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ありふれない日常伝  作者: 影の大宇宙
オタクの悩み
5/20

打開策は教師の引き出しに入っていました



「ここにだけは、何回来ても緊張するな」

 

 回りに人がいないことを気にしながら一人で呟く。

 慣れない場所はソワソワする木嶋(きじま)はある部屋の前に立った緊張をほぐすために一息入れ扉に手をかける。

 みんなの帰りを見送り部室の戸締りを終えて向かう場所は職員室で鍵を返す為に訪れた。

 よし、行くかと決意し扉をあける。

「失礼します」

 そう言って入り部屋を見渡し一人の教師の元に訪れる。


「おお、きたか。木嶋」

「お疲れ様です。味凪(みなぎ)先生」


 書類整理していた作業を中断しこちらに振り向く。

 今、声をかけてた教師の名前は、味凪(みなぎ) 達郎(たつろう)先生。

 見た目は、カンサム顔。 え? ハンサムって言った‼️ 

 ゴホン、失敬。 時代を感じるボケをお送りしてすみません。 ちゃんとカッコイイお人です。

 引き締まった筋肉で屈強な体格を青色のジャージで着て隠れていてもわかる凄みがある。

 担当科目は体育である。

 まあ、予想通りって感じのザ・体育会系の印象が強い教師が意外にも文化部系のオタ研を顧問である。


「部室の鍵を返しに来ました」

「おお、ありがとよ。鍵は確かに受け取ったぞ」


 木嶋が鍵を渡すと真凪先生が「何かあったか」と質問する。表情の暗さに感づいていた。


「あっ、いや•••••その。別にたいしたことはないですよ」


 苦笑するが「そう。遠慮するなよ」と味凪先生が快活良く笑う。


「悩みごとがあるなら先生に言ってみろ。一応お前達の顧問をやってる身として、相談に乗る」


 そう言って真摯に向き合おうとする味凪先生の姿勢に「実は、部活のことで相談が」


 信頼にたる自分か少し疑いながらも閉ざしていた口を開く。 


「俺達の部を学校がどうやったら認めるかみんなで相談し合いました」

「そうか」


 けど、と木嶋は、グッと手を握る。


「話し合ってみたものの解決策が浮かばすに困っている所で、先生のご意見を伺ってもいいですか」


 そう尋ねた木嶋に「うーん? そうだな」と味凪先生は、顎に手を当て考え込む。


「オタクと呼ばれるモンがなんなのかはよくわかないが、全員が持ってるそれぞれの個性をいい感じにアピールすればいいじゃないか?

 

 味凪先生がフワッとした綿菓(わたがし)子感覚で答え。アバウト過ぎる! 木嶋は、内心でツッコむ。


「あのー、曖昧でよくわかないので、出来れば、例えを教えて欲しいのですが」


 木嶋は、頬をかき尋ね、「そうだな」と真凪先生は、ことの話題について核心に迫る。


「オタクを披露する機会を作るならさ。学校内だろうが外だってイベント事は、沢山あるだろうから、それに参加して行けばいつかは認められると思うぞ」

 真凪先生が真剣な表情で「そうとこれもどうだ」と続く。


「ボランティア部であることを利用してイベント企画に混じってアピールするなり、趣味で悩む生徒たちの手助けしてくるなら先生としても助かるし、奉仕活動をしてくるなら学校が助かって考えを見直すぞ」


 味凪先生が長舌で語るが後半は、個人的な頼みごとである。 

 人助けやら、奉仕活動とかは、某人気アニメだからやれたことでオタク研究部には、ハードルが高い。


「アイディアを出してもらってすみませんが。先生、いくらなんでもそれは、遠慮します。 

 流石にバケットダンスとか、様ガイル見たいな偉業が出来る気がしないので」


 物の例えで言った単語に向こうは苦笑いする。


「その、バケットダンスに様ガイルって言うのは知らないが、木嶋が無理なら気にするなよ」


 先生なり見解に過ぎないからな」


 快活良く笑って許してくれた味凪先生の案を木嶋は断るが一部の意見には賛同する旨を伝える。


「けど。オタク研究部でも手伝えるならやれるだけのことはしていきたいです。 

 先生のお陰で部室も用意してもらい顧問になってくださったご恩あります」


 木嶋が感謝に「そう、かしこまらくてもいいさ」と味凪先生が照れ出す。


「こっちが木嶋の熱意に胸を打たれて顧問になると言ったのだから、感謝されることでもないが。

 そう言ってくれなら、先生としては、助かるよ。ありがとう」


 歯に噛んだ笑顔が眩しい味凪先生である。本当に頼もしい先生だ。


「まあ、頑張れ。木嶋、先生は、応援しているぞ」と肩に手を置く。

「はい。頑張ります!」

「イイ返事だ。期待してる」


 先生からのエールに感極まって大声で返事をし「ありがとうございます」と挨拶をして職員室を出る。


「よし、頑張るか」


 木嶋は、回りに人がいないのを見て小さく気合いを入れる。見られたらハズイからな。

 廊下の窓に映る景色は、すでに日が暮れる。


「俺もそろそろ帰るか」


 木嶋は下駄箱で靴を履き替え校門を向け歩き、暗いなった空を見上げ手をかざす。


「ここから始めよう俺の物語を」


 ぐうっと拳を握りキザな台詞を一人で呟く、痛いキャラだがいまは気にしてない。

 ここで誓った決意を胸に一人、街頭が照らす夜道に歩み出す。


「まずは、みんなの気持ちを知ってから、次に結束力を高める。 それにはあれしかないな」


 木嶋は、一人物草と呟きながら帰宅路を歩む。

 

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