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ありふれない日常伝  作者: 影の大宇宙
オタクの悩み
2/20

自己紹介です!


「あれからもう数ヶ月か」

 

 窓から外の景色を眺め腕を伸ばし軽いストレッチをして一息を入れる。

 あの日から月日は流れ季節は桜の花が散り緑葉が生い茂げた蒸し暑さがまだない六月の中旬。

 今は学校のある一室でパソコンと面と向かい一人ぼそりと呟く。

 

「我ながら自分の過去をネタした作品は書くのが世間に受けるだろうか?」


 うーんと思わず声を漏らす。

 今書いているのは最近挑戦して見ようと思った小説のあらすじだが、少し不安である。

 何せ、自分語りでちょっとした心境の変化を理由に学園ラノベを書くなんて勢いでやるものかと時折り気になる所である。


(まあ、大丈夫だろう。この物語は、あくまで空想上の人物で実在しませんとか付け加えれば問題あるまい)


 そう自分に言い聞かせ納得した自称小説家もどきの名前は、季島(きじま) 拓也(たくや)

 片田舎の森ノ(もりのやま)高等学校に通う二年生。

 学力、運動能力平均かそこそこ出来ると自負しており特殊能力やら魔法適性があるなどの設定とかは無い普通の男である。

 いきなり変なことを言っている人に限って実は特別な血筋設定とかでのちにすごい主人公だったりする。

 そんな展開が一切ないマジでクラスにニ、三人はいる陰キャラオタクである。 

 *これは個人的な意見です。

 我ながら情けないことこの上ないメガティブ発言の一人語りですまないがここは気にしないでもらえるとありがたい。


 趣味は読書やゲーム・アニメ・音楽鑑賞を広く浅い知っているオタク文化を崇拝する信者である。あ、これ本気です。


 それとついでに今書いている小説もあることがきっかけ(プロローグで書いた実話のこと)で将来なりたいと決意しラノベ作家を目指し日々少しずつ執筆中である。

 内容は、俺自信(自称モブの季島)をモデルにした学園物の小説を書いている最中だ。

 なぜ、俺がこのジャンルを選んだか。ふふ、理由は現役高校生の生活を送る者としてリアリティのある文章を書ける特権があると思うからだ。


 (ぶっちゃけ異世界俺TUEEEEE作品やSF系が不得意なのも理由の一つでもある)


 この辺でラノベ作家目指すものとして自己紹介の大事さ心の内に語り小休止しを終え黙々とラノベ大賞に応募する原稿のプロットを書き出す。


「アンタ。一人でなにぶつくさと言っているのよ」

「拓也さん。何かお悩みごとが有りましたか?」


 季島の独り言に反応が有り、一人でいるはずの部屋に二人組で突如現れた。


「ど。どうも春香先輩、それに立花もお帰り。

 も、もしかして、さっき独り言聞いてました?」

「ええ、割とハッキリ聞こえてたわよ。

 部室来て早々、アンタの独りよがりな語りべが長々とね」

「夢中になっていらしたのでお声がけするタイミングを伺っておりましたわ」

「うっ」


 半眼で睨み手振りであしらう立花に思わず赤面した顔に手で覆う姿を他所に「それで ?」と俺の様子を見に隣までやってくる。


「わざわざパソコンを部室に持ち出して。

 まっ、どうせ大した事しているとは思えないけど」


 そう言って近づき前屈みでパソコンの画面を覗き込まむ相手に「見るなよ」とバツ顔をなる。


「い、いきなり覗き込むなよ。びっくりするだろうが」

「何よ。 わたしに見られて困るものあるのかしら?」

「いや? 見れて困るわけでもなくは無いとも思うかは微妙だけど」

「歯切れ悪わね。どっちなのよ」

「べ、別にいいだろう立花」

「良くないわ。ハッキリしなさい」


 半眼で呆れ顔の彼女の名は、立花(たちばな) 日夏(ひなつ)二年生。

 ツーサイドアップで桜色の髪をなびかせ燃えるルビーのような緋色の瞳の女子である。

 趣味はダンスやアニメ鑑賞が好きだと言っており将来はアイドル声優をなると彼女が言っていた。

 性格は明るく話しかけやすいとクラスの男女共に仲良く同学年内で指折りの美少女と好評で一部の男子に人気がある。


「さては、いかがわしいエッチなサイドでも見てたのがバレるのを避けたってとこかしら?」


 気恥ずかしいなってパソコンを閉じる様子を見た立花が不躾な視線を見せる。 


「こ、これはただラノベ大賞に向けた作品を執筆中であって! 決していかがわしい物を調べたりしませんよ! 断じで!

 わざわざ部室で如何わしい動画をみる間抜けな訳がないです。普通に家でこっそり部屋に篭って見てるからな」

「なぁ⁉️ そこ少しは自重しなさいよバっかじゃないの」

「私達の前で拓也さんたら大胆な殿方ですわ」


 変な誤解を招く言い方に説得力のある弁解をしたのだが声を荒げて怒鳴る立花と頬に手を当て微笑む桜華院。


「どうせ、アンタのことだからしょうもない事でわざわざ部室にパソコンを持参するような間抜けな奴では無いことぐらい最初から分かってたけど」

 

 冷め切った目で季島を見つめ肩を竦める。


「おい。なら、からうな。ヒヤヒヤするわ。

 ••••••後、誰か間抜けだ。さらっと失礼なこといってくれるな」


 俺の心境を察しているご様子に誤解されていないか冷や汗が垂れる。すると、


「そう言うわけだから見せなさいよ」


 強引に割って入りパソコンを取り上げる。

 咄嗟にことで対応が遅れたり制服から甘い匂いに動揺している隙に詰め寄ってきた。


「さてさて。あんたがどんな内容を書いているのか拝見させもらおうじゃあない!」

「ちょ。やめろって! あんま下手くその文章を見られるなんて恥ずかしいわ」

「別にいいじゃない。減るモンがないのだから、見せなさい!」


 相手の了承もないにカーソルを操作し「ふむふむ。なるほどねぇー」と画面に目を向ける立花の反応に一抹の不安が感じる。


「ふーん。あんたにしては、結構上手く描けてる方じゃあないかしら」

「そ、そうか?立花にそう言ってもらえるありがたいよ」


 関心する立花を見て照れくさくなった季島は頬をかく。


「あえて、気になっあところはプロローグの所だけね。

 なんだか、虚しくて暗い雰囲気の文章だけど。

 作品の始まりの部分としては余りオススメはしないわね」


 画面に指を向け指摘され図星だったので思わず視線を逸らす。


「まあ、大丈夫だろう。••••••たぶん」

「やっぱり、少しは思ってたのね、あんたも」

「最初はやっぱ物語の主人公が何かがきっかけで変わる方がラノベぽっいから俺なりの発想はこれかなって思ったんだが地味だったかな」

「これはこれで、珍しさだけでいったら私的にはいいと思うわよ」

「本当か!立花がそう言ってくれると少しは自信が持てそうだ。ありがとうな」

「べ、別に。感謝されることでもないわよ」


 季島の謝礼に立花は顔を赤くしそっぽ向く。

 実際。書いている作品は主に自分達の日常をネタにした内容でも色々と内容をもったり修正などしてノベル向き内容に書いてある。


「それにしてもアンタって、本当にラノベ作家を目指すつもりだったのね。以外だわ」

「そうか? 照れるな」

「いや、褒めてないわよ」

「ひ、ひどい」

 

 立花が褒めるつもりもない辛辣な態度に屈さずに季島は自分語りをする。

「ラノベが人生を楽しく生きる道調べを教えてもらったからな。

 今度は自分が書いた作品も誰かの人生が良くなるきっかけにでもなってくれたらいいなって思ってるだ」


 そう思った自分の経緯を語ると「へぇ〜」と少し感心を持ったような表情を見せる。


「そう言うわけだから、今は作家になるために必要な実体験が欲しくから今しか味わえないイベント事には全力で楽しもうぜ。

 なにせ。高校生活が送れるのは今しかないからな」


 立花と向かい合いラノベ作家を目指すための決意を示す。


「それもそうね。今の高校生としての生活は、人生で最初で最後だもんね。

 あんたも、たまにはいい事言うじゃない」

「たまにとは、失礼だな。いつだってまともなことしか言ってないぞ。

 まるで普段の発言か滑っていると思ってたのか?」

「ええ。正直に言ってあんたがよく言う主人公を気取った安い名言だけど。

 自分ではかっこよくまとめ積もりらしいけど、結構滑っているわよ」

「なっ!ま、まじでか」 

「やれやれね」


 哀れみの感情がこもったことを言われて衝撃を受ける。


「お、俺が普段から言ってる名言が滑っている。

 そうか。••••••やはり、主人公だけが言える特権って奴か。

 まあそうだよな。地味モブキャラの俺じゃあ不釣り合いだったわけか」


 立花の言葉に頑張れる自信がなくなり俯く季島。


「何言ってのよ。私からしたらあんたも十分、主人公のようことをやってるじゃあい。自信を持ちなさいよ」

「いやいや。それは無理な話しだ。もし、立花が褒める程の主人公だったら今頃『後の事は、俺に任せろ!』とか言ってヒロインの窮地に駆けつけて悪い奴を倒しているよ。

 それが出来ない卑屈でひ弱な俺はただのモブキャラよ」


 元気付けるためかフォローする立花の優しさに季島は否定する。

 自分の無能さをありのままに話すと立花がしばらく思い詰めた表情をする。


「(あの時、カッコイイことを言ったあんたが私にとって主人公なのに)」


「ん?なんか言ったか?」

「な!なんでもないわよ。ふん」


 何を言ってたか分からないまま機嫌を損ねた立花が踵を返かし席に戻り季島は首を傾げると疑問符を浮かべると「ごほん」と軽い咳払いをする桜華院はニコニコと優しい笑顔なんだが妙な圧がある。

 先程からいたのだが二人だけで話し込んでいた為すっかり蚊帳の外状態にお気に召したように。

 普段はほんわかしている桜華院の優しく穏やかな表情を見せているが今だけはそれが逆に怖い程に迫力がある。

 桜華院(おうかいん) 春香(はるか)三年生。

 深みのある紫色の瞳に艶のある至極色の長い髪をなびかせなお淑やかで礼儀作法が綺麗で学力の成績が優秀な才女。

 趣味は読書とシューティング関係のゲームが得意で日本屈指の桜華院財団の御令嬢と本人が言っていた。

 多分そう言う設定のキャラを演じたい人なのだろう。

 なにせ実家の庭で愛用のモデルガンで使用人とサバゲーしていた言う程の筋金入りらしい。

 普段はほんわかしている桜華院の優しく穏やかな表情を見せているが今だけはそれが逆に怖い程に迫力がある。


(こ、これはマズイ!)


 本能がそう訴える。ここはしっかり誠意を見せる。

「すみません。つい作家になる熱意を話す余り、先輩の事すっかり忘れて舞い上がった揚げく痴話喧嘩を見せるような誤解を生み申し訳ないありませんでした!

 全力で最大限の敬意を示し先輩が頬に手を当て微笑む。


「わたくし、実は左程、怒っているわけではありませんわよ。

 ••••••ただ。次からはわたくしにも拓也さんもお二人のお話に参加させてもらえますと嬉しいですわ」


 そう告げる先輩は大和撫子のようなお淑やかさで話す。許されたことへの安心感で胸が一杯である。


「はい!今後とも仲良くラノベの作品について語り合いましょう」


 誤解が解けた事に先輩の機嫌は良くなり話が終わるかと思った。だが、


「一つだけ拓也さんにはお仕置きをしたいことがありますわ」と先輩のビクッと背筋が伸びる。


「お仕置きってな、何をするおつもりですか?」

「それは••••••ふふ。今度、わたくしの実家でご一緒にゲームをしてくださいね」


 急に罰ゲームの話題になるから何事かと思い身構えたが意外な話を持ちかけられ驚く。

 俺としても先輩とゲームができる機会が得られてありがたいと限りである。


「はい。是非よろしくお願いします」 

「よろしくお願いしますね拓也さん」


 互いの了解を得て話題が良い方向で終わる。

 さっきも言ったがこんな普通のオタクが超絶美女性に誘ってもらえるのは大変嬉しい話題になってものである。 


「みんなー!おっ待たせー‼️」


 ノックも無しに唐突に扉を勢いよく開ける。


「あら、おかえり美冬」

「おかえりなさい美冬さん」


 突如来訪してきた相手に動じることもなくむしろ、家に帰宅した子に挨拶をするような和んだ雰囲気の立花と桜華院である。


「たっだいま〜日夏、春香先輩。不詳水瀬、ただいま帰還しましたぞ!」


 そう。笑顔で答える様子もまるで家族の団欒を垣間見るようで微笑ましか見守る。

 さて。突然やってきた彼女は、水瀬(みなせ) 美冬(みふゆ)二年生。

 黒色の瞳に青空色のサラリした毛並みを綺麗をサイドアップさせ前髪をへアピンで止めている。

 趣味は、熱血友情もの漫画やアニメ・ゲーム関係が好きで身体能力は同学年でトップクラスを誇り喜作で明るい性格である。


「お疲れさん、水瀬」

「•••••••」

「み、水瀬。どうかしか?」


 普段通りで挨拶したが今日の水瀬は腕を組み途端に考え始めた出す。

 数秒黙り込む水瀬の様子が気になっているとふと何かひらめいた顔していた。


「ふ、待たせたな拓也」

「その言葉。ま、まさか!」


 口端を少し伸ばし静かな笑み浮かべ言い放った台詞に脳内に電流が走る。

 一瞬、なにを言ってだと思い俺は驚いたがすぐに水瀬の考えてる事に気付いた。


「いつもお前遅いんだよ。消炎寺(しょうえんじ)!」

「ずこぉ!もう•••••そこは雪菜でいいじゃない。ケチー」


 芸人顔負けのコケそうな素振りを見せる水瀬。

 今言ったは返事かの某ニ次元スポーツアニメで主人公のピンチにやってくる超助っ人が放った台詞で知っている人は少ないマニアックなやり取りである。


「でも、やるねー拓也。あたしが考えてることが分かるなんて、さっすがー!」

「まあな。俺にかかえれば当然分かることさ」


 屈託のない笑みを見せる水瀬が拳を前に突き出しそれに応じ拳を前に出し水瀬の手の甲触れる。


「そう言えばまだ言い忘れて事があったな」

「ん?なんか言い忘れてたことあったけ?」


 水瀬が首を少し傾けるを見て俺が言い忘れた事に対して考え込んでいる事を気にせずに俺はさっき言い忘れいたことを伝えてた。


「おかえり」


「••••••ふ、ただいま。拓也」


 ハッと気付いた照れ臭くなったのか頬を少し赤く染める水瀬であった。


「「••••••••」」


 後になって気不味くなる二人だけにしか分からない空気感にメスを入れる咳払いをして咄嗟に季島は振り向く。


「女たらし」

「このような状況が主人公補正ということですわね」


 視線の先は勿論さっきまで話していた桜華院と立花が呆れたと肩を竦める。何故だろう今立花が向けられる視線が養豚場の豚を見下すような冷たいのは気のせいだと思いたい。



「遅れてすみませーん‼️」



 気まずくなっている最中。またもや扉を勢いよく開かれる。

 今度は走ってやってきたのか息を切らしながら現れたこの窮地を救う部活の最後の部員。

 名前は秋月(あきづき) (あおい)一年生。

 小柄な体格で綿菓子のようなふわっとした黒髪のショートヘアーで蒼色の瞳で高校生には思えない幼さが残る童顔で目に入れても痛くない部員で唯一の後輩である。


 趣味は。••••••まあ、人それぞれだから深くは言えないが同性が仲睦まじく肌を寄せ合う関係を好む世間から生暖かい目線を向けられるジャンルが好きである。

 ただ、これはあくまで季島の個人的な意見であって本人を考えは尊重しています。


 後。その世界に憧れを抱くご様子でコスプレでキャラに成り切ろうと日々努力している。


「ナイスタイミング来たな。葵。一つ聞きたいことがあるだけど」

「ど、どうしたんですか急に」


 状況が飲み込めず葵がコテンと首を傾げる。


「と、とりあえず席に座わって欲しいんだ。事情は後で話すからさ」


 季島が手招きする。


「先輩の顔色が優れないのですがなにかありましたか?」


 季島の変化に困惑しながらも葵は桜華院の隣りの席でその向かい側には立花と水瀬が座っている。

 これで部員は全員揃ったこと確認した季島は真剣な表情でテーブル上に両肘を置き指を重ね姿勢はまるで最高司令官を彷彿とさせる迫力を醸し出す。


「これから大事な話があるのだ葵には是非、聞いてほしい」

「ゴクリ(唾を飲む込む音)」


 季島が見せる真剣な表情に葵も普段と違った空気に緊張感が高まっているご様子だ。



「葵から見て、俺は女たらしの主人公だろうか?」


「••••••はい?」


 面接の合否にも匹敵するような重要な質問を問いかけたのに葵は意図が理解出来ずぽかんと呆然状態となる。

 まぁー、そうなるわなはと言わんばかりに他の三人は納得しているように頷いている。

 その様子を見て流石に質問の内容が突発的過ぎたのだと自覚し気不味くなって頬を掻く。


「そのー••••••い、いきなりなに言ってんだ思っただろうから聞いてくれ。何故俺がこんな質問をしたのかを」


 そう言って突破的な質問の意図を説明を始める。


「今し方桜華院先輩と立花が俺を女たらし見ているから葵の意見が聞きたんだ」

「な、なるほど?」


 葵はぎこちなく苦笑する。


「そう言うわけだで葵の答えが欲しいんだ。頼む」

 季島の申し出に葵は満面な笑みを浮かべ残酷な真実を宣告した。


「僕から見ても拓也先輩は立派な女たらしの主人公だと思いますよ」


 葵は自信満々に悩む素振りもなく即答で答えられ季島は言葉が出ず氷漬けにされたように固まりそうなるのを振り払う。


「ちょ。ちょっと待て葵、俺の事を本気で女たらしだと思っているのか?

 もしかして誰かに言わされてるとかじゃあないよな」

「いいえ。僕から見てもこれ程個性的な人を勧誘した先輩が女たらしではないと納得させる理由しかありませんから。

 すみません拓也先輩お力になれず」


 葵は嘘偽りの無いと言わんばかりの真剣な眼差しで軽く頭をさげ謝罪する様に文句の付けようが無くテーブルに顔を沈める。


「まじでか。俺っていつの間に主人公だったなんて知らなかった」


 自分の立場を理解せざるを得ない状況に気がめいるが他所から見ても、ぶっちゃけこんな平凡な男が女子と話が出来る事自体、奇跡的な確率が重なって今に至っているのも事実だ。


「わかったよ。女たらしだけは認めるが、決して主人公になったつもりはないからな。そこだけは譲れない」


 季島は顔を上げ意思表明を見せると【やれやれなに言ってだあいつ】と言いたげなため息を葵以外がそう思っているように見える。


 実は言うと自分でも意味の分からん決意表明ではあったのでいち早く話題を変える。


「あっ、そう言えば葵。今日は遅かったけど何かあったか?」

「‼️」


 誤魔化す為に振った話題だったつもりだが葵が急にビクッと驚き背筋を伸ばしていた。


「どうした葵。顔色が悪くなったが大丈夫か?」

「だぁ、大丈夫ですよ。先輩」


 明るく笑ってわいるがどうにも葵の違和感を感じ三人もまた葵に視線が集中する。


「あたしで良ければ相談に乗るよあおっち」

「先輩としてお役に立たせてくださいませ」

「葵。悩んでいることがあるなら言いなさいよ」


 水瀬、桜華院、立花の三人が真剣な眼差しを見せる。


「これはちょんと説明しないといけない空気ですね」

 苦笑いをした表情を変え葵が抱える悩みについて語り出した。


「実は今日、学校の屋上で告白されたんです」


 そう言って思い出して照れ臭くなったもじもじと体揺らす。


「ひゅー、やるねぇ。あおっち」

「まあ。葵のルックスならモテない方がおかしいものね」


 口笛を吹く水瀬に疑いもなく納得する立花で桜華院も同意見と言った様子である。


「よかったな葵。それで相手は誰なんだ?教えてくれよ」

「えっと、隣のクラスの小林さんからです」

「小林さんね。••••••俺はあったことがないからわからないが良かったな。それで告白はもう了解したのか?」


 季島は答えづらい定番な質問を投げかけるが葵の表情が一変して落ち着き出した。


「いいえ断りました。僕には好きな人がいますからと」

「そ、そうか。断ったのか。なら誰なんだ葵の好きな人なんだ?」

「僕は拓也先輩ですと伝えたら小林さんは悲しそうにして去って行きましたよ」


 そう語る葵はどこか上の空を見ているような虚な顔でとんでもないカミングアウト聞いた俺は一瞬、呆然としていた。



「••••••な、ななな、何ィィィー!」



 驚きの余り勢いよくテーブルを叩いて立ち上がる。

 俺の豹変ぶりに静まり返る部室の中で思いの丈を叫ぶ。


「ど、どうして俺が好きだと言った葵‼️お前は••••••おまえは、男だろうがぁー!」


 そう。この部活の最後の一人。秋月 葵は男なのだ。

 見た目はモデル顔負けの可愛く僕っこである美少女かと思われたが、正真正銘の男の子である。

 これでメンバーは全員揃ってた集まりがオタク研究会(通称 オタ研)を名乗る部員たちである。

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