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ありふれない日常伝  作者: 影の大宇宙
俺達の決闘(デュエル)は遊戯(ゲーム)であって遊びではない
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俺達の遊戯はゲームで合って遊びではない


正式な部になる為に頑張ると決意を固めてから数日たった放課後の部室。

「皆、例の(ぶつ)は持ってきたくれたか?」

 そう話題を切り出す木嶋を見る四人の表情は、神妙な顔立ちである。


「一応、用意してやったわよ」

「拓也が突然、言い出すから部屋の中を探すに苦労したよ」

「僕は、持って無かったので家族に頼んでなんとか用意できました。 (まあ。その時交換条件付きでと言われたのが少し癪でしたけど)」

「実家に持ち合わせがなく、新品の商品を購入いたしましたわ」


 一同揃って例の物を用意できたと聞き「ありがとう」と木嶋は、感謝を述べ内心 (よかったー)は、ホッとしている。

 梅原と水瀬は、私物であったが桜華院さんは、急遽新品の物、葵に言っては、何か訳ありと言った感じの複雑そうな表情である。

 ごほんと咳払いをして木嶋が語る。

「まずは、みんなが急な頼みに聞いてくれて助かる」

 木嶋が頭下げ謝礼を述べると四人はどういたしまてと満更でもないと言った雰囲気である。


「特に、桜華院さんは、感謝してます。

 おれの都合に合わせてわざわざ新品の物を買ってくれたんですよね」

「いえ。お気になさらないでください。

 わたくしが好きで拓也さんのご要望にお答えしたく行動したまでのことですわ」

 桜華院さんが微笑む様子に木嶋は、後ろめたさがあった。  

「あのー、先輩の優しさは嬉しいのですが。

 実は、持ってない人がいるだろうなーって思い従兄弟(いとこ)から貰った一台を準備してたんですよね」

『••••••••••』

「あ、あははは、••••••••なんか、すみません」


 木嶋は、頬を掻き乾いた笑みに「その手がありました!」葵は、頭を抱え落ち込み。

 立花は、ふーんと、品定めするように見つめ、意外と言った表情を露わにする水瀬。

 桜華院さんは「あらあら」と頬に手を当て微笑む。


「アンタに優しい親戚がいたなんて、以外ね」

「オイ。それだとまるで親戚の集まりがあったらイタイで奴が来やがったみたいな言い回しは酷いぞ立花。

 言っておくが俺は、親戚から『お年玉をあげたくなる人、No. 1!』を誇るほど人柄がいいって言われるからな。 馬鹿にするなよ」


 木嶋は「ふん!」と自慢げに胸を張るのをみて「はぁ」と立花が肩を竦める。

「(こんな時だけ自信満々になるとか、なんなのよ。こっちが反応に困るわよ)」

 立花がどこか気まずいそうにご様子なのでごほんと木嶋は、咳払いをして無理矢理、話題を変える。


「今日は、みんな用意してもらったこのゲーム機で俺達の親睦をより深める為にゲームをしよう」

 そう告げた木嶋の手に持っているのはみんなが用意した携帯用ゲーム機と一つゲームソフトを見せる。

「そ、そのソフトはま、まさか!」と水瀬は、ハッと驚き、「うん?」と三人は疑問符を浮かべる中、木嶋は、高らかに(ぶつ)を掲げる。


「これこそ! 今日の親睦を深めるに相応しいゲームソフト。その名は、『スーパーザリコカート』だ!」


 ドドーンと盛大にソフトを見せびらかした木嶋に放った反応をこうだ!


「くっ。パーティの方じゃなかったか!」

「勉強不足ですみませんが知らないゲームです」

「わたくしも存じ上げませんわ」

「変わったゲームを用意したわね」


 水瀬は、予想していたタイトルとの違いを悔しがり、申し訳ないと謝罪する葵と桜華院さん。 肩を竦める半眼で睨む立花。

 桜華院さんと葵が知らない程に知名度の低さに「そうか」と木嶋は、オタク同士の見解の相違に悔しがる。

「拓也さん。一つ、お伺いしたことがあります」

 桜華院さんが手を挙げ質問を投げ掛ける。

「わたくしの知る中で、ゲームソフトが一つで通信プレイは、難しいと思われるますが、どのようになさるのでしょうか?」

 桜華院さんの素朴な疑問に「説明しよう」と口端をあげ自慢げな笑みを見せつける。


「このゲームは、なんと! ゲーム機さえあればソフトを持つプレイヤーからデータをダウンロードして最大十六人まで遊べる、お金に優しい仕様で当時流行った大手ゲームメーカーが手掛けたレースゲームだ!」


 長々と饒舌に語った木嶋に『なるほど』と頷く桜華院さんと葵。

「そんな訳で早速、みんなでプレイしたい思うだがいいだろうか?」

 木嶋の呼び方に四人は、『どうする』とコソコソと相談し合い結論を言う。

「まあ、いいじゃない。アンタにしては、割とマトモな案だと思うわよ」

 皮肉を言い放つ立花に三人は、頷く。

「俺がゲームがやりたいって言うのがそんないな以外なのかよ。流石にに傷付くぞ」

 目尻を熱くなり木嶋は、本心を語る。

「オタクを名乗る俺達なりのやり方は、これしかだろうがぁ」

 真剣な思いを込め声をたからに挙げる。

「べ、別に嫌とは言ってなわよ」

 ふん!とそっぽ向く立花の頬が紅く染まり「やってやるわよ」とツンとした態度をみせる。

「アンタがオタクを語るなんて度胸じゃない。 

 どんなゲームだろうと受けてやるんだから‼️


 ビシッと人差し指で刺す立花に「燃えてるね日夏」とニカっと口端を上げる。

「拓也に言われて黙っているあたしじゃないよ」

 自らの手のひらに拳をあけ気合いを示す水瀬。

「僕も是非共入れてください拓也先輩! (やったー、先輩とゲームが出来るなんて最高です)」

 ウキウキしている葵の横で「僭越ながらわたくしも」と不敵な笑みを見せる桜華院さん。

「さあ、拓也さん! わたくしと闇のゲームをいたしましょう•••••ですわ」

 そう言い放った桜華院さんからやばいオーラ (木嶋の思い込み)が具現化して見え「ゴクリ」と一同は、固唾を飲む。

「あ、あの〜••••••流石に闇ゲームは、しませんよ。

 命の取り合いなって言う物騒なことは無しでお願いしますよ」

「ふふふ。あら、わたくしたら、興奮してつい、早とちりいたしましたわ」

 そう言った桜華院さんからすでに穏やかお淑やかな雰囲気が醸し出され一息つく一同。


「い、いえ。気にしてませんよ。

 何せ、ゲームは、遊びであっても俺は、全力で真剣にプレイして行きますから」

「ええ。お手柔らか頼みますわ。拓也さん」

 木嶋と桜華院さんの視線が合い互いに火花を散らす。

「二人ともあたしを悪れちゃ困るぜ」

「アンタをぎゃふんと言われてやるわよ」

「お、お手柔らかにお願いします先輩」


 二人の間に割って入り三者三様で気合いを入れた言葉を受けた木嶋はごほんと咳払いして本題に入る。

「これより、第一回オタク研究部によるゲーム大会を開催する!

 決闘(デュエル)開始の宣言をしろ!葵」

 唐突に白羽の矢が立った葵は、数回、目をパチクリする。

「へ? ええぇぇぇ————⁉️ ぼ、僕ですか! 急に言われても困りますよ!」


「いっちょかしてやれ、葵!」

「期待してるわよ」

「ファイトですわ、葵さん」


「ちょっと皆さんまで! うぅぅ•••••••き、緊張する」

 三人からの期待の眼差しによって萎縮した葵が「で、では行きます」とブルブル震えた手を挙げる。

「い、イ○ノサッカーしょうぜ••••で、です。 ぅぅぅ」


『それは、ナ○ジマが○ソノに言った台詞「だろうが」!しかも(それに)イソノ違いのボケは、今は求めてない!』


「ひぃぃぃ⁉️ す、すみませんでした! テンパって違うこと言って今すぐこの場から消え去リますので!

 早速と消え去ろうとする葵を「待ってくれ!葵。俺が悪かったてぇ」と止める。

 その後。木嶋、立花、水瀬の強いツッコミの重圧に追われ葵に「すまなかった」と謝罪し宥めるのにしばらく苦労した。


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