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闇路妖狐  作者: 狐禅
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第二十五話 「                   」

もり がみえた


きが みえた


つち がみえた


つき がみえた


くさ がみえた


みえた


みえたみえた


みえた――――きがした


きがした、きがした――


あしがもつれた


それでも、はしった


かおにえだがささる


それでも、はしった


いわにつまずく


それでもはしった


くらい

くらい

くらい

くらい

くらい

くらい

くらい

くらい

くらい

くらい

くらい

くらい

くらい

くらい

くらい

くらい


よるのやみが、くらい


ああ


つきのひかりが


こんなに、こいしいなんて


はしる

はしる

はしる

はしる

はしる

はしる

はしる

はしる

はしる




てで


あしで


てで


あしで


てで


てで


あしで


あしで



あし


もう


なにも、わからない


ぼくが、なにをした?


ただ、いきていただけなのに

ただ、いきていただけなのに


ぼくが、なにをした


ただ、しあわせに、なりたかっただけなのに

ただ、しあわせに、なりたかっただけなのに


ぼくが――なにをした?


ひとを、ころした

ひとを、ころした


ひとを?

ころした?


なぜ、それが、わるい?


ぼくを、ころそうとしたのに?


ぼくを、ころそうとしたのに?


ぼくはただ、いきたかっただけなのに


どうして


どうして


ぼくのしあわせを、うばう


どうしてぼくから


れきえんをうばう?



どうして、ぼくから――


かりょうを、うばう?


かりょうすらも、うばう?


ぼくは


ぼくは


ただ


ひとなみに


しあわせに


いきたかった、だけなのに――――

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