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ありふれない日常伝  作者: 影の大宇宙
俺達の決闘(デュエル)は遊戯(ゲーム)であって遊びではない
7/20

俺達の遊戯はゲームで合って遊びではない。その2


 数十分後。

「さっきの無茶振りは、酷い過ぎですよー」

「マジで悪かったって、葵」

 手を合わせ謝る木嶋に「先輩のいじわる」とムッと頬が膨らませご機嫌斜めな葵。

「あたし達もわるノリしてたね」と水瀬の呼びかけに「そうね」「ええ」と立花、桜華院さんもしゅんとした態度を見せる。

「でも、あの場面で『決闘(デュエル)開始ー!』って言う葵も見たかったわね」

「それわかる! ビシッと手を伸ばして高らかに叫ぶアオイの姿も面白うだよね」

 水瀬が賛同し意気投合する二人に葵から重い影がみえ「すまんな」と木嶋がフォローに入る。

「根はいい奴だからさ、二人のこと悪く思わないでくれると助かるよ」

 木嶋が葵の横に立ち肩に手を置き「気にするなよ」と励ます。

「先輩••••••うぅ。ありがとうございます。その言葉だけで僕は嬉しいです。(先輩。分かっていますよ。僕が見てきた中で一番、裏表(うらおもて)がなくお優しい人達だと)」

 葵は、いじられたことを吹っ切れた様子でパッと晴れやか顔を見せる。

「(ふふ、拓也さん、ナイスフォローですわ。後は、こちらは、わたくしが良い方向にもっていますわ)」

 桜華院さんが立花と水瀬のやりとりを他所に「拓也さんがいけませんわよ」と木嶋に注意に入り本人も「え? あっはい」とポカンとする。

「わたくし達が望む展開になりましてもゲームの準備が整っておりませんわよ」

 桜華院さんがフォローに入り「ですので』と木嶋に視線を向ける。

(のち)にお恥ずかしい思いをなさる拓也さんのお姿がわたくしは、見たかったですわね」

 そう言って天然か意図的なのか分からない、小悪魔的な表情を見せクスリと笑い、『言われてみれば。確かに』と水瀬、立花が頷き『それでどうなの?』と木嶋に意味深な視線向ける。

「あ、あの時は、テンションが上がった勢いのまま言っちまったことは俺だって反省してる」

 咄嗟に振られた木嶋は、塩らしくなって気を落とすが「でもよ」と無理矢理に話題を逸らす。


「い、今のやり取りでほ、ほら。みんなのゲーム機がダウンロードを終えたろ。早速やろう。

 なぁ、ゲームやって互いの憂いを晴らそう!

 から元気の木嶋を見て肩の荷が降りた様子である。


「それも、そうね」

「今日はゲームやる予定だったね」

「すっかり忘れてましたよ」

「わたくし達の親睦を深める為のゲームでしたね」


 一同、納得してくれたので一安心しゲームの説明に入る。


「キャラクターがレースカートに乗ってボタン操作で道中に設置されたアイテムで妨害しながらゴールに一番にたどり着くゲームである」


 説明書に書いてありそなことを大雑把に説明をする。

「まあ。物は試して早速対戦と行こう」

 ゲームの主催者である木嶋が大会の設定に取り掛かる。

 みんなの方も順次、ゲーム機からタイトルボイスが流れ、準備万全だと判断し対戦モードを選択を進めてそれぞれキャラクターを選びだす。


「私的に一番可愛いと思ったバーチってキャラにするわ」

「あたしは、やっぱロルージだな。

 キャラ固有の肩書き『永遠のニ番手』をあたしの手で今日限りに終わらせやりたいぜ」

「僕は、サッジィーですね。人型キャラな恐竜って部分に愛らしさがあって僕っ子属性に惹かれました」

「わたくしは、ネリオですわ。悪戯(いたずら)好きで回りを引っ掻き回す方ですがお人好しと説明にありましたので個人的に好きなキャラですわ」

「俺は、ガッパで行かせてもらう。最重量級キャラであるコイツでみんなを吹っ飛ばして一位の座について見せよう」


 それぞれキャラクターが決まったのでホストがコースを選ぶ。


「さてさて、どのステージにしようかな?

 水瀬意外は、素人だからな。難しい難易度の『ガッパキャッスル』にするよ」

 木嶋の決定にそれぞれ反応を見せる。

「ほほぉ〜? 拓也がそのコースを選ぶとは、余程の自信があるようだね」

 水瀬がフレミングの指で顎に当て目を細めニヤリと口端を上げる。

「まあな。中学時代からやり込んだレースゲームだからな、誰が相手だろうと負ける気がしないな」

 自信満々に勝利宣言の木嶋に「おもしろい、うけてたとう」と乗り気な水瀬。

「ちょっと待ちなさいよ!」と立花がバンっとテーブルを叩く。


「私は、まだ数回しかプレイしたこのない初心者よ。いきなり難しいコースとか、おかしいわよ! 選び直しなさい」

「先輩。僕たち相手に容赦ないのは酷いですよ」

「わたくしも右同じく初心者なのですので、拓也さんと美冬さんには、何かハンデが欲しい所ですわね」


 ゲーム未経験者組からの意見に木嶋は、グッと指に力を込めて握る。

「三人揃って何を言っているだ! 俺達、オタクにとって得意ゲームとは、自分を肯定し続ける為のプライドだぞ!

 相手が誰だろうと手加減しない。それが俺のポリシーだ!」

 木嶋は「ふん!どうだ」と意地になって胸を張る。その一方の反応はと言うと唖然としていた。

「うわぁ。最低ー」

「流石の僕でも、拓也先輩の考えに賛同しかねません」

「拓也さん。貴方は、一体何をお考えなさっておれるのか分かりかねますわね」

 初心者組のさめきったか視線が木嶋の心に刺さるその瞬間。

「そんな事はない!」

 突如。水瀬が会話に割り込んでくる。

「拓也の言う通りだ。 もしも、戦っていた相手が気を配って負けた所を知ってしまったらだったらあたしなら負けた時よりずっと悔しい思いするんだ!

 だから、手加減される方が嫌で全力の勝負してもらいたい! 実力でみんなに勝ちたい。 日夏だってそうでしょ」

「うぅ••••••。そ、そんな目で見ないでよ。私だって、得意なゲームなら納得だけど、勝てないゲームの勝率を自ら下げるのも嫌なのよ」

 そう言って俯く立花に「それなら大丈夫だよ」とニカっと満面の笑みでハッキリと言う水瀬。 

「どこから現れるのよ。その自信は」

 立花が皮肉をいい、次に発信する言葉に一同は、冷や汗が垂れる。

「日夏とあたし、それに春香先輩と葵でチームを組めば「超余裕!」で勝てるから心配ナイナイ!

 そう語る水瀬の目は。ギラギラと燃える闘志で溢れ出ていた。

「みんなで拓也をやっけようー!

 水瀬が指にグッと力を込めた拳を空に掲げると初心者組の目の色が変わり出す。

「美冬の言う通りね。みんなで力を合わせてアイツを見返してやるわよ」

「僕達のオタクパワーを拓也先輩に見せてやりましょう!

「ええ。わたくしも(いち)ゲームプレイヤーとしての誇りにかけて負けたくはありません。

 ですので、わたくしも全力で皆様とご一緒に頑張っていきますわ」

「そうそう。その勢いだよみんな! よーし!みんなで拓也をやっけよう!」

『オオォーーーー(ですわ)』

 水瀬の鼓舞に初心者組も拳を掲げて賛同し出す。

 それを見て木嶋は、頭を抱える。

「(チクショー! 俺の時より『頑張るぞ』『オオー』がしっくりしているじゃないか! もはや水瀬がこの部の主人公で俺が悪者扱いされておる!)」

「あのぉ〜盛り上がっている所悪いんだ!

 これチーム戦とかないからな! みんなうちの誰が一位になるため競うゲームであって、俺だけを倒すために団結するなんて卑怯だろうが!

(ああー! 本当は俺もその輪に入って強敵を倒しに行く流れに入りたい)」

 木嶋の中で『許さんぞ (くぅ〜〜〜、羨ましい)』と葛藤しながらも、このままでは負けが濃厚。

 しかも、木嶋の言葉に耳を傾けずコソコソとみんなで作戦会議を始めるのでさっさとレース開始の状態にする。

 おい。もう少し待てよと言わんばかりの視線が立花と水瀬から来てキツいか今はおかましいないだ。


【本日のレース会場は、『ガッパキャッスル』! 幾多のトラップが待ち構える敵の根城をくぐりのけ『ガッパ』の放つ氷結弾を避けて無事にゴールに辿りつけるものがいるのか!】


 実況は••••••とコースの大まかな説明とアナウンスが始まる。

 現在の状況は、今回は、コンピューターの自動キャラの三人を加えた計八人でスタートラインに並び立つ。

 スタート開始の点滅ランプが全て緑に染まった時レースが始まるので全員は、今か今かと緊張感が漂う中、木嶋がボソリと呟く。


「まずは、みんなに言っておくことがある。

 俺には、このゲームで勝つための必殺技が三つある。そのひとつを今からみんなお見せしよう」

 そう断言する木嶋は、スタート開始のカウントダウンと同時に小刻みに連打する。

「アンタ何やってのよ? まだスタートのに」

「ま、まさか! その技は」

「俺の必殺技パート(ワン)

 そう呟く木嶋がゴーサインが出た瞬間。

「スタートダッシュ〜〜〜〜!!」


 猛スピードのブースターでレーシングカートを走らせ遅れて通常の速度で走りメンバーが『ええ!』と驚きの声が出す。


「な、なんでアンタだけ早いのよ! 裏技でも使ったのね。卑怯よ!

「いいえ日夏さん。今使用した技は、レースゲームで噂になっておられる、スタート時のみ、速度が上がる「スタートダッシュ」です」

「あれは、連打をする度合いで成功する難しい技。まさか拓也が使えるとは思わなかった。くつ、やるね」

「そ、そんなに難しい技なの? あれ」

「はい。あの技は失敗するとスリップして数秒の時間ロスする危険な技です」

 水瀬と桜華院さんは、苦行を露わにし「わぁははは———‼️」と木嶋は、勝利を確信し高笑いする。

「思い知ったか! これこそ、俺が勝つための技術だ」

 出だしは、スタート位置にいたCPUが一位で木嶋は、二位だが順調ですぐにでも首位になる予定。

 だが。「甘いな」とすぐ隣に並ぶ一台のカートが来た。


「あたしを忘れらちゃ困るよ。拓也」

「水瀬! キサマこのゲームやり込んでいるな」

「ふっ。それは、ゲームプレイを見れば分かるよ」


 木嶋の隣を走る水瀬は、にやけた顔を見せる。


「やるな水瀬。だったら、最初のアイテムボックスでどうなるか楽しみだ」

「だね、勝負だよ。拓也」


 互いに火花を散らしカートがぶつかりながらアイテムボックスをゲットする。

 木嶋はバナナで水瀬が甲羅が持っている。

「(さて、どう出る水瀬)」

 カーブで上手くドリフトをして抜かした木嶋は、『ここだ!』とタイミングを見計らい、バナナ置き水瀬が放った甲羅と当たり相殺。

 その後すぐ木嶋は、水瀬の前を走るのを急遽、かわす。

「ナニ!目の前にバナナが! くっ」

「ふふふ〜。俺の計算通りだな、あばよー。水瀬!」

「まだまだ。これからだよ拓也、絶対に追いついてやる」

 後続から追ってくる水瀬に負けずと木嶋は、前を走りアイテムの使用とドリフトの技術で一位になり水瀬が二位になる状態がしばらく続き一周が終わる。

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