第4-2パイ「蝋燭と馬と、仲良しコンビ!?」
これは5月中旬の、とある過ごしやすい休日にニュー・紫峰市にて起こったとある5つの事件についての物語である。
【AM10:00~AM12:30】
宮下桃子と須黒梨花は仲が良い。
どれくらい仲が良いかと言われれば、もしかしたら隠れて付き合っているんじゃないかと思われるくらいの仲であったのだが、それでもその実態はお互いに大親友であると言うだけの事である。
そんな間柄は普通にある事だとは思うが、
「あぁ~、本当にさ い こ う ね! この2人の関係はい い ですわ~」
まさかここまで嬉しがられ、邪推する内容だとは思っても見なかったのである。
「(ねぇ、梨花ちゃん。この人、どう見ても……)」
「(えぇ、ユシーモンスター……いわゆる、怪人、よね?)」
ユシーモンスターとはこの2人、ニュウ・ギガピンクこと宮下桃子とニュウ・ギガブラックこと須黒梨花の2人が戦っている怪人の総称である。
ユシーモンスターは一見怪人に見えない者も居るので必ずしも断定出来ると言う訳ではないのだが、少なくとも今目の前に居る彼女はユシーモンスターだと断定出来る。
「あぁ……やっぱり外に出て良かったわぁ。
こんな熟れた果実を目の当たりに出来るなんてか い か ん♪」
まるで作り物のような長々と伸びる銀色の髪、ジャージのような赤いドレスを着たLカップの20代後半の美女。脚部には雷の模様が描かれた銀色の脚甲。
そして肩には馬の顔をモチーフにした肩当て、額には螺旋状の角が生えている。
そんな彼女は嬉しそうに2人を見ていた。
「はぁ~、本当に嬉しいわ~。
こんな可愛い娘ちゃんの相手が出来るなんて……」
「「……!」」
そう言いつつ、彼女の足部分が雷を帯びて行くのを見て不穏な気配を感じた2人は急いでシフトフォンを取り出す。そしていつでも変身出来るようにメモリを差し込む。
『バレット』
『バブル』
「あらあら~。そんなの使っちゃって、い け な い ん だ か ら♪」
2人がシフトフォンの変身のボタンを押そうとしたその時、彼女が雷を纏った脚で物凄い勢いで2人の身体を蹴りまくっていた。そして2人の身体が痺れる。
「な、なに、これ……」
「か、身体が……」
そしてそんな2人の足がいきなり重くなり、動かなくなる。
それは麻痺と言うより、実際に動けなくなった感覚に近かった。
「……準備完了」
「どうやら上手くいったようガネ……ユシー・ユニコーンシェイド」
雷をまとった、ユニコーンシェイドと呼びながら彼女の後ろから現れたのは、これまた分かりやすい怪人であった。
頭に火を灯している変わったOカップの19歳くらいのクールな美少女で、全身真っ白な服装で右腕がバズーカのようになっている。服装の真ん中には『Task』と堂々と書かれている。
「ユニコーンシェイド、彼女達を痺れさせてくれてありがとうございますガネ。
おかげで非常に戦いやすかったガネ」
「良いわ~、キャンドルちゃん!
もし、なんだったらそのOカップと言う人々を魅了してやまない2つの果実で私を包み込んでくれるのでしたら、ね?」
「遠慮するガネ、ユニコーンシェイド。
―――――さて」
と、そこでキャンドルちゃんと呼ばれていた彼女は2人の、桃子と梨花の方を見ていた。
「初めまして、宮下桃子と須黒梨花。私はキャンドルシェイドだガネ。
そこのユニコーンシェイドと一緒にあなたがた2人を倒しに来ましたガネ。
正確にはあなた方が持っているその変身携帯シフトフォンを取るために――――」
「能書きは良いわよ、キャンドルシェイド」
と、そう言ってキャンドルシェイドの前に現れたのは溶解使徒ホムラ。
真っ赤な炎のようなツインテール、赤い女王様風のローブを着た130cmと凄く小柄な子ではあるが、相変わらず体型に似合わないIカップと上から目線な眼つきと手に持った錫杖が威厳を表していた。
「あぁ~♥ やっぱり2人のギガレンジャーも良いけれども、それ以上にホムラ様の存在感もし ふ く♪」
「ユニコーンシェイド……こんな女好きでも、既にレベル4……幹部になるかもしれないと言う段階にまで成長してるなんてあり得ないわ。
それなのにこっちの、奴隷のように使いやすいキャンドルシェイドはその下のレベル2程度とは……。
まぁ、良いわ。このホムラ様の能力でフィナーレを飾りましょう」
ホムラがそう言うと、彼女の柔らかいぷにぷにとした腕がドロドロとした黒い液体へと変わって行く。
そして足は真っ白な、まるで空気のような気体へと変わっており、彼女はゆっくりと2人に近寄る。
「ウォターシェイド……この私の昔の名前よ。
私はこのウォターのメモリをレベル5にする事で今の地位を手に入れましたわ。さて、キャンドルシェイド。2人からシフトフォンを取りなさい。
ユニコーンシェイドは下手に情が移ってしまうかと思いますしね」
「えぇ~。私は女の子の味方なだけなのに~」
「了解しましたガネ。
ホムラ様のためにも、やらせていただきましょうガネ」
と、そう言ってキャンドルシェイドは2人の元に近付いていた。
このままだとやられると思った2人だったが、桃子と梨花はそこで自分の片手だけ動ける事に気付いていた。動ける手は、桃子が右手、梨花が左手である。
「(麻痺が解けてる……な、ならば!)」
「(私達のメモリで……私が携帯を出すから…)」
「(分かったよ! じゃあ、私のメモリで!)」
2人が目で合図をしていたが、キャンドルシェイドは気付かずにそのままシフトフォンを取るために2人に近付いて行く。
「(音を出さないように注意して…)」
「(行くわよ。桃子!)」
桃子が『W』、ウルフのメモリを取り出して、その取り出したメモリを梨花のシフトフォンに入れる。 そして2人は気付かれないように、キャンドルシェイドを待っていた。
「さぁ、そろそろ手が届きそうですガネ」
「(今よ!)」
梨花がいきなりシフトフォンをキャンドルシェイドの前に差し出すと、シフトフォンから狼の衝撃波が放たれており、キャンドルシェイドが狼の衝撃波によって吹き飛ばされていた。
「がはっ……ガネ!」
「キャンドルシェイドちゃん! なんでぇ~!」
「落ち着きなさい、ユニコーンシェイド。
相手のペースに巻き込まれないように……」
そしてその間に桃子は梨花が持っている『M』、マリンのメモリを自分のシフトフォンに携帯に入れる。
『マリン』
「くらえー!」
桃子は自分の携帯から大量の水流を放っていた。
そして大量の水流がユニコーンシェイドと溶解使徒ホムラの2人を襲う。
「ふっ……バカね。この私はウォター、水の攻撃は私には……」
「ホムラ様、あ ぶ な い わ! サンダーキック!」
そしてユニコーンシェイドは先程と同じように雷を脚に纏わせ、そして迫って来る海の水に雷の蹴りを与えていた。そしてユニコーンシェイドの蹴りで雷を付与された大津波はユニコーンシェイドと溶解使徒ホムラの下に向かっていた。そして雷の大津波がユニコーンシェイドとホムラにぶつかる。
「き、きゃあああ! 私の身体がし、しびれ……」
「あ、あぁ……か、か い か ん♥」
雷でユニコーンシェイドとホムラの2人が痺れている間に桃子と梨花の2人は自分達のシフトフォンにそれぞれ変身用のメモリを入れる。
「行くよ! 梨花ちゃん!」
「うん、桃子ちゃん♪」
『バレット』
『バブル』
そして2人は自分のシフトフォンにギガレンジャーに変身するためのメモリを入れる。そして変身するためのボタンを押す。
「「返信変身、ギガレンジャー!」」
すると2人が真っ白な光に包まれていって、2人の体型が桃子は大人らしくセクシーに、梨花は可愛らしくギャップのある身体つきになっていく。
2人の手元が桃子のはピンク、梨花のはブラックの手袋が付けられる。そして黒と桃の胸元とお腹が露出した服装へと変わる。
2人とも、色違いの銃を持っていた。ニュウ・ギガピンクとニュウ・ギガブラックの2人が銃を構えていた。
「あぁん♥ 変身しちゃって、さらに可愛い! 今、私が迎えにい く わぁ♪」
ユニコーンシェイドは脚部に雷を纏わせたまま、2人の元へ走り出していた。
そしてニュウ・ギガピンクとニュウ・ギガブラックはそれぞれの銃、アブソーブシューターとシャドーバブルにそれぞれのメモリを入れる。
『ウルフ、ターゲットオン!』
『マリン、ターゲットオン!』
2人揃って、ユニコーンシェイドに照準を合わせる。
「「ウルフ&マリン、シューティングアタックー!」」
そして放たれた一撃は、青い炎を纏った狼の形となってユニコーンシェイドを貫く。
「あぁん♥ す て き♥
癖に なっ ちゃ い そ う♥」
そして爆発したユニコーンシェイドを見て、ホッとする2人。
しかし、ある事に気付く。
「あらぁ?」
「キャンドルと……ホムラは?」
それはいつの間にか消えている2人の行方であった。
ユシーモンスターNo.20
〇ユシー・ユニコーンシェイド
所属区分;溶解使徒ホムラの部下、伝導猫娘コヤンイ・チョジンカスムがギガレンジャー抹殺のために雇った刺客
使用体;実験体U-801『ユリ』、白馬夢葉
外見;まるで作り物のような長々と伸びる銀色の髪、ジャージのような赤いドレスを着たLカップの20代後半くらいの美女。脚部には雷の模様が描かれた銀色の脚甲。そして肩には馬の顔をモチーフにした肩当て、額には螺旋状の角が生えている。
所見;強い脚力と電撃攻撃が得意な怪人。異常なまでに女性が大好き、異常なまでに男性が嫌いな同性愛者の怪人で、女性が大好きという感情の身で幹部になる前段階のレベル4まで成長している。ホムラを俺嫁と呼んでいる親衛隊長スパイダー・ラスラーとは色々と情報交換や可愛さ懇談会なども行うくらいの仲。By;文化者エージェント・ナッノ




