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ありふれない日常伝  作者: 影の大宇宙
嵐前静(あらしのまえのしずけさ)編
11/20

やる気が出たから始まるオタ研活動 


「まえに話したオタク研究部について意見をみんな伝えたい」

『ゴクリ』


 真面目な様子にみんなは固唾を呑んで見守る。


「オタク研究部は今後、ボランティア部の手伝いをしながら学校生活を楽しむ。

 その手助けをみんなにもして欲しい」


 そう思いの丈を語り「頼む」と頭を下げる。

 自分にとって部の結成の時以上の個人的で身勝手な頼みだ。

 しかも、余計なお膳立てをしたと言われる始末。印象は、最悪いだろう。


『••••••••••』


 案の定返答が未だなく四人がどうすると言った感じお互いに視線を向き合い、これは駄目なパターンだなと諦める。


「ごめん、やっぱり•••••」


 この話は無しにしようと言いかけた頭を下げる直前、みんなの反応がこれだった。


「うん。いいよ」

「手伝ってあげるわよ」

「わたくしも構いませんわ」

「先輩のお助けならば是非、やらせてください」


 水瀬、立花、桜華院さん、葵と次々、あっさり賛成の返事が聞こえ「え?」と思わず唖然とする。


(聞き間違えでなければ、みんなが俺の頼みを了承してくれたんだよな。 いやいや、それは無いだろう。 これはもしかして、これは夢じゃあないか?)


 事実を受け入れる為に木嶋は自らの頬を引っ張り「夢じゃあない」と痛覚を感じそれを見かねた立花、水瀬が『やれやれ』と肩を竦める。


「今を一緒に楽しもうって決めたのはアンタでしょ? 今更なに言っているのよ」

「そうだよ。真面目な顔して何を言い出すかと思ったけど、水臭いな」

「わたくしは、拓也さんと一蓮托生のご関係ですのでご遠慮なさらず」

「そうですよ拓也先輩! 次からは、もし先輩の困り事で僕の力が必要で有れば、早く言って欲しいです」

 

 そう言って桜華院さんは微笑み、葵はテーブルに前のめりでなって注意され「すまん」とかしこまった礼をしゴホンと喉の調子を整え木嶋は決意を述べる。


「改めてよろしく頼む。今日からみんなで日々の日常をエンジョイしよう!」


 そう言って拳を高らかに掲げ仕方がないといいだけな生暖かい目で見つめ、本日の活動は上々の結果で幕を閉じる。



           ★



「今日もお疲れー、拓也」

「お疲れ様です先輩」

「今宵も楽しいひと時に感謝いたしますわ」

「戸締り、頼んだわよー」


 部室を出た一同が手を振り帰りの挨拶を告げ木嶋も手を振り返す。


「ああ、みんなも帰りは気をつけろよ」


 みんな帰りを見送っている最中「これって」と木嶋はあることに気付く。


「この後、みんなでファミレスでも行きましょう」

「おお、いいねぇ。お腹減ったから行きたーい」

「わたくしもご一緒させてくださいませ」

「なら、駅前のファミレスしましょう。ケーキが美味しって好評なんですよ」


 この後の予定を楽しく語り合い、廊下の窓から差し込むオレンジ色の夕日差し込み他愛のない話に花を咲かせ、親しい者達から溢れる『リア充オーラ』が木嶋には見えた。


(いいな、このこれ。ザ•青春って感じだ)


 自分を置いて遠くに向かう儚さと同時に巣立って行くのを見守る雛鳥のような切なさがある。自分言うのもなんだが詩人ぽくていいな。

 玄関から去っていくみんなにしばらく感傷的に浸る。


「••••••はっ! やべー、このままだと俺が校舎取り残されるな」


 下校時刻に間に合わせるべくガキをしめ早速と駆け出す。


(みんなで決めたこと、真凪先生に伝えなくてはな)


 軽い足取りで職員室に向かう。

 今日は、とても気持ちいい、スカッと晴れやか空を眺めた気分である。


        

           ★


 

職員室に入り、すぐ真凪先生のもとに行くとなりなら取り込む中であった。

「来たか、木嶋。すまんが少しだけ待ってくれ」

 自分の来訪にいち早く気付き事務作業をキリのいい所まで進める。こちらの気配でも察知しかのような対応に冷や汗がたれ、「これでひと段落だな」と言い残しこちらに振り向き目線が合う。

 そのタイミングで木嶋は息を整え語る。


「本日。先生に伝えたいことがあります!」

「お、おぅ。どうした木嶋。急にかしこまって?」


 ズバッと切り出した木嶋に少し後退りする真凪先生に回りくどいやり取りを無く直球で投げかける。

「メンバーに相談した結果。俺達オタク研究部は、ボランティア部の手伝いをしながら学校生活を楽しもうと決意しましたのでよろしくお願いします!

 手を後ろに組んで足幅開き声量強く発言する木嶋に目を見開いた真凪先生が「•••••••そうか」と少し溜めがある。

 その後、「ふっ」と穏やか笑みを見せる。

「それが聞けて一安心だ。助かるよ木嶋」

 肩にポンと手を置き笑みを浮かべ「ど、どうも」と軽い会釈し頬を掻く。


「俺のわがままにみんなが付き合って貰っているの形で内容によっては、一人で手伝うことになるかもしれませんけど」


 思わず気不味くなり萎縮する。まだ少しばかりおい目あるからだ。

 無理難題を押し付けられる心配は杞憂かも知れないが保険は掛けておいた方がいい。

「それでも構わないさ。木嶋から何か頑張りたいことがあるなら、それを応援してやるのが教師でだからな」

 真凪先生がニカっと口端を上げハンサム顔で歯を見せ親指をグッと上げる。


「ハイ! 精一杯頑張ります」

「いい返事だ。頑張れよ。オタク研究部」


 景気のいい喝を入れてもらい気合いが入る。

 やっぱり杞憂だよな。裏表がなさそうな爽やかマンサム先生なら多分悪いようにはしないと信じるとしょう。今のところは••••••

 木嶋かこうも疑りを持つのは、学園物の書籍・アニメで教師が悪者のパターンが多かったからだ。 *あくまで個人的な意見。

 内心疑った木嶋に「早速、頼みたいことがある」と真凪先生から相談事を持ちかけられる。

 しばらく語られる現実に木嶋は固唾を飲む。


「••••••••え?」


 思わず真顔になりこの先に待つ試練が待ち構えているのをこの時まで木嶋は知らかった。

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