この町の教授
この町の仕組みを知ってから、20年が経つ。
色んな世界を旅していた。
街の迷路に迷い込んだ。
街の中に手ぬぐいが落ちていた。
そして、その手ぬぐいを拾った。
私は、今街の迷路の中に居る。
街の中心に街灯が並んでいる。
その横に老婆がいる。
それでもなお、世界は広い事を暗示していた。
この町に来てから色んな人に出会い、小説を読みこの世界のルールを私は知った。
黄色い車に乗った若い人が手を振る。
それでもなお、手を振り続ける。
それが一番いい選択肢だと知って
一つの本を手にした。
この町には入るトンネルが3つある。
私は色んな人と会話し、この町の紹介された家に来てから
記憶が薄れていった。
記憶のない世界に放り込まれた。
この町で20年を過ごし
記憶が消えてしまった。
仕組みは分らないが
芸術作品のようなアートが売られている店に入る。
店に入るとにいちゃんが
「それは誰の肩書だい」
と言う、その2つの肩書を背負い
こう言う。
「教授になった時の俺の肩書だよ」
私はこの町で教授をしていた。
専攻は心理学だ。
心理学の勉強は哲学と共にしていた。
苦しみ紛れの授業やら、色々な授業をした。
誰か分からない生徒を教育し、新たなステップを踏む。
そして家に帰って、読書をする。
読書をしていくにしたがって
記憶が薄れてきた。
この町の教授としては有名だったがあまり有名ではなかった。
夢を見た。夢の中で戦争が起こっていた。
私は街を飛び出し、病院に駆けつけ
新たな本を手に取った。
また新しい物語が広がる広大なこの世界。
地味に記憶を手に取り、病院からぬけだした。
夢から覚めた。
私は教授になったが、この町以外の有名な大学の教授へと出世し
私の住んでいる街を出なければならなかった。
病院の横の木は私の生徒たちが私の為に植た木だ。
もう居なくなった生徒もいる。
沢山の花束をもらいこの町を去る。
この町のルールや仕組みは一つ覚えた。
ただ一回も見た事ない、古ぼけた家があるらしいので見に行った。
地図によればここらしいが。
地図にも載らない家だからわからないが
それでも階段を登った。
ブランコを漕いでいる少女が居る脇を通り
欅の木を横目に見上げ
沢山の児童をかき分けて
地図に載っている家にたどり着いた。
そしてチャイムも古ぼけていたが
チャイムを押した。
誰も出てこない。
私はその家に入った。
すると記憶を失ってしまった。
誰かがチラッと見えてたような気がするが
そして記憶が無いまま、その家で暮らすことになった。
その家は誰も人が来ない。
若い少女だけが私を看病してくれる。
私は子供のようになったのと病気のようになったのがある。
そしてこれから本を読んで言語を覚えた。
その頃、この地域の一番有名な高学歴な大学では私が教授になるはずだったのに
来ないという事が噂になって居た。
噂は瞬く間に広がり、この家にも居れなくなった。
若い少女が去っていった。
私は猛勉強して少女に教えてもらった事と本で覚えた事で
教授の座にもう一度つきたかったが
記憶を失って街を出ても地図が読めなかったり、教授の座には就けない事が分かった。
教授の座につけなくても、その大学の校長が大学に来いと言っていた。
私はタクシーで大学に行き、そこで猛勉強した化学の知識を教える教職を得た。
そして教えている途中で、記憶が戻り心理学も教えれるようになった。
ただ、過去のあの町の何処に居たのかが思い出せない。
チラッと見える人の姿だけしか分からない。
一回も行った事のない幻の家に居た事を思い出せなくなってしまった。
そして私はイタリアの先端に来た。
海を渡る覚悟があった。
大陸を制覇しようとして失敗してもいいから
新たな土地に学んだ知識で行きたかった。
そして船を作った。
まだイタリアの地、ヨーロッパ以外発見されてない時代だった。
私の町でキリスト教や色んな宗教もあったが
私の関心は大陸を渡る事だけだった。
船は揺れて、雷のなるバミューダトライアングルに入った。
行き先も分からないまま、ドンドン舟は進む。
釣りをして、食べ物には困らなかったが
色々問題はあった。
ついに600日が経って、新たな大陸についた。
そこには前見たような街があった。
だが、私は戻ってきたわけじゃない。
何か色とか違う店があったりする
ちょっと前の町より幸せな大陸についたのだ。
そうしてこの町の仕組みを知って
新たな大陸で教授になった。
心理学と化学を教えている。
海は近い。
港にあるイタリアの風景を眺めて
ここはアメリカだと分かった。
イタリアを模倣した地アメリカで
同じような建物に発展された畑や店がある。
そして私はついに大学の教授になり、大金を得た。
記憶を失ってから何年が経つんだろうか
まだ私は生まれ育った町を思い出せない。
だけれども老後、同じような街で過ごしている。
大陸は違うけれども…