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学科魔法士の迷宮冒険記(最終版)  作者: 九語 夢彦
3章 迷宮防衛都市
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3章ー2:マヒコとメイア、魔獣の力と魔法開発

 小型の融和型魔獣達が昼寝する路面電車を完全に引き離し、命彦達は高級住居地区の外れに位置する、神社に降りた。

 【樹皇神社】、命彦が幼少の頃からよく参拝している、1300年以上の歴史を持った古い神社である。

 神社を管理しているのは、(こずえ)の実家たる神樹家(かみきけ)であり、祭祀を(つかさど)るのもその神樹家の者であるため、普通の神社より命彦には身近に感じられる場所だった。

 魂斬家は神樹家と900年以上もの親交の歴史があり、日本でも特に古い歴史を持つ上、精霊魔法を探求する優れた魔法使いの女系一族でもある神樹家から、歴史的に多くの嫁取りを行っていた。

 実は、命彦の精霊魔法の師である祖母も神樹家の生まれであり、神樹家先代当主の妹にあたる。

 個人的にはほぼ親戚の一族という感覚であるため、神樹家が管理する【樹皇神社】にも、とりわけ親しみがあったのである。

 ミサヤの背から、神社の入り口である参道に飛び降りた命彦は、地面へは降りず、自分の周りを飛び回るミサヤと共に、境内(けいだい)を目指して階段を上った。

 階段を登り切ると、境内の一角に生える御神木の傍で1人の少女が立っている。

 人目を引く白い外套(ローブ)、防具型魔法具を身に付け、肩に弓の武具型魔法具を、腰には矢筒を下げた灰髪(かいはつ)の少女が、命彦達に気付き、すっと右手を振った。

「待ってたわよ、命彦、ミサヤ」

 依星(よりほし)メイア、命彦の学友で、白人の母親を持つ、灰白(かいはく)の少女である。

 整った鼻梁(びりょう)と深い彫りを持つ顔付きに、冷静さを宿す蒼い眼差し。母親譲りの色素が薄いくすんだ灰色の髪と白皙の肌に、年齢相応に実った胸や腰付きを持つ、スラリとした白の少女。

 母の容姿を色濃く受け継いだ、混血人種(ハーフ)の少女が、メイアであった。

「……意外と遅かったわね? 5分ほど待たされたわ」

「家を出たのが遅かったんだよ。それよりメイア、また御神木と話してたのか?」

「ええ、樹木の精霊が色々と伝えてくれるからね。……(うらや)ましい?」

「ああ、羨ましいね? 基心外精霊をひょいひょい使役できるところが特に。ぶっちゃけると、少しムカつく」

 命彦がひがみっぽく言うと、メイアが気を良くしたように笑みを浮かべた。

 精霊付与魔法《旋風の纏い》を使ったまま、命彦の周りを浮いていたミサヤが、《思念の声》で命彦を(はげ)ます。

『いつも言ってるでしょう、マヒコ? 修練を重ねていれば、マヒコも必ずや基心外精霊を見付けられると。あまり急がずに、日々たゆまぬ修練を続けましょう?』

「分かってるよミサヤ。……ふう、分かってはいるんだけどさあ」

 同年代で3種もの基心外精霊を扱えるメイアのことが余程羨ましいのか、命彦はため息をついた。

 命彦が扱える精霊は、魔法士の基本である地水火風の基幹精霊4種と、心象精霊である陰闇の精霊及び陽聖の精霊の、計6種のみ。

 一方、メイアが使役できる精霊は命彦の使える6種に加え、雷電の精霊、樹木の精霊、機械の精霊の計9種。

 3種類もの基心外精霊を、現時点でメイアは使役できるのである。

 精霊を認識し、使役する能力。精霊魔法の適性という才能の差が、2人の間には厳然とあった。

 その事実が、命彦には悔しいらしい。

 これでメイアがそこそこの歴史を有する魔法使いの家系に生まれていれば、まだ命彦も精霊魔法に対する自分の凡庸(ぼんよう)さについて、諦めがつくのだが、当のメイアは魔法とはまるっきり無関係の、一般人の家系に生まれており、自分一代で命彦よりも多くの精霊魔法を修得した、本物の天才だったりするから困る。

 家族に魔法を教えてもらえる恵まれた家庭環境で、厳しい修練を長い間重ねて、ようやく6種の精霊を使役した命彦と、命彦よりも圧倒的に短い修練期間で、家庭環境の助けも受けずに、9種の精霊を使役するメイア。

 あからさまに才能の差を見せつけられたわけである。命彦が悔しがるのも当然のことであった。

 精霊魔法が隆盛している今の世界では、精霊魔法の実力が、そのまま学科魔法士の実力として評価されることが多い。

 多くの精霊を使役できれば、使える精霊魔法も飛躍的に増えるため、命彦も精霊魔法の修練、特に基心外精霊の認識に力を注いでいるが、今のところ上手く行っておらず、そのせいで余計にメイアが羨ましいのであった。

 負け惜しみっぽく命彦が口を開く。

「まあいいさ別に。俺には魂斬家のご先祖様から受け継いだ、意志魔法や源伝(げんでん)魔法がある。多少精霊魔法に劣ったって気にしねえよ……」

「うふふ、顔が羨ましいって言ってるわよ? 命彦のそういう顔を見るの、私は結構好き。優越感を感じられるからね?」

『メイア、一言余計ですよ』

 メイアの言葉に、子供のようにムッス―とした顔をする命彦を見て、ミサヤがため息をつき、メイアは楽しそうに笑っていた。

 

 気分を切り替えるように、命彦は残り2人の友人について、メイアに問うた。

「それでメイア。勇子(ゆうこ)空太(そらた)はどうした? てっきりあの2人と一緒だと思ってたんだが……まだ来てねえのか?」

「2人とは依頼所で合流する予定よ? ここへ到着するまでに2人へ連絡したんだけど、勇子は学校で一般教養課程の国語と数学の補習があって、空太は可愛い義妹(いもうと)のお迎えね? どっちも依頼所へそのまま行くって言ってたわ」

「ふむ。空太はいいとして勇子はまた補習かよ? ()りんねえーあいつも。教師役の人工知能が怒らねえからって、毎年毎年同じことを繰り返すか、普通?」

「私に言われても困るわよ……去年出された一般教養課程の春休み分の宿題も未提出だし、今年の授業初日から、すでに2週間分の宿題を連続で忘れ続けた上、授業時間もほぼ爆睡。幾ら注意しても食事をしたら記憶が初期化されて、注意内容も完全消去されてる。これでどうしろと? 4月ももうすぐ終わるっていうのに、勇子はまだ春休みを続けてる感じよ」

 メイアが苦笑して、言葉を続けた。

「このままじゃまた前回の進級試験みたいに、一般教養課程の各試験で赤点を連発すると思って、教官が早い時期から勇子のために補習を課したんでしょうね? まあ補習課題で未提出分の宿題をさせるのは、甘過ぎるとも思うけど。勇子はすでに〔闘士(ウォリア-)〕学科の魔法士資格を取得してるから、教官も恩情をかけたんでしょうね」

「その恩情は通じてんのか、あいつに? 魔法士育成学校は魔法学習が本分だから、一般教養課程の試験は赤点でも進級にほとんど影響しねえぞ? だから勇子も手を抜くんだ。周囲にどう思われようとあいつは気にしねえし、バカのまんまじゃ卒業後に困るからって、教官がわざわざ補習してくれてるのに、その優しさもあの脳筋は多分理解してねえ」

『確かに。また文句を言ってるでしょうね? そもそも人工知能の教師の他に、魔法実習課程の教官があえて自分を監督することの意味を分かっているのでしょうか、ユウコは?』

「さすがにそこは分かってるでしょ? 普通に考えれば問題児対策だと気付くわ。単に一般教養を学習するだけだったら、人工知能の教師だけで足りるもの。でも人を叱るっていう行動は、人類を傷付けることを制限してる人工知能の原理原則に抵触するから、学習を(おろそ)かにする生徒には叱り役の教官が必要」

 メイアがフウッとため息をついた。

「つまり、魔法実習課程の教官に目を付けられてる時点で、普通は自分が問題児だと自覚する筈よ? ただ……自分が問題児だって自覚があるのと、それを改めるかどうかはまた別よね? いいえ、勇子の場合は改めるつもりは一応あるのよね、困ったことに」

「自覚もあるし、改めるつもりもある。でも実践はできねえんだよ、これが。ホント手のかかる奴だ……まあいいや、考えると頭が痛いし。とりあえず俺達も動こう。すぐに路面電車が来る。さっさと移動しようぜ」

「ええ」

 【樹皇神社】の傍には、路面電車の常設駅があった。走れば3分ほどで着く距離である。

 歩き出した命彦は、頭上を飛んでいたミサヤを見上げ、声をかけた。

「ミサヤ。徒歩で移動するから、おいで」

『はい』

 浮いたままのミサヤが一声咆えて魔法を使い、時を巻き戻したように肉体を縮めて、命彦の頭に子犬の姿でふわりと着地した。

 精霊儀式魔法《子犬化の儀》。ミサヤが独自に作った、子犬の精霊を魔力に取り込み、自己の肉体を子犬の姿に再構築するという、《人化の儀》と似た効力を持つ、無駄に難しい魔法である。

 基心外精霊に分類される子犬の精霊が、普通の魔法使用者には全く認識できず、また、自分の肉体をか弱い子犬の姿に再構築する目的や意味も見出しにくいため、ミサヤ以外に使える者がいるのかと、疑問符が浮かぶ精霊魔法であった。

「精霊儀式魔法《子犬化の儀》か。……《人化の儀》と同様、儀式魔法術式でも特に難しい、肉体の再構築という効力を持ち、高度過ぎて人類には真似することが難しい魔法ね。そういう風に自分で精霊魔法をほいほい作ってしまえる魔獣達の才能って、本当に羨ましいわ。そもそも子犬の精霊ってどこにいるのよ?」

 今度はメイアが羨ましそうにミサヤへ問うた。しかし、ミサヤの答えは冷たい。

『マヒコ以外には教えてあげません、秘密です』

 命彦の頭の上で子犬状態のミサヤが、冷めた様子で《思念の声》を発した。

 ミサヤがこの魔法を作った理由は実に単純明快で、命彦に抱っこしてもらうためである。

 ミサヤの本性である白い狼は全長6m、体重も3tを超える巨狼。

 魔法で幻影を作り、子犬に化けても、実体はそのままであるため、命彦がミサヤを抱える場合は、3t以上の体重を持ち上げる必要があり、筋力を底上げする魔法を使わずして、ミサヤを抱え上げることは不可能であった。

 それ故に、ミサヤは命彦が普通に持ち上げられるよう、あえて新しい魔法を作ってまで、自分の肉体を再構築して、実体から子犬に化けていたのである。

 実際、迷宮防衛都市で生活する場合は、子犬の姿の方が他者に警戒されにくく動きやすいし、命彦と終日べったりとくっ付けるので、ミサヤとしては、《子犬化の儀》は作る価値と、使う価値のある魔法であった。

 にやにやした命彦が、さっきの仕返しとばかりにメイアへ言う。

「いいだろう、羨ましいだろう? でもやらんぞ、ミサヤは俺のだから。んーふっかふか」

『うふふ、くすぐったいですよマヒコ』

 子犬のミサヤを抱き上げ、勝ち誇る命彦を、メイアはイラッとした様子で見詰めていた。


 先を歩く命彦が抱えるミサヤを、メイアが横からマジマジと見つめる。

 マメシバという小型の犬種がいるが、子犬状態のミサヤの体格はまさにそのマメシバくらいであり、顔つきがやや狼的で野性味があるものの、丸くてとても愛くるしかった。

「あの鯱とか象ほどもある狼が、こうまで可愛らしく化けるのか。自分で魔法を作るって本当に凄いわ。ミサヤは気軽に使っているけれど、肉体の再構築って恐ろしく扱いが難しい魔法だし」

 メイアが顎に手を当て、学者のように思考しつつ道を歩いて語る。

 そのメイアへ、ミサヤがどうでも良さそうに《思念の声》を返した。

『そこまで凄いことですか? 手本にできる魔法はありましたし、この魔法を作るのは、意外と簡単でしたよ? 3日くらいで完成しましたからね?』

「み、3日っ! これだから魔法に長けた魔獣は……人間の魔法士達が新しい魔法を作るのに、年単位の時間をかけてるっていうのに。はあー」

 ミサヤの言葉を聞き、メイアは人類と魔獣との間にある力の差、魔法的素養の差に落胆した。

 ミサヤが新しい魔法を簡単に作れるのは、ミサヤが魔法に知悉(ちしつ)した魔獣だからである。

 人類が1つの新しい魔法を作ろうと思えば、普通は10年単位の開発期間が必要であり、作ろうと思う魔法の効力が複雑であればあるほど、その開発期間は延長された。

 これは神霊魔法という一部の例外的魔法系統を除いた、全ての魔法系統で言えることであり、人類が全く新しい魔法をイチから作ろうとすれば、軽く十数年の時間を要した。

 というのも、1つ1つの魔法には魔法的効力、魔法展開速度、魔力消費量、魔法制御性、効力射程、効力範囲といった、最低でも6つの性能項目があり、それらの相互作用を計算して、無駄を削ぎ落とすことで、魔法の開発までにかかる期間が決まるからである。

 魔法的効力とは、文字通りその魔法現象が持つ効力のことで、効力が複雑であればあるほど、魔法の具現化は難しく、効力が単純であるほど、魔法の具現化は容易であった。

 次いで魔法展開速度だが、これは魔法の具現化にかかる時間、要するに、魔法の想像図を頭で思い描き、魔力を制御して、その魔法を現実空間に構築・展開し、効力を発揮させる速さを指す。

 魔法の効力が複雑であれば、脳裏で思い描く魔法の想像図も複雑化し、魔法展開速度も遅かった。

 3つ目の魔力消費量とは、そのまま魔法の具現化に費やす魔力量の多寡(たか)を意味しており、魔法的効力が複雑である魔法ほど、魔力消費量は多い。

 4つ目の魔法制御性は、魔法を具現化した後、その魔法の効力がどの程度持続するのか、あるいは具現化した魔法を思い通りに操作できるのかという、魔法現象の持続性や操作性を示している。

 当然、効力が複雑である魔法ほど、制御は難しかった。

 5つ目の効力射程と、6つ目の効力範囲は混同しやすいが、水風船を#投擲__とうてき__#した飛距離と、着弾後に水風船が破裂して、周囲に水が飛び散る拡散範囲に例えることが可能である。

 5つ目の効力射程が、水風船の飛距離、6つ目の効力範囲が、水の拡散範囲にあたり、魔法の効力が届く距離と、魔法の効力が広がる面積を示していた。

 効力が単純であれば、効力射程を伸ばしやすく、効力範囲も拡げやすい。

 新しい魔法を開発するということは、最低でもこの6つの性能項目を、自分の思い描いた魔法のために、緻密に設定し、検証して、最小限の魔力量で最高の効力を引き出せるよう、技術や労力の無駄を削ぎ落としていくということである。

 これは1人の魔法開発者が、最低でも数十年かけて、あるいは数人の魔法開発者達が、十数年かけて行うことであり、短期間で新しい魔法を作ることは、人類には不可能であった。

 しかしミサヤは、《子犬化の儀》を思い付いて、僅か3日ほどで完成させたと言う。

 肉体を再構築する精霊魔法は、《人化の儀》がすでにあったために、それを参考にして魔法の開発期間を短縮したとはいえ、3日というのは驚異的過ぎる開発期間であった。

 魔法に長けた魔獣達は、人類から見て、こういう規格外の真似が割と可能であり、実は人類が魔獣を恐れる根源的要因の1つが、この人類を遥かに凌駕する魔法的素養の高さ、魔法能力の高さであった。


 魔獣の凄さを改めて実感し、肩を落として歩みを止めてしまったメイアに、先を歩いている命彦が気楽に言う。

「幾ら精霊魔法の天才と言われるお前でも、ミサヤの力については気にするだけ無駄だぞメイア。ミサヤは魔獣でも、特に魔法に長けてる。魔法的素養、魔法能力は、人類とは桁違いだ。比べる方が間違いだぞ? 種族としての次元が違う」

 身近でミサヤを見ている分、命彦の言葉には魔獣を良く知る者の重みがあった。

 その命彦の言葉を頭では理解しつつも、また歩き出したメイアが言い返す。

「そうは言うけどね、私達人類が十数年かけて開発した魔法も、見ただけで理解し、再現する魔獣や、好き勝手に改良して作り換えられる魔獣達……敵性型魔獣達が、迷宮や異世界にはゴロゴロいるのよ? 多少は気にするでしょ?」

 メイアの顔には、焦りと不安が入り混じっていた。

 魔獣と人類との力の差に、危機感を抱いているメイア。

 しかし、その事実を当然のように受け止める命彦は、首を傾げていた。

「気にして解決するのか? 昔から言われてたことだろ?」

「それはそうだけど……」

「どだい地力が違うんだよ。人類が敵性型魔獣達に勝つためには、魔獣でも真似できねえ魔法を作るか、真似されることを前提に、新しい魔法を作り続けるしかねえんだ。あとは魔法自体の使い方を工夫するくらいだぞ? 考え込んで精神的余裕を失うと、良い知恵も浮かばんし、そもそも自分が追い詰められるだけだ。もう少し気楽に考えたらどうよ?」

 先を歩く命彦のお気楽過ぎる、しかし建設的でもある意見に、メイアが苦笑を返した。

「分かってるわよ。……でもね、そもそも身体能力で劣るから、魔法能力でどうにかして勝とうとしてるのに、実際は魔力でも負けてて、頼みの魔法技術でさえ、進歩が止まったらすぐに模倣されて追い付かれるんだから、少しは深刻に考えるでしょう?」

 暗い表情のメイアを見て、命彦はミサヤを抱え上げ、おどけた様子で言った。

「ありゃ、随分と悲観的だ。明日にでも人類が滅ぶ勢いだぞ、ミサヤ?」

『そうですね。確かに深刻に捉え過ぎている気がします。魔獣と人類との間には、能力の差という厳しい現実がありますが、しかし実際に、人類はまだしぶとく生き残っている。それは人類に、どこかしら魔獣に勝る点があるからです』

「まったくだ。悲観的に考えるだけ無駄だよ、無駄。人生は1度きりで、ただでさえ俺達魔法士は、死が身近にある世界で生きてる。暗いことばっかり考えてたら、人生ドン詰まりで気が滅入(めい)るわ。もっとこう魔法士であることを活かしてさ、日々を計画的に楽しんで生きようや?」

 暢気にミサヤと会話する命彦。先を歩いて、路面電車の常設駅へと入って行くその命彦達を、ため息をついて見詰め、メイアも(まぶ)しそうにクスッと笑ってから、駅へと入って行った。

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