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おっぱい×戦隊シリーズ  作者: 帝国城摂政
超乳戦隊ニュウ・ギガレンジャー

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サイドストーリー「蜘蛛は成り上がる」(2)

「うぉぉぉぉぉぉ!」


 と俺、スパイダー・ラスラーは肩を借りるつもりで2本の剣を大きく、6本に見えるようにして振るいまくる。対して俺の相手、居合使徒ムラマサはと言うと……ただしっかりと目を閉じた様子で集中していた。そして俺とムラマサの距離がまさに近付こうとしたその瞬間、ムラマサの眼が見開く。


「……【ポート】」


 その言葉と共にムラマサは姿を消し、俺は辺りを見渡すも、


「残念だったな、俺の領域から逃げる事は誰も出来ない」


 と、俺の首筋に当てられた冷たい金属の感触で俺は後ろに居る事を知ったのだ。


「ちくしょう!」


 俺は慌てて剣を振るうが、一歩ムラマサの方が速くて……。

「ちくしょう、またかぁ!」


 俺は観測使徒ウオッチの部屋で手当てを受けながら、自分の未熟さを思い知っていた。


「ねえ、ラスラー君? ボク、これで君の事を直したの、何十回目だっけ? 流石に飽きて来たんだけど。

 そもそも居合使徒ムラマサ君は戦闘主任で、強いのは当たり前なんだから……」


「分かっている! しかし、納得出来んのだ! あんなに美しくて強いだなんて! 反則だろう!」


 居合使徒ムラマサ。能力名は『ゾーン』。領域内を自由に転移するという補佐的なメモリなのだが、それを歴戦の侍が使っているのだ。強くないはずがない。


「なんだよ! 一瞬のうちにして相手の背後に回り込んだり、一瞬にして俺を移動させて攻撃を外すだなんて……ある意味、反則じゃないか!」


「まぁ、メモリってその人の対応力次第だからねぇ。

 ムラマサ君の反則的な強さに見えるかも知れないけれども、やはりパンク様の『W』のメモリや、敬愛すべきナッノ様の『N』のメモリの方が……あぁ、ナッノ様……」


 そうやってトリップしている姿を見て、俺はしまったなと思った。


 観測使徒ウオッチは金色のストレートヘアー、それにクールな理系美少女であり、さらに可愛らしい顔立ちのLカップ美少女で、俺のような百合を物凄い勢いで言う俺に対しても普通に対応してくれる。

 ムラマサのメモリの能力だって彼女に教えて貰ったのだから。

 しかし彼女はネームネームの最高幹部、いやエージェント・ナッノの事となると異常に熱愛しており、彼女の話を振ると2,3時間くらいはナッノの魅力について語られてしまう。いや、確かに凄いと思うが……流石に何百時間も聞くと、飽きてしまうというものだ。


(……はぁ、流石にそろそろ倒さないとな。ムラマサを)


 今、愛しの彼女である溶解使徒ホムラ様は配下のユシーモンスター達と作戦をするために出て行ってしまわれた。

 どうもその、カラーシェイドは結構時間がかかる作戦らしいので、2,3か月ほど帰ってこないらしい。

 その間にムラマサを倒してラスラーこそがホムラ様に相応しいのだと照明するつもりでいたのだが……能力が分かっても、ムラマサを倒せないのだ。


「ちくしょう……焦っても上手く行かないと分かっているのだが」


「そうだぞ、何十発もかけて戦うのが一番だな。腹立たしいが」


 と、この部屋のもう1人の使用人が俺に声をかけてくる。


 須子井比師(すごいころし)。俺と同じくムラマサに勝負を挑みまくっている奴だ。

 金色のポニーテールと186cmの身長とLカップという爆乳と、コートの前と身頃に切り替えが2本入っている薄紫色のプリンセス・コートが特徴のこの美少女とは、何度もこの部屋に会っているうちに仲良くなった。勿論、性的な意味でいつか食おうと考えているのだが。


「……比師さん。ここはあなたの救護室じゃないんですよ? と言うか、2人ともいいかげんムラマサに勝負しなければ良いのに」


「それはならんな! この比師、何を置いても重要視すべきは彼との決着! それさえ守れれば他に何も要らぬ!」


 力強く断言する比師の言葉に、俺はズキリとなにかを撃たれたような気分に陥る。


「いや、決着と言うか比師さんの使う『アイアン』のメモリは回復能力に特化したメモリで、壊されれば壊された時以上の硬さになるから、何度も戦っているだけなのでは?」


「……ウオッチ、それは違うぞ! まぁ、設備主任に分からんのがはらだたしい!」


 と比師はそう言ってそのLカップの、観測使徒ウオッチと同じ大きさを誇るスイカサイズの胸を大きく右腕で叩きつける。


「俺は……殺意衝動と言う、人を殺さずにはいられない(さが)を背負っている。

 しかし、だからと言って幸せになれないということはない! 腹立たしい気持ちは抑えきれんが、俺はそれでも幸福に生きてやる! たった1つの、幸福に人生を終えるという目的を果たすためにな!」


 そう言って比師は、そのまま立ち上がると『アイアン』のメモリを取り出す。


『アイアン』


「へん、しん!」


 彼女がそう言ってメモリを首筋に差し込むと、彼女の姿が光り輝き、そしてそのまま彼女の身体は別の身体に変わっていた。

 Lカップの胸には大きな金色の胸当てを付けた鉄の剣を持った鋼鉄の騎士であり、その頭には『最強』の二文字が刻まれている。


「戦えば戦う程強くなるアイアンファントムである俺の戦いは、まだ始まったばかりなのだからな!

 ハハハ!」


 比師はそう言って部屋を出て行き、やれやれといった様子で見ているウオッチ。

 それとは別に俺、ラスラーは別の意思を持って彼女の事を見ていたのであった。





 俺様、居合使徒ムラマサは自分の部屋に入って来た者を見て、1つ嘆息。

 それは財団Sという、ネームネームの出資者の組織から来たお方、須子井比師が変身したアイアンファントムの姿だったからだ。


 アイアンファントム、壊されれば回復能力によって瞬時に破壊された場所が直され、さらに壊された個所は同じ攻撃で破壊されないように硬く補強されるという、まさに戦えば戦う程強くなるモンスター。

 既に彼女と戦った回数は20回を優に越え、その硬さは前は一瞬で居合斬り出来た頃に比べると何百倍にも硬くなっている。


(……まずいな、そろそろ加減が難しくなって来たぞ)


 須子井比師は財団Sの幹部候補生の1人。ほかに3人居るとは言え、邪険に扱って良い存在ではないが、それでも本気でいかなければこちらが負けてしまう。


(しょうがない、今回は戦法を変えよう。

 いつもは鎧を破壊して、直りきる前にさらに二、三発叩き込んでいたのだが、今回は鎧を破壊しない戦法に変えよう)


 鎧を破壊せずに、相手に直接威力を伝える鎧通しという技があり、それがムラマサが今から使おうとしている技だ。これならいかに相手が硬かろうが、確実に相手にダメージを与える事が出来るし、そういう戦法もあるのだと彼女にも理解して貰えるだろう。


(まぁ、そろそろつらいしなぁ。別の奴に変わって貰うか。

 そうだな……あぁ、そうだ。俺様の領域を越えて、ホムラ様に直接会いたいというバカな害虫が居たな)


 そうだ、あいつに任せよう。

 同じ戦バカ同士お似合いだろうし、なによりウオッチの報告だと既に仲良しの段階にあるという。

 ならば2人をそのまま戦わせておけば、こっちが要らん気を回さずに済む。まさに一石二鳥のアイデアだ。


「……とすれば、このアイアンファントムとの戦い、一瞬で決着を付けるか」


 俺様はそう言い、領域を展開する。

 そして相手の位置、そして自分の転移すべき位置を頭の中に浮かぶマップに思い浮かべて、そして、一言。


「……『ポート』」


 その瞬間、俺様の思った通りの場所に俺はワープしていた。

 流石、『ゾーン』。いつも通り、ほれぼれするくらいにまでに最適だぜ。最も、この能力に殺傷能力はない。

 ――――なので、


「領域に居る俺が、領域の支配者が直接断罪する!」


 そう言って俺様は鎧通しを放とうとして、


「……!? な、なにぃ!?」


 ――――アイアンファントムが自ら俺様の居合を受けに来たのに驚いていた。


(バカな! 完璧にぶつかるように……それ以前にどうやってこっちの場所を見破った!?)


 『ゾーン』のメモリのワープ。それは自分の姿を一瞬にして飛ばす転移能力。高速移動でないから目で追って相手の場所を予測なんかできないはずなのだが……んっ!?


「い、いてっ……!」


 俺の手になにか針のようなチクリとした痛みが来て、手を振って払いのけると俺はそのままその場にうずくまる。なんだと思って、それを視線で追うとそれは……1mサイズのデッカい蜘蛛だった。


「く、蜘蛛?!」


「そう、俺様の愛すべき大事な蜘蛛様だぜ。

 最も、俺様が愛するのは嫁であるホムラ様ただ1人だがな」


 と、アイアンファントムの口からそう聞こえて来て、俺はなにものだと聞き返すと、彼女はメモリを取って変身を解除した。


「俺様だよ、ムラマサ。

 お前の地位が欲しくて、欲しくてたまらない、傭兵のスパイダー・ラスラーだよぉ」


「き、きさまだったのか!? あのアイアンファントムが貴様だとすると、本物の……」


 須子井比師はどこだという質問は、俺の口がそのまま閉じてしまって言えなくなってしまった。


「本物? おいおい、あの鉄のメモリは元々エージェント・ナッノが財団Sに献上したメモリであって、あいつのものじゃないだろう?

 それに誰が使おうが能力に違いはない。最も、俺が使うと、あいつほどは硬くなれなかったが……まぁ、もうどうでも良い話だ」


 そう言ってラスラーは強く握りしめて、『アイアン』のメモリを破壊する。破壊したメモリをそのままパラパラと捨てたラスラーは俺の方を見る。


「良い芝居だっただろう? お前がアイアンファントム、いや須子井比師に手加減しているのはなんとなーく分かってたからよぉ。それを活かして貰った。

 まさか鎧通しで来るとは思ってなかったから、一瞬ヒヤリとしたぜ。まぁ、当初の目論見通り、鎧を破壊した衝撃で毒蜘蛛をぶつける事が出来て何よりだけど。

 お得意のテレポートも、さっきの神経を麻痺させる毒で使えないだろう? あの能力、集中力が大切だろうに、ろくに集中出来そうにねぇぞ? その顔を見ていると」


 こいつは何を言っている?


「あぁ、このメモリかい? 貰ったのさ、死体からよぉ。

 あいつの言葉は響いたぜ。たった1つの事以外を切り捨てる、まさしく鋼のような精神によ。俺様は今までホムラ様の事を愛していると言いながら、他の女とどうやって寝るのかというくだらない事まで考えていた。それでは不誠実だよなぁ」


 こいつは何を喋ってる?


「だから、俺様は決めたんだ。他の奴は愛人なり、好きで良いが、それでも俺様の嫁……俺嫁であるホムラ様以外は全て塵芥だ。

 俺様は俺嫁のホムラ様のために生き、ホムラ様のために死ぬんだとな」


 可笑しいだろう、たかが副官。されど副官だぞ?

 副官になるよりも、ネームネームに属する者ならばあのお方に、タイラ様のために働きたいというのが普通のはず。なのに、たかが幹部1人にうつつを抜かすとは……。


「所詮、傭兵か……哀れだな」


「あぁん?」


「俺様の領域……いや、ネームネームという闇からホムラ様と一緒に逃れたと思い込んでやがる。

 良いか、傭兵風情。所詮、俺様達は……創始者であるタイラ様から逃れる事は……」


「うるせぇ!」


 ラスラーはそう言い、彼女の胸を傷付けないように、首と頭を切断する。




「タイラ様? ホムラ様でない以外、全員塵芥だと言ったばかりだろうが」


 財団Sの幹部候補生の須子井比師、そして居合使徒ムラマサ。

 2人の実力者を倒した彼女を、帰って来たホムラは偉く気に入り、その後『親衛隊長』の名を与え、以来彼女を副官として採用したのであった。

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