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ラスティア群像劇~第2章~  作者: niseimo38
第2章~和美とイザヨイ、二人の神童~

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021、好きだからこそ

AI作成、セリフ筆者

潮風がまだ裂け目の余韻を運んでくる。朱雀町の港に立つ和美とイザヨイは、家の扉の奥で燃えた怒りと喪失を背負いながら、海を見つめていた。遠くで波が砕ける音が、静かな港の沈黙を引き裂く。


その時、二人の影が砂浜を滑るように近づいてきた。


「和美ちゃん、イザヨイちゃん。君たちは悪くない」

桂源三郎は穏やかな声で言った。胸に響くように静かだが、確かな説得力があった。

「敬三さんは勇敢に命を落とした。それだけだ」


鍛冶師の月代卯月は、腕を組みながら海風に髪を揺らせた。

「頃合いを見て、また家に戻してあげれば? そうすれば――」


和美はふっと視線を海から離し、決意を帯びた声で答える。

「出ていく」


源三郎は驚き、声を漏らした。

「え?」


卯月も眉をひそめる。

「なんだって?」


和美は海面に反射する光を見つめながら、口を固く結んだ。

「町を出ていく。決めた。でも、この町が嫌いじゃないよ。大好き。だから出ていく」


源三郎はその言葉に静かに息を飲む。

「和美ちゃん……」


イザヨイは和美の肩に手を置き、力強く言った。

「和美。行くなら私も一緒だからね。和美を一人になんかさせない」


卯月はため息をつき、肩をすくめる。

「やれやれ。源三郎さん、ちょっと二人を見といてください」

「うん? ああ、わかった」


十数分後、卯月は大きな荷物を背負い、砂浜に現れた。


「子どもたちだけで旅なんかさせられないわ。私が責任を持って二人を導く」


源三郎は眉を寄せる。

「いいのか? お前だって家族がいるじゃないか」


卯月は微笑みを浮かべ、海風に髪を揺らした。

「いいの。それに、二人には可能性を感じるの。ただ闇雲に遊んでいたんじゃない。この子たちはきっと誰よりも強くなる。それを見届けたい自分がいる」


和美は小さく微笑んだ。

「卯月お姉ちゃん。ありがとう」


イザヨイも頷き、声を重ねる。

「ありがとう」


卯月は荷物を整え、振り返って言った。

「いいのよ。さ、行きましょう。まずは東に行ってみましょうか」


潮風が三人と二人の背中を押す。沈黙の港に、新しい旅立ちの気配が生まれた。


和美は旅に出る決意をする。一緒に行くことを決めるイザヨイ。

それを見守るためについていく卯月。朱雀町は一日で大きく揺れ動いた。

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