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ラスティア群像劇~第2章~  作者: niseimo38


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011、ココロの解析

AI作成

春奈は机の前に座り、フォルタが起動する端末をじっと見つめる。

「ココロ」フォルダ──それは、春奈が自分自身の思考、感情、過去の経験、そして「I」をフォルタに知ってもらうために作った、膨大なデータの集合体だった。


フォルタの目がわずかに光る。

「解析開始。春奈。これまでの進捗は半分以上未完了。だが、現在の能力でほぼ全項目を理解可能と判断」


春奈は息を吐き、頷く。

「わかってる。私も一緒に見ていく」


画面に映し出されるデータは、言葉だけでなく感情の波形、過去の記録、決断の履歴までを含む。

フォルタは淡々と解析する。だが、解析の手は確実に、春奈の心の奥底にある微細な揺れや、夏美とのつながりも拾い上げていく。


「ここは……夏美に関する記録だね」

春奈が指を置くと、フォルタが瞬時に応答する。

「解析。ここに記録された夏美とのやり取りは、春奈の心理状態に強く影響。恐怖、不安、希望の三層が同時に作用している」


春奈は小さく息を吐く。

「そう……私、あの時、夏美が意識を失った瞬間、恐怖で自分を見失いかけた。でも、夏美が頭に手を置いたことで……希望が残っていると気づいた」


フォルタは無表情のまま、しかし確かな理解を示すように言う。

「理解完了。夏美の行動は春奈の心に直接的な反応を与えた。それにより、心理解析が急速に進行。春奈の恐怖心と希望の均衡が確認される」


春奈は画面を見つめながら、静かに頷く。

「フォルタ……これで、私が何を感じているか、少しでもわかる?」


フォルタの声はいつも通り淡々としているが、温度がわずかに上がったように感じる。

「解析。理解度90%以上。春奈の感情の構造は、夏美との関係と直接的にリンクしている。恐怖と希望、そして決意は不可分」


春奈は手を握りしめる。

「そう……これが、私の”今”なんだ」


フォルタは画面を閉じるわけでもなく、解析を止めるわけでもない。ただ、静かに春奈を見つめている。

春奈はその視線に背中を押されるように、小さく息を吐く。

「……わかった。これで私、自分を少しだけ整理できた」


フォルタはわずかに頷く。

「整理完了。次の解析は随時、春奈の指示で開始可能」


夏美の存在が、春奈の心を揺らすと同時に、解析の道標となっていた。

二人の間に流れる沈黙は、安心と信頼に満ちていた。


フォルタが人の心を理解しつつある。昔の春奈ならとび上がるほど喜んだだろう。

フォルタもそれは”わかって”いる。だから完全に解析せずに、春奈の指示を待つのだ。

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