005、修復に伴う覚悟
AI作成、セリフ大部分筆者
謁見の間に入ると、春奈の目に三人の姿があった。
玉座に紅連狼。
その斜め後ろにフェイ。
階段脇に、腕を組んだくれは。
吹雪は半歩後ろで止まる。
連狼「よく来たな」
低く、澄んだ声。
威厳と優しさが同居している。
連狼「自警団から聞いておる。なんでも修復を見学したいとな」
春奈「はい」
一歩も引かない返事。
連狼は夏美を見る。
視線は長くない。
だが、浅くもない。
それから春奈へ。
連狼「春奈よ。何ゆえ修復を見る?」
間。
春奈「……妹が助かる可能性を信じて、です」
嘘はない。
だが覚悟はまだ揺れている。
連狼「……そうか」
その二文字に、測定が含まれる。
わずかな沈黙。
空間が一段静まる。
連狼「フェイ」
フェイ「は」
視線は春奈から動かさない。
連狼「そこの機械人形をどう見る?」
フォルタは表情を変えない。
だが、内部処理は高速だ。
フェイ「戦闘力は申し分ないかと。それに、機械とは思えぬ覚悟の目をしておりますゆえ」
評価は簡潔。否定も誇張もない。
フォルタはそれを観測する。返答はしない。
連狼「そうか」
玉座に沈むのではなく、わずかに前へ重心が移る。
連狼「春奈よ」
名を呼ぶだけで空気が引き締まる。
連狼「しばらく措置の身はこちらで預かる。宮廷にて休まれるがよい」
“保護”ではない。
“管理”でもない。
預かる。
春奈は一瞬、夏美を見る。
春奈「ありがとうございます」
礼は深くない。
しかし真っ直ぐ。
連狼「フェイ、お前が案内してやれ」
フェイ「かしこまりました」
フェイが一歩動く。
その瞬間だけ、くれはが吹雪を見る。
ほんの刹那。
問いも責めもない。
ただ——
「また抱え込んだのか」
とでも言いたげな目。
吹雪は気づいている。
だが視線は返さない。
連狼は最後に一言だけ落とす。
連狼「春奈」
春奈が振り向く。
連狼「修復は奇跡ではない」
静かに。
連狼「覚悟の上に成り立つ技だ」
それだけ。試練でも脅しでもない。
事実。
フェイが歩き出す。
春奈たちは従う。
吹雪は最後に一度だけ玉座を見る。
視線が交わる。
評価でも命令でもない。
“了解”。
そして一行は謁見の間を後にしようとする。
赤の空間に、再び静寂が戻ろうとしていた。
言外の言葉が飛び交う空間。連狼は問い、春奈は応答する。
くれはは吹雪を見て思い、吹雪はそれを受け流す。
お互いに探り合うように飛び交う。そこに言葉は必要なかったのだ。




