以下略 オタ研活動 嵐前静(あらしまえしずけさ)編
翌日。
「はぁ。これから、どうしたものか」
朝の教室でやる気ダウンの状態で椅子座りこむ。
(やべーな。みんなにどう伝えたらいいものか)
昨日の先生に言われた言葉が頭に残り自分の席に着くなり机に顔を伏せる。
まさか、真凪先生から期末テストで全教科六十点以上を取らないと廃部とか、いきなりハードルが高い頼み事をしてくるなんて思わなかった。
俺の場合なら多少、勉強は出来るが得意不得意の科目のバランスが酷くてなんやかんやで学年順位の平均ぐらいがあるが全教科六十点は流石にキツい。
俺だけなら気合い入れて勉強すればギリギリノルマはクリア出来ると思うけど、部員全員が対象となると非常に不味い。
そう一人でに昨日の事をおさらいする木嶋である。
あ、回想とかはないです。
「誰か、勉強が得意な奴に相談してみるか」
ブツ草と顔を伏せ自問自答になる中、
「うーす、タークヤ!」
喜作に声をかけ背中を叩き、声をかける人物がいた。
このタイミングで声をかける人は、もしや救世主! よくある二次元展開がきたー!
木嶋は、あらぬ期待を胸に顔を上げてすぐしかめ面を見せる。
「佐久田か••••••••はぁ」
「オイ、なんだよ。人の顔を見るなりため息溢すとか失礼だろうが」
木嶋の冷め切った態度に半眼で見つめツッコミを入れる男の名は佐久田 真斗。
同じクラスで良くも悪くも人から嫌われにくい(ああ、これは決して皮肉ではない)性格で男女問わず喜作に話しかけ、オタク系統の話を振っても毛嫌いすることも無く聞き上手などうでも良い人とでも言うキャラだ。
薄い茶髪に整った顔立ちにルックスよしでオシャレをせずとも学内で上位に食い込む程のポテンシャルがある。
でもってイケメンで身長は理想の彼氏として求める基準を満たし主人公肌気質でモテそう(ちょっとだけ羨ましい)男である。
ちょっとだけな、ちょっとだけ。
内心嫉妬気味の木嶋が「ああ、すまん、すまん」と苦笑し話題に入る。
「ちょっとした面倒事で悩みがあってな塞ぎ込んでいた所だな」
軽く謝り素っ気なく返す木嶋に「お、おう?そうか」と頬を掻き冷や汗を垂し木嶋は頭をかく。
「悩みごとがあるってならオレが相談に乗ってやろうぞ」
陽気な雰囲気から顔色変える佐久田。
「いやー。自分では、どう解決できそうにわかないから誰か救世主が現れないかなとかなーって、思った矢先に声をかけたのが佐久田だったら余計に困っている所でもある」
「素直なのは良いことだが、今日のタクヤはオレへの態度が辛辣なんだか」
「今日だけは特別そうだな」
「そこは否定しろよ!」
佐久田から強気のダメ出しである。
まあ、こんなやり取りが出来るのも佐久田だけで信頼を寄せる。
(佐久田になら話せそうだな)
「なあ? 急な話なんだが、佐久田って勉強が得意だったりするか?」
ご機嫌斜めな佐久田に対し無理矢理話題に入り「本当に急だな」と肩が下がり熱が冷めたご様子の佐久田が顎に手を当てキリッと澄ました顔を見せる。
「オレを誰だとおもってるだタクヤ」
佐久田が自信あり気な表情を見せる。 おおー、これは期待値たかそうだ。
「ふふーん♪何を隠そうと未だ追試になった事がない赤点の探索者 佐久田 真斗!
このオレにかかればどれだけ最低限の勉強をすればいいか分かるほどの頭脳がある!」
「そ、そうか。なんか、すまん」
そう言ってキメ顔見せる残念イケメンの佐久田である。
イケメンで文武両道の三物を神が与えなかったことには感謝しているが憎めない奴だな。
平謝りをし内心複雑な心境である。
「今の話はお互い聞かなかったことにしよう。佐久田の頭脳に関しては薄々勘づいてたから」
「ちょっとまて? 薄々気付いておきながら質問してくるとか••••鬼かよ」
「俺がオニ? ふっ、違う、オレは悪魔だ」
木嶋は某伝説の野菜人の彷彿させる笑みを見せつける。一度これはやってみたかった。
「今日のタクヤなんか変だそ? 唐突に分からんこと言い出すが今回の奴は元ネタが知らないかツッコミづらいだが」
別人と接しているかと疑う佐久田がぎこちなく答える。
「時折り、お前の暴走を制御出来か心配になる」
そうぼそり呟く。
その一言が元ネタに接点があるのを佐久田は気付いていない。
(全く、天然キャラに敵わないな)
木嶋は微笑ましく見守ると「まあ〜なんだ」と佐久田無理矢理話題を変えだす。
「そんだけ、タクヤが元気って事は大した悩み事でも無さそうでオレは一安心すよ」
屈託のない笑みに思わず呆気に取られる。
まったく。天然イケメン様の醸し出す陽気なオーラに食えない奴だなと一人で納得する。
「気にかけてくれてありがとうな、佐久田。後飲み物でも奢らせてくれ」
「おぉ! サンキュー木嶋。お前のこと気にかけて正解だった。これで飲み物代が浮くぜ」
歯に噛んだ爽やかスマイルでかました一言に一気に熱が冷める。
「やっぱ、今の無し」
「ふふふ、もう遅い。調書は既に取ってある」
そう言ってスマホ取り出す様子をみて抜け目ない。
「やっぱ佐久田はどうでも良い人だな」
小声で嘆く木嶋を他所に浮かれる佐久田と話す最中「おはよう〜」と一人の声が教室に旋律する。
(この声はまさか!)
その2に続く。




