プロローグ
中学の教室、英語の授業中教師が教科書を読む声が教室に響く。綾音は一番後の席で授業を聞いている。
しかし綾音の関心は教師の話とは別のところにあった。
(あの白いお屋敷、どなたが住んでるのかしら?)
綾音は教室の窓から外を見ていた。綾音の目に映ったのは丘の上に佇む白い屋根のお屋敷だ。童話のお城に出てくるような西洋建築だ。きっとヨーロッパから来た貴族のお嬢様でも住んでるのではないか、きっとお屋敷の中でお茶会や舞踏会を開いているのではないかと想像してしまう。
「石原さん!!」
綾音は突然教師に呼ばれふと我に返る。周りを見ると女子は皆グループを作っている。
「石原さんは空いてるところに入りなさい。」
綾音が入ったのは男子3人のグループだ。綾音は中学に入ってからというもの仲の良い友達がいない。小学校の頃は休み時間になると席の近い女の子同士集まって話していたが中学生になってから気の合う娘がいないのだ。
放課後、ホームルームが終わると綾音は教室を出る。皆部活に行くが特にやりたい事がなかった綾音は部活には入らずそのまま帰宅する。
「あら、こんなところに道なんてあったのね。」
帰り道ふと山に続く坂道を見つける。
「あのお屋敷に続いてるのかしら?」
綾音は坂道を上りはじめる。坂道は土になってる細道だが車が1台通れるだけの広さだ。林の中をずっと上っていくと丘の上に出た。案の定白い屋根のお屋敷が立っていた。ドアのガラスから中を見るが誰の姿も見えない。留守なのだろうか?
「すみません、どなたかいらっしゃいませんか?」
綾音はドアをノックするが返事がない。諦めて帰ろうとした時
「あら、お客様?珍しいですわね。」
綾音が振り向くとドアの前に長身で金髪の縦ロールに白いフリルのブラウスに黒いジャンパースカートの女性が立っていた。




