表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラスティア群像劇~第2章~  作者: niseimo38


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/18

007、宮廷の厨房は静かに燃えている

AI作成、一部セリフ筆者

宮廷の一室。


磨き上げられた長卓に、白布がかけられている。

給仕が静かに皿を並べる。


給仕「春奈様、こちらがお食事になります」

春奈「ありがとうございます」


湯気が立つ。彩り豊かな料理が並ぶ。

煮込み、焼き物、蒸し物。

どれも品があり、過不足がない。


だが。


その中央に、一つだけ異彩。

素朴な陶器の椀。


春奈「これは?」


給仕はわずかに微笑む。


給仕「ディアーが『あの車椅子の子にはこれでしょ!』と自信満々に乗せていきました。ご不満でしたら、すぐにお取り替えいたしますが?」


春奈は椀を覗く。


白い粥。

その中に、ほぐされた鮭。

香りはやさしい。


春奈「いや、これでいいんだ。そのディアーとやらに、感謝していたと伝えてくれ」

給仕「かしこまりました」


一礼。静かに退出。

扉が閉まる。

フォルタが覗き込む。


フォルタ「鮭粥ですね。鮭もかなり細かくしてあります。現在の夏美でも摂取可能と判断」


夏美は静かに椀を見る。


春奈「ああ、そうだな」


声は少しだけ柔らかい。

フォルタは次に別の皿を見る。


銀の器。

透明な液体。

その中に、微細な粒子。


フォルタ「この私“専用”の料理は何でしょうか?」

春奈「確かに見たことないな。データに載ってないのか?」

フォルタ「スキャン。解析」


一瞬、瞳が淡く光る。


フォルタ「……なるほど」

春奈「分かったのか?」

フォルタ「これは高密度マナ溶液に、極微量の金属粉末と魔力触媒を混合したもの。人体には有害ですが、私の内部回路の安定化には有効です」


春奈が目を見開く。


春奈「そんなものを、料理で?」

フォルタ「味覚機能はありませんが、“配慮”は検知可能です」


そのとき。

廊下の向こうから、やけに明るい声。


ディアー「おい!どうだ!?食ってるか!?」


勢いよく扉が開く。

給仕の制止は間に合わない。


ディアー「粥!いいだろ!?消化良くて栄養あって、しかも味気なくならないギリギリのライン攻めたからな!」


春奈は一瞬呆気にとられ、次に笑う。


春奈「……ありがとう」


ディアーは一瞬、止まる。


「おう!」


すぐにいつもの調子に戻る。


ディアー「あとそっちの機械の嬢ちゃん! あれな、味はないけど“料理”だからな!」

フォルタ「確認。これは料理ですか?」

ディアー「当たり前だろ。食う相手に合わせて作るのが料理だ!」


その言葉は軽い。

だが芯がある。


フォルタ「理解。定義更新。“料理=対象最適化行為”」

ディアー「なんか物騒な定義になってるぞ!?」


春奈が小さく笑う。

夏美が、ほんのわずかに匙を動かす。

鮭粥を一口。

飲み込む。

春奈の指が、震えそうになる。

ディアーはそれを見る。

何も言わない。

ただ、にやっと笑う。


ディアー「ほらな」


その一言は、誇示ではない。

確信だ。

宮廷は静かだ。


だが。


厨房の熱は、確かにここまで届いている。


ディアーさんはやっぱり食事において欠かせない存在ですね。

人を見て一瞬で欲しいものを判断するその心配り。圧巻です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ