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綾音の先生

「今日は期末テストを返却します。」

綾音がプリムの元へ行くようになってから1ヶ月が経った11月末。学校では期末テストが行われた。その2日後英語のテストが返却される事になった。

「1人だけ満点がいました。」

「嘘?誰?」

「きっと高橋さんじゃない?」

「そうだよ、こないだの中間テスト朱里が学年トップだったもの。」

教師の一言で教室内がざわつき朱里に視線が送られる。

「静かに。」

教師は生徒達を黙らせると出席番号順に名前を呼び解答用紙を返却する。

「石原さん」

出席番号は五十音順なので綾音の名前は3番目に呼ばれる。

「はい」

綾音は返事をしてテストの答案用紙を受け取りに行く。

「石原さん、よく頑張りましたね。」

「えっっ?!、嘘!!」

綾音は受け取った解答用紙を見て大声をあげてしまう。

「どうしたの?」

後ろの席の朱里が答案用紙を覗いてくる。

「嘘?満点って石原さんだったの?」

綾音の答案用紙の右上には赤ペンで100と書かれていた。

「そうみたいね。」

「石原さん最近頑張ってるわね。」

教師が褒める。

「実は先生に教わってるんです。」

「先生って塾?家庭教師?」

朱里が尋ねる。

「家庭教師というか私が先生のお屋敷に行ってるんです。」

「お屋敷?!お金持ちなの?」

朱里の隣の席の娘が尋ねる。

「そうだよ、ロシアから来た人で貴族なの。確かソ連軍に追われて日本に亡命してきたって言ってた。お屋敷の庭園でお茶会をしながら英語を教わってるの。」

「ふふふ、面白い家庭教師の先生なのね。」

『ははは!!』

教師につられて教室中が笑いに包まれる。

(嘘じゃないのに。)



「Miss, what's wrong with you? You look pale today.You haven't started eating your cake yet.」

放課後綾音はいつも通りプリムの元へと向かう。いつも通り中庭で英会話のレッスンをする。しかし今日の綾音は様子が違う。ケーキにも手をつけず紅茶も減ってない。

「Today I had my test returned.」

綾音は今日返却されたテスト用紙を出す。

「You got perfect score!! Wonderful Job !! 」

満点を取った事を褒めてもらえた。テスト返却の時と同じように。

「So I talked about you. 」

綾音は教室での出来事を話す。プリムから英語を教わってる事、そしてプリムがロシアから来た貴族である事。

「But my classmates told me you were joking. Don't you deceive me?」

プリムは綾音の問いかけに答えずその代わりにFollow me とだけ言ってリビングに連れて行く。棚からレコードを取り出し蓄音機にかける。

「Miss, would you like to dance with me?」

「I'd love to.」

綾音は差し出されたプリムの手を取る。これがプリムの答えだ。



 ダンスが終わると綾音はお礼を言って屋敷を後にして階段を降りる。

「石原さん」

ちょうど階段を降り切った時綾音は朱里とすれ違った。

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