「あ、おはようございます!」
朝からまたもや爽やかな笑顔を見せた。
「お、はようございます...」
「あー、えっと....藤永さん。
これから学校ですか?」
宮下は鍵を閉めながら言った。
「...そうですけど」
「俺も今日から高校なんです!
あ、海東高校の教師です。
藤永さんはどこの高校で?」
「......海鴬高校」
私が言うと目を輝かせた。
「俺の母校!」
そう言いながら、
さっきまでとの爽やかな笑顔とは裏腹に
少年のような笑顔を見せた。
その笑顔に不覚にもドキッとしてしまった。
「...先生なら時間」
「へ?」
まだ目を輝かせている宮下に言った。
「時間は守ったほうがいいよ、センセ」
そう言いながら携帯の時間を見せた。
「うわっ!やべ!
俺、行くわ!またなっ」
さっきまで敬語だったのに...
と、思いながら
見えなくなるまで後ろ姿を見ていた。




