表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっぱい×戦隊シリーズ  作者: 帝国城摂政
超乳戦隊ニュウ・ギガレンジャー

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/68

第2パイ「大きくないけど恥ずかしくないもん! 進化するシェイド?!」(後篇)

「これ、12歳くらいの身体、か?

 けれども、この大きな胸は……」


 と、神納京香は鏡に映る自分の幼くも大きな胸を持った姿を見ながら、自分の身体に起こった変化を目の当たりにしていた。

 自分の身体が幼くなっているだけならばまだ夢かもしれないと思う事も出来た。ただ、胸がカラーシェイドによって大きくされた胸がそのままという事も合わせて考えると、やはり現実なのだと思っていた。

 そもそもカラーシェイドによって、胸が大きくされた時だって夢だと思いたかったのだから。


「とにかく事情を知っている人に聞くのが一番……だな」


 京香はさらに慣れない身体に戸惑いつつ、シフトフォンを操作して電話をかける。

 相手は勿論、こういう事に詳しそうなナッノ博士である。


「もしもし……」


『やぁ、京香君? どうかしたんだい?

 ……って、君も慌てて電話して来たという事は佐美と同じ状況って所かな?』


「佐美さんも……そうか、リモコンシェイドの光線は……」


 京香は佐美と一緒にリモコンシェイドの光線攻撃を受けていた。

 リモコンシェイドは『R光線』と言って放っていたが、その時は何もなかったし、ナッノ博士が居なかったから研究所の設備を借りて検査して見た時は何もなかったので安心していたのだが、まさか次の日になって効果が現れるタイプだったとは……。


『佐美の話から概ねの事情は聞いていたけれども、京香もまた子供になったのかい?

 遠隔操作能力しかなかったはずの自堕落なリモコンシェイドに人を子供にする能力はなかったはずですし、恐らくは"進化"だろう』


「し……んか?」


『そう、進化だ。そもそもユシーモンスターとは人間を軸にして動いている。

 この前のカラーシェイドだって、その体内に人間が居る事はこの前のカラーシェイドからも分かっていると思う。ユシーモンスターはああいう風にその体内に人間が居て、さらにユシーモンスターの核となるコアのメモリがあるはずだ。

 まっ、どうもリモコンシェイドは他人の年齢を操る能力に覚醒したらしいな。今のボクにはどうでも良い話だがな』


「どうでも……良い……?」


 私がこんなロリ巨乳になったままで良い……そう言っているのか?

 私は……こんなに悩んでるのに! ナッノ博士はそんな適当に……!


『まぁ、相手がリモコンシェイドならばちょうど良かった。

 リモコンシェイドは……』



「――――――もう良いです!

 じゃあ、失礼!」



『あっ、ちょっ!?』


 そして私は電話を切り、無理矢理ブラジャーを付けるとぶかぶかのシャツに身を包むと、そのままシフトフォンとフローラのメモリを持って外へと飛び出していた。

 こうなったら私1人で、ロリ巨乳の体型からあの体型に戻ってみせます!





 ユシー・リモコンシェイドは三角帽子の頭から伸びた6本の足をくねくねと動かしつつ、天牛女官モーウ・ボイーネとナイチチ達と共に波止場にて敵であるギガレンジャーを待ちかねていた。

 待ち伏せ作戦といえば聞こえは良いが、


(まっ、実際はただの時間稼ぎ。兼、休憩だけでゲソねー)


 と、リモコンシェイドはだらけつつそう言う。正直言えば、リモコンシェイドは何もしたくなかった。

 こんな作戦だってすぐに終わらせて帰りたいし、もっと言えば家でゆっくり紅茶でも飲んでおいた方が良いとさえ思っている。けれどもリモコンシェイドは一応は混雑使徒マリネと天牛女官モーウ・ボイーネの2人の部下である以上、作戦は行わないといけない。


「ほらほらー♪

 これでも飲んだらどうデース? とーっても美味しいデースよ?」


「い、いえ……嫌、です」


「むむむー。やっぱりエージェント・ナッノ様が進言してたのが悪いデース」


 はぁー、と溜め息を吐くモーウ・ボイーネはと言うと、はりつけにされて縄で簀巻きになっている人質の音無橙子を見ていた。

 彼女がなかなか特製牛乳が入ったコップを飲もうとしないのを、残念そうな眼で見ていた。


「確かにあなたの胸は、身長の倍以上あるデース。

 けれどもこの母乳牛乳を飲めば、さらに大きく膨乳して、さらに女性らしい姿になる事が出来るデース。だから、さっさと飲むのデース」


「……でも、飲んだら最終的に牛に、なるって、聞い、た、です」


「うぐっ……そ、それはお姉さん的な言い方をするとデースね?」


 そうやってどもっているモーウ・ボイーネ様を、リモコンシェイドは「痛い所を突かれたなぁ……」という目で見ていた。

 胸を大きくするという目的を持つ乳房帝国ネームネームからすると、飲むとあらゆる人間の胸を大きくする事が出来るというモーウ・ボイーネ様の特製母乳は作戦が完了している事の証明に見える、かもしれない。

 しかし時間が経つと性格がのんびりとした性格になり胸から母乳が出たり牛の角やしっぽが生え耳が牛になり語尾に牛の鳴き声がつくようになって戦意がなくなり身も心も牛のようになってしまうという欠点がどうしても治らないのが残念でならない。


 その欠点さえ治れば、リモコンシェイドももう何もしなくて良いのだから。


「はぁ……仕方ないでゲソ」


 そう言いながらリモコンシェイドは橙子の方に近付くと、頭のボタンを光り輝かせると黄色い光を橙子へと放っていた。


「『P光線』」


 放たれた光線は真っ直ぐ橙子に向かって放たれ、橙子に光線がぶつかると、そのまま彼女の身体がビクリと揺れる。


「あ、あぁ……」


「にしても大きな胸じゃなイカ。

 こんだけデカいともう別の人間みたいでゲソ」


 頭の細長い腕を3本使ってようやく支えられているほどの彼女の巨大すぎる胸を見ながら、ウフフと笑っていた。

 まぁ、どうでも良い事ですし、これから彼女はそれどころじゃなくなるのだから。


「あわ、あぁぁぁぁぁぁわゎゎゎゎっ……」


 すると、彼女の身体が徐々に、徐々にと大きくなっていく。

 160cmくらいの身長が徐々に大きくなりつつ、ギュギュッと服の裾が小さくなるくらいにまで手足が伸びつつ、さらに身長の倍近くあるその胸がきつきつとブラジャーを圧迫していく。


「この『P光線』は人を成長させる、というか成長させる前提の光線だゲソ。

 まっ、着実に胸が大きくなっている人が居るからどうでも良いんじゃなイカ」


「い、いやぁぁぁぁぁぁ……」


 泣き叫んでいる橙子の意思とは正反対に着実にその身体の大きさを増して行っていき、モーウ・ボイーネとナイチチ達は「おぉっ!」と歓声をあげていく。


「凄いデース!

 これならば、私はこの作戦に私は必要ナッシングデース!」


「……はい? そ、それはどういう意味じゃなイカ?」


 なんだかとーっても嫌な予感がしてきて、リモコンシェイドはちょっと戸惑いつつ、必死に言葉をかけていた。


「え、えっと? モ、モーウ・ボイーネ様? どういう話でゲソ?

 リモコンシェイドはモーウ・ボイーネ様のサポートなのでゲソ。

 それにこの前、収集使徒ユウ様の作戦補助もやりましたじゃなイカ?

 な、ならばもう私のフォローはしなくても良いんじゃなイカ? そうなんじゃなイカ?

 ねっ、そう……なんじゃなイカ?」


 リモコンシェイドはそう何度も、何度も言うけれども、モーウ・ボイーネは心底頷きまくった後、


「ノープログレム! 大丈夫デース!

 リモコンシェイド、後は任せますデース! それじゃあ!」


「あっ、ちょ……!」


 そう言って帰って行くモーウ・ボイーネ。残されたリモコンシェイドは、周囲のナイチチ達と橙子を見た後、現れるロリ巨乳化した――――


「……見つけたぞ、リモコンシェイド!」


「……モーウ・ボイーネ様が帰った後に、ニュウ・ギガイエローが来るとはついてないでゲソ……」


 ハァー、と心の底から溜め息を吐くリモコンシェイドであった。





 波止場に辿り着いた私こと神納京香は、私をこんな姿にしたリモコンシェイドを倒すためにシフトフォンにフローラメモリを入れる。


「フローラメモリセット!

 返信変身!」


 そしてメモリを差し込んで返信のボタンを押すが、携帯から返って来たのは『Error!』という音であった。


「なっ……!」


「あっ、どうやら変身はできないみたいでゲソ。

 今がチャンスみたいだから、ナイチチ達よ! 倒すでゲソ!」


『ナイチチー!』


 変身出来ない私を尻目にして、大量のナイチチ達がこちらに向かって来る。


「ちっ……!」


 今、私は1人であり、なおかつ他に増援を用意してない今の状況では太刀打ちなんて出来ない。

 攻撃や逃避をしようにもいつも以上に動き辛いこの身体では上手く出来ない。


「あっ……」


 必死に逃げようとして足元の石につまずいてしまった京香。

 そんな彼女の姿をナイチチ達は逃さずといった様子で、辺りを囲む。


「さっ、後は倒すだけじゃなイカ。

 ナイチチ達、私の無駄なき行動のために、さっさと倒すでゲソ」


『ナイチチー!』


 ナイチチ達が各々の武器を振りかぶろうとしていたその瞬間、京香は怖さのあまりに目を瞑る。

 そして最後の瞬間を待ち構えていたが――――



「そこまでよ! 私達が居る限り――――」


「京香ちゃんは――――」


「――――わ・た・し・た・ちが、守るの、よぅ♥ まっ、1人遅れてるけどねぇ♥」


 と、3人のギガレンジャーがそれぞれ、思い思いの武器を持ってナイチチ達を武器で倒して行く。



「みんなぁ……」


「大丈夫、京香ちゃん?」


「うん、ありがとう。ニュウ・ギガブラック」


 と、私と同じようにロリ巨乳(こっちはメモリの力で、だけど)のニュウ・ギガブラックが手を差し伸べて来て、私はその手を取る。


「……どうしてここが?」


 私はこの3人に波止場でリモコンシェイドと戦っているなどと言った覚えはないのに、どうしてここが分かったんだろう……。


「――――ナッノ博士が教えてくれたんです」


「博士が……そうですか。

 でも……」


 ナッノ博士には確かにこの状況について、リモコンシェイドの対応策について説明していた。

 だからリモコンシェイドと戦っているかもしれないという事はなんとなく分かるだろうけれども……でも……


(私は……あんなにきつい口調で言ったのに……)


 どうしてナッノ博士は私の元にこの3人を……。


「あぁ……本当にむかつくでゲソ。まっ、そんなのは本当にどうでも良いんじゃなイカ。

 私はこれがあるでゲソし。ポチッ、とな」


 リモコンシェイドがギガレンジャーの3人をまた操るように長い手足で持ったリモコンを向けるが、


「――――バレットヤーン!」


 と、そんな甲高い聞き覚えのある声と共に、リモコンシェイドの目の前に糸でぐるぐる巻きとなったナイチチ達が現れる。


「あれは……糸……!

 それって……」


 京香が糸の先を追うと、そこには私と同じくロリ巨乳な体型で動き辛い体勢のままの佐美さんが、あの衝撃を与える糸を使っている。

 けれでも、なんだか苦しそうに見える……。


「当たり前だ。

 ギガレンジャーの武器はそもそも変身して戦うためにデザインされているのだからな」


「……! ナッノ博士!」


 いきなり現れたナッノ博士はニュウ・ギガブラックから私を受け取ると、そのままニュウ・ギガブラックを戦いに向かわせていた。


「君をすぐに助けに来なかったのは……まぁ、ほんのちょっぴり、ほーんのちょっぴりだけ悪いとは思うけどね。

 こっちはあのじゃじゃ馬を止めるのに必死だったんだ。分かってくれとは言わないがね」


「じゃじゃ馬……?」


 ――――それって今、必死な形相で戦ってる佐美さんの事?


「ユシー・リモコンシェイドにはいくつか弱点があるのだが、そのうちの1つにナイチチ達は操れないって言う事があってね。

 ほら、彼女はたくさんのナイチチを連れてたり、モーウ・ボイーネとかの幹部も近くに居たのに操って無かっただろう?」


「言われてみれば……」


「リモコンシェイドには佐美の糸でナイチチ達をまとめるのが一般的な戦い方だ。

 だが、彼女はな……君と同じなんだ」


「同じ……?」


 そう言えば、この前もそんな話を……。


「ユシーモンスターになる者は大抵、エージェント・パンクが別世界から連れて来た奴隷だ。

 そして彼女達全員が全員、胸が大きいという訳ではない。だから――――ボクは彼女達の身体を弄繰り回した」


 つらい事だったと、ナッノ博士は言う。

 でも、必要な事だった、とも言う。


「佐美だって元は普通の女子高生だ。あんなに糸を意のままに操っているが、あれはボクの教育とパンクの指導の賜物であり、普通の女子高生には要らない技術だ。

 ――――正直、今でもボクは君達をこんな戦場に足を入れた事を悔いているし、同じくらい佐美だって戦いを忘れて普通に暮らして欲しい。でも、彼女はボクの言葉なんて聞いてくれない。

 リモコンシェイドの弱点は自分だから、そう言って無理矢理こっちまで来るくらいだ。止めようとしたボクだが、本当に嫌になる」


 だから、と前置きをしてナッノ博士はこう言った。


「この戦いの責任は全てボクが背負う。そして元はそんなに胸が大きくない、ただの普通の女子高生である君と佐美は仲良しこよしでもやりながら、余生をきちんと謳歌したまえ。

 ふっ、どうだい? 今回のロリ体型でちょっとは君も懲りただろう。

 これから先、もう痛い目を見ないようにするために、そのシフトフォンをボクに返却した……」



「せいやぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」



 ボヨンッと、私はナッノ博士に向かってその自前の大きな乳を振りかぶる。

 名付けて、乳ビンタ。

 乳ビンタで吹っ飛ばされたナッノ博士は、プルプルと震えながら立ち上がってこっちを見る。


「な、何をするんだい! あのシーンではボクにシフトフォンを渡すのが普通だろう!

 君はバカだよ! 君はボクの言う通りにしておけばいいんだ! だから、さっさと返したまえ!」


「嫌だな」


 と、私はそう言って、今度は凛とした佇まいで立ち上がる。


「――――吹っ切れたぞ、ナッノ博士。私はお前を許さない。同時に、お前の言葉に反論する。

 お前が「全ての責任を負うのは自分だけ」といった言葉を否定して、私も責任を背負う。お前が「佐美と仲良しこよしで」といった言葉を否定して、我々5人で仲良くする。

 勝手に1人で背負うだなんて許さないからな。お前は――――――お前も、私の大切な仲間として、この戦いを勝つ!」


 そう言って私は、彼女から貰った『R』のメモリをシフトフォンへと挿入する。


「ロックメモリ、セット! 喰らえ――――――!」

『ロック!』


 私がリモコンシェイドの頭上の空にシフトフォンを向けてボタンを押すと、リモコンシェイドの頭の上に大きな岩が生まれて、そのままリモコンシェイドに思いっ切り激突する。


「ぐはっ……。フラフラじゃなイカー……」


 そして頭のボタンから青い火花が飛び出ると、リモコンシェイドの頭のリモコンが爆発する。

 すると私の身体がいきなり青く光り始め、ぐぐっと身体がいきなり成長する。幼さを感じていた手足は確かな存在感を出す長い手足へと変わり、さらりとしていた髪はちょーっと重めのボブヘアーへと姿を変える。

 和らげな印象の瞳は凛とした鋭い目に変わって眼鏡も復活し、そして大きめの胸は元の体型へと戻ると嬉しそうに2,3度たゆんと、大きく揺れる。


「なるほど……岩を発生させるメモリ……。確かにこれ以上適したメモリもあるまい。

 ありがとう、ナッノ博士!」


「ほ、褒めたって何も出ないぞ!

 さっさとあのリモコンシェイドを倒したまえ!」


「あぁ、了解した」


 そう言って私は地面を蹴って跳ぶ。

 身体が軽い。可笑しい、あれほどまでに動き辛かった大きな胸の身体が、今では前以上に動きやすいし、なにより――――身体から、大きな動きと合せて形を変える胸元から、力が湧き出て来る!


「来ましたか、京香さん」


「そうだな、佐美」


 私達2人は眼だけでお互いの気持ちをシンクロさせて、そのままお互いシフトフォンにメモリを挿入して、返信ボタンを押して変身する。


(なんだろう……前よりも心地いい気がする……)


 前はなんだか一瞬裸になる感覚がなれなかったが、今ではずっと心地いいものに感じる!

 今だったらなんだって出来る!


「黄の新しい乳戦力! ニュウ・ギガイエロー、華麗に乳場!」


「緑の新しい乳戦力! ニュウ・ギガグリーン、華麗に乳場!」


 私達2人がそう言ってリモコンシェイドの前に立つと、リモコンシェイドはむきー! とした顔でこちらを見ていた。


「人の頭に岩を落とすなんて非常識じゃなイカ!

 こうなったら、リモコンシェイドがただの操作だけの能力しかないモンスターでない証拠を見せるでゲソ!」


 そういうリモコンシェイドの頭から出る6本の長い手足はぐるぐると高速回転していた。


「ふふふ……。このリモコンシェイドの手足は鋼鉄をも切り裂くでゲソ!

 喰らうゲソ、ゲソ脚6本!」


 そして物凄い高速で向かって来たゲソ脚を、


「バレットヤーンズ・トラップ!」


 ニュウ・ギガグリーンがバレットヤーンで絡め取っていた。


「し、しまったでゲソ! さ、さすが裏切り者! 汚いじゃなイカ!

 って、もう1人もこっちに向かって来ているじゃなイカ!」


 そう、私はこの隙を逃したりしない。私はフローラメモリをガイアブレードに差し込み、そのまま地面へと突き刺す。


「奥儀、ガイア・エクスカリバー!」


 地面へと突き刺したガイアブレードは地面を通ってそのまま大樹となって、リモコンシェイドを空中へと放り投げていた。


「ひ、ひきょうじゃなイカ―――――!」


 そして爆死するリモコンシェイド。


『レスキュー!』


 爆発の煙の中に無数の見えない手が伸びたかと思うと、そのまま1人の、手足がない少女を中から取り出していた。そしてもう1人、こっちは丁寧に救出されている私の同級生の姿があった。


「実験体R-50『ダラク』、五十崎六実(いがさきむつみ)……あと、音無橙子君も救助完了、だな」


 2人が助かったところを見て、私は仲間であるグリーンにサムアップすると、グリーンも私に向かってサムアップを返してくれるのであった。





「やったようですね……」


 と、ニュウ・ギガレッドは最後のナイチチを胸で押しつぶすとそのまま立ち上がって2人の元へと急いだ。同じようにニュウ・ギガブラックとニュウ・ギガピンクの2人も。


「――――まぁ、及第点といったところでしょうか」


 と、全員揃った時、いきなり目の前に真っ黒な門が現れて中から1人の女性が出て来る。

 その女性は濃いグレー色のスーツをビシッと着こなした、真面目な印象を受ける白縁の眼鏡をかけているクール系の美女。頭にはテンガロンハット、そして腰にはガンホルダーと拳銃が2丁。

 そして普通の女性でない事を証明するかのように、その身体の真ん中には大きく上を無って張っている胸元の下には重厚そうな扉が埋め込まれていた。


「ゲートシェイド!」


 と、グリーンは現れたその美女を見てそう言いながらにらみつける。


「……リモコンシェイドを倒されましたか。まぁ、自堕落な彼女が負けてしまうのはある程度想定されていましたがね。

 まっ、私が回収したかったのはこれですよ」


 と、彼女はそう言ってスーツのポケットから取り出したのは『R』と書かれた、2本の棒のような物が描かれたメモリであった。


「それは、リモコンメモリ!」


「正解ですよ、ナッノ博士。これはリモコンシェイドのもう1つの核、リモコンメモリ。

 これを私は欲しかったんです」


 ゲートシェイドはテンガロンハットを脱いで、その帽子の中に手を突っ込むとその中から銀色で大きめの銃のような武器を取り出す。

 そしてその武器の真ん中の蓋を開けると、その中にリモコンメモリを入れた。


「さて、ついでにナッノ博士?

 これはなんでしょうか?」


「それは……カラーメモリじゃないか! お前が持っていたのか……!」


「ご明察。救助の際に手に入れようとしていたのを、門にて、ねこばばさせていただきました。

 さて、このカラーシェイドのメモリをこのゼンマイガンナーで撃つと、どうなるでしょうかね?」


 そう言ってゲートシェイドが引き金を引く。

 銀色の銃から青い光が出ると、カラーメモリが青く輝く。


「さて、後はお任せしますよ。それではご機嫌よう」


 ゲートシェイドは黒い門に変えると、カラーメモリが宙へと飛んで行き、そのまま空中で大きな音を立てて変形し始める。


『ゼンマイロイド!

 ゼンマイロイド!』


 ドンッ、と大きな機械生命体が現れる。

 その機械生命体は過去のネームネームの大戦で使われていたとされるゼンマイロイドそのものであり、だがその左腕にはインクの形をしたライフルを持っていた。


『グォォォォォォォォ!』


「まずいな……。巨大生命体のゼンマイロイドまで出されてしまったか。

 こうなったら……ボクが責任を取るしか……」


 そう言いながらこっそりと懐から『B』と書かれたメモリを取り出そうとしていたのを、



「セイヤァ!」



 ギガブラックが横取りする。


「あっ! こらっ!」


「多分、ナッノ博士はこう言う事に備えていると思ってましたよ。

 この私はなんでもお見通しなんだから。さぁ、ギガレッド! 使って!」


 投げられた『B』のメモリをギガレッドはばっちりキャッチして、そのままギガブラックに礼を言ってシフトフォンの中に入れる。


『ビッグ!』

「返信変身・巨大化!」





 目を開けると、私、ニュウ・ギガレッドの目の前にあったのは同サイズとなったゼンマイロイドの姿。

 下を見ると、ギガレンジャーの仲間達が聞こえないけれども声を張り上げているようで、足元は海とは思えない位の深さになってる。

 自分のただでさえ大きな胸は既にあの東京のドームの大きさ換算で10個以上、いやもっとだろうか? 

 もうガスタンクの何十倍と言われても良いくらいである。


『グォォォォォォォォォ!』


「おっと、そうも言ってられないわね」


 感慨深く自分がどれだけ巨大化になったのかを思っている場合ではなかった。目の前のゼンマイロイドはライフルをこちらに向けて、そのままライフルの引き金を引く。

 引かれると赤い球がこちらに向かって来て、当たると当たった私の身体が発火する。


「えいやぁ!」


 私は大きく腕を振りかぶり、そのままゼンマイロイドの顔をアッパーで殴りつける。殴りつけられたゼンマイロイドはくるくると頭を回転させる。


「メイド隊!」


 私がそう大きな声で言うと、ゼンマイロイドのライフルがいきなり爆発して、そのまま木端微塵になって吹き飛ぶ。


『グォォォォォォォ!』


「流石、私のメイド隊! いい仕事ね! 喰らいなさい、私の必殺技!」


 私はそう言ってレッドハンドでゼンマイロイドの顔を思いっきり掴む。


「ヒート・ハンド・エクスプレス!」


 私の熱を伝える腕でゼンマイロイドの顔を溶解させつつ、そのまま私の誰も逃さない超乳の谷間にゼンマイロイドを挟み込む。


「テン・チュウ!」


 そしてそのまま私は胸の谷間に押し込むと、ゼンマイロイドはそのまま私の胸の谷間の中で爆発して木端微塵になった。

 流石、私の胸。効果は抜群のようである。


「Win!」


 ビシッと決めポーズを取る私は上機嫌で、元に戻って皆の、ギガレンジャーの元に戻るのであった。





 最近、佐美の学校生活は変わった。それは神納京香の心境の変化が大きいと思う。

神納京香は生徒会長であり、彼女の心が少なからず学園全体を変えているといっても過言ではない。

そんな彼女が佐美を常に気にかけてくれるので、佐美は一夜にして学園の人気者になっていた。まぁ、生来明るいというか、皆に好かれる彼女の事だからいずれはこうなっていただろうが。


「これも、京香さんの影響ですね! ナッノ博士!」


「……あぁ、そうだな」


 と、こっちはげっそりした様子のナッノ博士。神納京香の心境の変化はナッノ博士にも影響していた。

 神納京香が学年が下の彼女に勉強の教えや生徒会指導をどうすれば良いかといった質問を常に行い始めて、という感じで学園全体で「近未来七=頼れるご意見番」という印象が根付いてしまい、最近では彼女は恋人の作り方といった良くありがちな悩みまで寄せられるようになった。

 まぁ、生来面倒見が良いというか、皆に頼られる彼女の事だからいずれはこうなっていただろうが。


「佐美、七。ちょっと良いか?」


「な、七さん! わ、私、も、もっとあなたとおしゃべりが!」


 と、今日もまた京香が2人を呼び、この前の事件からさらにナッノ博士と距離を詰めたがる橙子の姿を見て、佐美は喜び、ナッノ博士は落胆していた。

 留子、桃子、梨花の3人はそんな様子を嬉しそうに見ているのであった。




=========


 次回予告!


 暗闇の中、人々を襲う怪しげな影! その名は怪盗ギガブラックと、怪盗ギガネコピンク!?

 いきなりの偽物登場により、焦る本物である宮下桃子と須黒梨花。

 早速、ギガレンジャーは調査を開始するのだが……。


 次回、超乳戦隊ニュウ・ギガレンジャー、第3パイ!

「緊急告知?! 怪盗ギガブラックと怪盗ギガネコピンク!」


「次回も、また見よ! ……い、いやそんなに近寄られると困る」Byニュウ・ギガイエロー

ユシーモンスターNo.2

○ユシー・リモコンシェイド

所属区分;混雑使徒マリネの配下

使用体;実験体R-50『ダラク』、五十崎六実(いがさきむつみ)

外見;頭は白い三角のイカのような形、頭から6本の長い手足。巨乳のスマート体系の垂れ目の美少女。進化して左目と右目にそれぞれ『R』と『P』の文字、そして頭に9つの四角いマークが浮かび上がる。

所見;人間を操る力を手に入れたユシーモンスターの1人。とにかく自堕落な生活を送りたいという彼女の願いが、便利な6本のイカのような足を作り出した。

 この6本の足は彼女は重宝しており、時には武器、時には休憩用として活用している。進化する事により、相手の年齢をある程度操れるなどリモコンを使って何かを操る力を持っているが、この能力はユシー細胞には無力なようで、もっぱらこの能力は作戦とエアコンを変えるのにしか使っていないようだ。By;文化者エージェント・ナッノ


ユシーモンスターNo.3

〇ゼンマイロイド・カラー

使用メモリ;『C』(カラー)

特徴;インク型ライフルを持っている

所見;インク型ライフルを持った機械生命体。ゲートシェイドが『C』のメモリを使って作り出し、お嬢様が倒した。

 ちなみにインク型ライフルは真ん中の補充場所を破壊する事で無力化に成功した。By;沖杉家メイド隊

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ