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ありふれない日常伝  作者: 影の大宇宙
オタクの悩み
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オタクの日常って多分こんな感じ(個人的主観)

  

 


「なんだか物足りない気がするだよな」


 教室の隅で机に肘をつき頬に手をおきため息を溢す。

 吐いた息は白く窓から見える景色は鼠色の鉛雲が空で覆われる。

 季節は冬。 

 肌寒い教室の中で過ごし今日の授業も何事もなく終り、この後好きな事に時間を費やし自分の中で充実した日々を過ごす。

 そのはずだが、今日はどうも気が乗らない。

 何故だが分からない。 けど、なにか時間をもったい気がしてモヤっとした気分になる。


「どうした。何か悩み事か?」

「あっ、すまん。声が漏れていたな。別に大したことじゃあないんだ。気にしないでくれ」

 咄嗟に当たり障りないの空返事に「ふーん?」と品定めするように見つめ独り言が耳に入ったのか前の席に座る友人が席を振りかえる。


「嫌なことでもあったのなら、オレで良ければ話ぐらいは聞いてやるよ」

「あ、いや別に、そんな大した悩みじゃあなくな、ただ、なんとなくぼぉーっとしただけで気にしないでくれ」


 乾いた笑みを見せつけて特にこれとった言い訳が思い浮かばすなんとなく誤魔化した。


「お前がそれでいいならこれ以上は聞かないでおく。

 けど、なんか困ったことがあったら相談してくれよな」


 気さくな笑顔を見せる心優しい友人。


「ああ、そうするよ。じゃあな、また明日な」

「おお、またな」


 先に帰る友人を見送り、教室を出る生徒も又友達と一緒に帰る人もいれば教室で雑談をする景色を見て今日はどこか物足りないとモヤモヤとした気持ちである。

 うーん、どうしたんだろうな。 本当に俺ってば何か嫌なことでもあったわけでもないのに何を悩んでいるなんて変な奴だよな。

 感傷的な考えにふける中での一人で帰宅する最中、自分の事をついて振り返る。

 ぶっちゃけた話、平凡で目立った個性も無ければ勉強が出来る秀才でも無い。 運動神経抜群な天才肌でもない。

 まあ。雄一の強みがあるとすればオタクであることぐらいだ。

 ••••••って、それもなんの役に立つだろうな。自分で言っていて寂しい奴だな。

 多分、世間的な学生(これは俺の偏見だけど)なら友達と外に遊んだり部活でライバルと切磋琢磨したり、恋愛関係で盛り上がり恋話をするのが普通だと思い俺もその一人である。

 今年の春に地元とから離れた学校に高校生デビューをした俺は話しが合う友人に恵まれ運動会や球技大会などをきっかけにクラスメイトとは日常会話が話せる程度に仲良くなったつもりだ。

 夏になれば学校生活に慣れ始めた頃にやってくる夏休みと言う長期休暇である。

 まあ。俺は基本インドア派で海や山に行ってキャンプや合宿、花火大会で仲間たちと花火をみるなど学校では味わえないひと夏は余り経験はなく、ぼっち祭りやら自宅でゲーム三昧ではある。

 秋にはクラス内の関係が決まり俺はその輪からは上手い具合に外れることはなく文化祭で運動部と文化部がパフォーマンスや出し物を見て回るのもとても楽しいひと時も過ごした。

 そして現在の冬、そろそろ別れ季節が近づいているせいか感傷的になり始め卒業生を送る会で部活でお世話なった先輩のために張り切り出す後輩達がいる頃であろう。

 俺の場合はもちろん、帰宅部(きたくぶ)には入っているが。 

 残念なことにうちの部には先輩もいないイベントも一切ない。

 そもそも部活動もなく部室も存在する訳もなく先輩方との邂逅もなく冬休みに突入し俺は多分またゲームで年明けまでまったりと過ごすであろう。

 ••••••あれ? 俺ってもしかして自分言うのもなんだけど結構な陰キャラだな。 まあ、余り変えるつもりがない。 

 •••••••その筈だ。

 けど何故だろう。 今もそう思って生きてきたのに今日はやけに何か物足りない。


「うーん、なんだか、いまの俺のままだと人生を損している気がするんだが一体何をすれば、••••••ん?」


 考えに老け込んでいたら気が付けばいつも通る帰宅路から離れ別の場所を歩いていた。


「やべぇ。帰り道、間違えたな」


 頭を掻き元の道に戻ろうとしたら、ふとある建物が目に映る。

 

「せっかくここまで来たし本屋にでも寄って行くか」


 そうと決めただ家に戻るのも釈然とし俺はなにげない気持ちで余り立ち寄らない本屋に行き店内を見渡す。

 ずらりと鎮座する本棚達を眺め店内を歩く。

 すると、俺が普段読む漫画や雑誌を主に目が向きがちなのだが今回は違った。


 何せ『店長のオススメコーナー』と前来た時はなかったデコレーションされた棚に自然と目が行った。


 並んでる作品は他種多様で店長の趣味や世間の評判いいとされているライトノベルや漫画が置かれている。


「へぇー、なんだか面白そうな物が結構あるな」

 最近はゲームばかりにハマっていた為、読書は余り幅広く見ていなかったため興味が湧く。


「久しぶりにラノベでも買っていくか」


 独特の個性を感じるタイトルと挿絵に興味を惹かれ手に取った本を購入し自室で読み耽る

 今自分が読んでいる作品は学園ハーレム系の青春コメディである。

 読み進めていくと主人公の男と五人の個性あふえる女子との主人公が学校で馬鹿騒ぎをしたりイチャラブなイベントが盛り沢山であった。



「な、なんだこれ! めっちゃくちゃおもしろしい。こんな神作品があるなんて知らなかったわ!

 てか。どんな風に考えたらこれほどの内容が書けるとかマジですごいわ」


 読んでいて感動する程につい笑ってしまうほどのギャグやパロディがツボにハマる。

 ラノベを読むたびに溢れ出るさまざまな感情に胸が高鳴りにある事を思いついた。

 俺もこの物語の主人公のような学校生活を過ごしてみたい。

 仲間達と一緒に馬鹿騒ぎしてみたい。


「いやいや、何言ったんだ俺は、ハーレム主人公とか無理だろう絶対。これはあくまでフィクションだから」


 我ながら情けない妄想に感情的なっていた自分に言いかけせも虚しさをも感じていた。


「それでも俺もこの主人公みたいな青春や学校生活を本気で楽しめる人になってやるぞ!」


 自室で一人奮い立たせるように拳を握りラノベを読んだ事で自分が見ている世界が百八十度変わった••••••とは言い過ぎだと思う。

 それでも、俺とって人生の転換期が来たとおもえていた。


「けど、いったい何を始めたらいいのだろう?」


 腕を組んで考え込むとふと思うことがあった。

 それは、どうして主人公がみんなとワイワイする環境があったのか。

 答えは自分から誰とかかわりに行くか何かしらのキッカケで出会う事だと考えられる。


「そうなると、同窓会とか部活動を俺が作るとか? 流石に無理だろうけど、やるだけやってみるか」


 普段なら自分なら思いもしなかった発想に楽観的なりならがもこのことがきっかけで自分がなりたいと理想に向かって歩み始める。


 この物語は才能やチート能力がない無能の運動神経、学力がそこそこな陰キャラオタクが学校生活を満喫するために同じくオタクである仲間達を集めて個性あふれる人達と汗と涙と笑いが蔓延るるぐたぐたな日常を過ごしていく一人の高校生の物語。

その予定である。

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