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おっぱい×戦隊シリーズ  作者: 帝国城摂政
超乳戦隊ニュウ・ギガレンジャー

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19/68

第1パイ「新乳力! ニュー・ギガレンジャー、乳場!」(前篇)

 2014年。

 貧乳神官タイラ率いる乳房帝国ネームネームが4人の戦士――――――赤井望(あかいのぞみ)青志七海(あおしななみ)、メアリー・イエロー、緑木冥(みどりきめい)と言う超乳戦隊ギガレンジャーの4人はシーボモンスター達や幹部達などを倒して、紫峰町に平和を取り戻した。

 彼らは伝説となり、神話となり、物語となって、人々の心に記憶として残り始めていた。


 ギガレンジャーの戦いから数百年後、紫峰町はニュー・紫峰市へと名前と姿を変えていた。この大きな変化は紫峰町の周囲の急激なる海面上昇によって周辺の街が全て新しく作られた巨大海上都市となった事や、それに伴う沖杉家などの大企業の進出によって、紫峰町はニュー・紫峰市へと姿を変えていた。

 今回の物語の舞台はその北部、人工的に作られた森林地帯から始まる。





 春は割かし日差しが明るく過ごしやすくなっているが、それはあくまでも昼間の話であり、夜になると一気に寒さが増して、冬と同じくらい、いやそれ以上に不気味な雰囲気を漂わせていた。


「はぁはぁ……」


 そんな森林地帯で、1人の少女が肩を押さえて必死な様子で走っていた。

 緑色のポニーテールヘアーの160cm後半とそれなりに高い身長の美少女。同性が羨むような長い脚は肩と同様にちょっと血を流しており、少し真剣そうな表情のたれた目の下には泣き黒子があって、さらにKカップと大きくてたゆんたゆんと揺れる胸もまた、通常時ならば彼女の美しさを出す一因となれただろうが、今の彼女はそれどころではなかった。何せ彼女は脱走している最中なのだから。


「逃げても無駄ですよ。実験体E-52、『トラップ』」


 と、そんな逃げている彼女の後ろから1人の無表情な女性が彼女を追い掛けて来る。

 濃いグレー色のスーツをビシッと着こなした、真面目な印象を受ける白縁の眼鏡をかけているクール系の美女。頭にはテンガロンハット、そして腰にはガンホルダーと拳銃が2丁。

 そして普通の女性でない事を証明するかのように、その身体の真ん中には大きく上を無って張っている胸元の下には重厚そうな扉が埋め込まれていた。

 そんな美女は静かに、ただそれでも確かな存在感を出しながら走り、逃げる少女を追っていた。


「逃げても不可能ですよ、『トラップ』。

 例えこの私、ユシー・ゲートシェイドから逃げ出す事が出来たとしても、私の他にも多くのユシーモンスター達、それに幹部クラスの方々があなたを追い、場合によっては殺しますよ?

 そんな事になる前に、この私に捕まっておく方がまだ被害は少ないと思いますが?」


「う、うるさい!」


 そう言いながら緑色のポニーテールの少女、眠田佐美(ねむたさみ)は血を流している肩から手をどけて、血塗れのジャケットのポケットに手を入れる。


「私は、『トラップ』と言う名前じゃない!

 眠田佐美、16歳! 高校1年生で、乳房帝国ネームネーム界外支部に対して復讐を誓う少女!

 そのために私は――――――力を手に入れた!」


 そう言いながら彼女からポケットから取り出した物を見て、ゲートシェイドの顔色が変わる。

 先程までの油断しきった表情ではなく、真剣な表情へと変わっていた。


「そ、それは……まさかお前の逃亡を手助けしたお方は……」


「……長くは持たない、一撃で決める!

 エクスプロージョンメモリ、セット!」


 佐美がそう言って携帯を動かすと、携帯から音声が流れだす。


『エクスプロージョン!』



 次の瞬間、携帯から大きな爆発音と共に爆破の衝撃が2人を襲う。

 そして携帯から放たれた衝撃は、持っていた当人である佐美に一番強くダメージを与え、佐美は爆発と共に宙を舞って、落ちて行った。


「くっ! まさか……。これは一度、報告しておかなければなりませんね」


 ゲートシェイドはそう言うと、手をさーっと横に移動する。

 すると、ゲートシェイドの目の前に真っ黒な門が現れるとそれはゆっくりと開閉し、ゲートシェイドはその門の中へと歩き出していた。



 一方、その森林の下に作られた車道で1人の少女が声を出す。


「この娘……こんなにひどい火傷を……。メイド隊、今すぐこの人を車の中へ運んで!

 それからオペの手配を!」


『はい、お嬢様!』


 これは果たして偶然だったのか、それとも決められた運命が動き出したのか。

 その時はまだ誰も知らなかった。





 少女と女性、眠田佐美とゲートシェイドの戦いがあった事など誰も知らず、いつも通りの日々を迎えた日がさんさんと照りつける次の日、宮下桃子(みやしたももこ)須黒梨花(すぐろりか)の2人はニュー・紫峰市の西部、海岸沿いを歩いていた。


「らーん、らー、らーん♪ 留子ちゃん、元気にしてるかなー♪」


 明るい、ショートカットの元気なロリっ娘少女の宮下桃子は、手にした鞄を片手で持ちながら歩いていた。

 小柄な、中学生と思わせるくらい小さな背丈の少女だったが、胸元で豊かに揺れて存在感を主張するGカップの大きな胸が、彼女が元気良い動きと共にぼよんぼよんと大きく揺れ動く。


「もう、桃子ちゃんったら。

 あんまりはしゃいだら危ないでしょ?」


 そう言ってなだめるのは長身爆乳の美少女、須黒梨花。

 腰まで伸びるストレートヘアーは海から吹き寄せる突風でさらさらと揺れ、その髪に付いた赤い椿の髪留めも綺麗であり、全身から漂う上品な大人びた、頭と同じくらいに大きい胸を持った豊かな女性。

 彼女は桃子を呼び戻すと、パンパンとスカートの汚れを取る。


「いくら今から行く所が留子ちゃんの所だとは言っても、あの家はこの辺りで一番大きな豪邸。

 そんな所に行くのに、そんなに汚れた服装で行ったら、いけないでしょう?」


「ぶー、そ……それはそうだね。

 う、うん。反省するよ、梨花ちゃん」


「分かればよろしい。さぁ、行きましょう」


「レッツラ、ゴー♪」


 ルンルンと鼻歌を歌いながらスキップをする桃子と、その後ろでフフッと笑いながら歩く梨花の2人。

 桃子は嬉しげに歩きながら道端の花などを見てニコリと笑い、梨花はスマホを操作しながらスーパーや商店街の特売の宣伝をブックマークしていた。



「――――――ちょっとそこの親子よ、質問をしても良ろしいかな?」



 と、そんな2人に後ろから声がかけられる。

 2人が振り返ると、そこには白衣を着た片眼鏡の女が、手に白いアタッシュケースを持って立っていた。

 髪は銀色のストレートヘアーの、綺麗と言うよりかはどこか可愛らしい顔立ちの、2人には及ばないもののそれなりに大きなFカップの胸を左腕で支えながら、2人に質問する。


「この辺りに『沖杉』と言う家があるはずなんだけど、君達は知らないかな?

 まぁ、とは言っても君達が知っているとは思えないんだが、一応知っているかも知れないから教えてくださると嬉しいんだけどね。

 まっ、君達の世話になるのも、ボクとしては本当は不本意な話であり……って、君達?」


 と、そこで片眼鏡を付けたその少女はいつまで経っても答えが返ってこない所を見て、不審に思いながら2人に声をかける。

 すると桃子はムキーと怒り出し、梨花は絶望しきった顔で伏せていた。


「おいおい、まさかこの程度の事で絶望したりしているのかな?

 たかが道を聞くくらいでふさぎ込むだなんて、どれだけ脆弱な精神を持っているんだい?

 ボクのハンカチで涙でも……」


 そう言いながら綺麗な、新品のハンカチを差し出す片眼鏡の少女。

 しかし、2人の少女はそれについてふさぎ込んでいる訳ではなかった。



「私、子供じゃないもん! 16歳の高校1年生だもん!」


「……17歳なのに。うら若き女子高生なのに……」


 中学生のような巨乳少女、宮下桃子。

 母性溢れる爆乳少女、須黒梨花。

 2人で並ぶと親と子のように見られてしまう2人だったが、その実はどちらも普通の、高校生である。





「う、ううっ……」


 と、鈍く疼く身体の痛みを感じながら、眠田佐美は眼を開ける。

 知らない天井、その言葉がこれ以上相応しい状況もないだろうと佐美は思う。

 だけれども豪華そうなベッド、柔らかい布、そして自分に巻かれた包帯から香る高級そうな匂いからここがそれなりの金持ちの家である事は分かっていた。

 ――――そして


「……いき、てる?」


 自分の命が助かっている事に驚いていた。ゲートシェイドに対して一矢報いるつもりで禁じ手を使わせてもらったが、正直爆発に巻き込まれた瞬間、走馬灯のように思い出した。

 自分は死んだつもりだった。なのに、生きている。


「……と言うか、ここは?」


「目が覚められたようですね」


 そこで佐美は声をかけられる。振り向くとそこにはメイドさんが居た。

 メイド喫茶に居るようなメイドとかではなく、黒い正統派のメイド服を着た可愛らしいメイドさんであった。


「ここは沖杉家の客室の1つです。

 あなたは昨日の夜、お嬢様が乗られていたお車の前に血塗れで倒れたんですが覚えてらっしゃいませんか? 

 ……と言うよりも、どうしてあんな事に」


「な……」


「はい? なにかおっしゃりたいのでしょうか?」


 そう言ってメイドが近寄ると、彼女は小さくこうつぶやいた。


「ナッノ博士は……どこに……」





「はい! 留子ちゃん、これ今日の分の宿題だよ!

 後、こっちは今日のノートね!」


「いつも悪いわね、桃子」


 と、沖杉家長女、沖杉留子(おきすぎるこ)は桃子からノートを貰い、それをササッと読んで行く。

 沖杉留子は別に病弱でも、勉強が嫌いと言う訳でもなく、ちょっとした理由から学校に行きづらいのである。


「うん♪ ありがとう、桃子ちゃん♪

 それに梨花から貰ったお菓子はちゃんと貰いもののお菓子の棚に収納して来てくれる?」


「はい。かしこまりました、お嬢様」


 そう言ってメイドは留子からお菓子が入った袋を受け取ると、そのまま部屋を出て行った。

 そして留子はそこでようやく、今日のお客様に向き合っていた。


「では……確かナッノ博士、でしたっけ?

 販売との事でしたが、どのような商品をお持ちなのでしょうか?」


 と、そう言われながら、片眼鏡の白衣の女、ナッノはゴクリと唾を飲む。


「ふっ、沖杉家は超乳の女性と言う事だったが、まさか本当にそれほどにまでに無駄に大きな胸だったとは思わなかったね?

 ボクもまだまだ、知らない事が多いね。まっ、知らなくても良い事だけれどもね」


 ナッノが皮肉に近い言葉を出すが、それはまた事実であった。

 今、ナッノの目の前に居る沖杉留子の胸があまりにも大きいからであろう。八畳間の部屋を覆い尽くさんばかりの大きさの胸に美少女が付いて居るような、本来ならば逆であろうけれどもそんな言葉が本当に似合っていた。


「まっ、そんな言葉はどうでも良いけどね。ボクが君に売るのは"なんでも"さ。

 サービスや保険と言った目に見えない物は流石に提示出来ないけれども、それ以外の物ならば宝石だろうが、時計だろうが、バッグだろうが、ブレスレット――――――どんな物だろうとも、それなりの物を提示させていただきましょう。

 まっ、気に入らないのならば買わなくても、なくもなくもないかな」


 ナッノはそう言いながら持っていた白いアタッシュケースを床に置くと、白衣のポケットから宝石や時計など、女性が喜びそうなものを出して行く。


「――――――ともかく、30万。今それだけの金は手に入れたいんだけれども、いきなり普通のお店などに行っても門前払いを食らいそうだからね。

 本当に、こんな状況でもなければ、こんなにも美しくて荘厳な家に来るほどもなかった、かもね」


「褒めてくれてありがとう、ナッノさん」


「……別にボクは褒めている訳ではないですよ。勘違いしないで欲しいね」


  ナッノはそう言って顔を赤らめて、キュッキュッと片眼鏡を拭く。

 3人は悪態を吐きまくるナッノがいきなり可愛らしくて顔を赤らめる姿を見て、桃子と梨花の2人は可愛いと思っており、留子も悪い人ではないんだろうなと思っていた。


「……ゴホン。ともかく、沖杉留子さん。あなたの欲しい物を言ってください。

 時間は取らせないし、早く何が欲しいと教えて――――――」


「――――――では、ブラジャー。それも私クラスの物を支えられるのを。

 出来るかしら?」


 と、留子はそう言いながらニヤニヤと笑っていた。

 沖杉留子にとって、沖杉家の女達にとってブラジャーは死活問題であり、同時にそんなに簡単には用意できない物である。

 沖杉家の女性達は全員、超乳……いやメートルサイズの胸を覆い尽くさんばかりの巨大な乳を覆うブラジャーをどうにかしないといけないのだが、流石にこのサイズの胸を覆うブラジャーを簡単に用意するのは難しい作業であり、用意できたとしても1週間持てばそれはそれで凄い事である。

 だからこそ、あれば良いなくらいの気持ちで留子は聞いているのである。勿論、すぐに用意出来るとも思っていなかったが、



「……なんだい、それくらいならばすぐに用意出来ますね。

 それでは少し、時間をくれますかな?」



 そう言ってナッノはアタッシュケースを開けると、中からスパナとペンチを取り出して作業を始めており、その様子に3人はびっくりしている。ナッノの片眼鏡越しの瞳が赤く光り輝いたかと思うと、物凄い勢いで物を作り始めたからである。

 そして物の数分にて、ナッノは作り終わるとふーっ、と置く。


「なんだい、そんな簡単な物で良かったら、もう少し作っておいた方が良かったかも知れないな。

 まっ、ボクが作ったブラジャーだ。オーダーメイドだから1個3万、10個で30万と言う所でどうだろうか?

 ……って、君達! ボクの話を聞いているのかい!?」


 既にナッノの言葉は、留子の耳には届いていなかった。

 留子はと言うと、ナッノがすぐさま作り出した赤、青、桃、黄などと言った可愛らしい10種類のブラジャーを手に取り、さらにメイドの手を借りて服の上から付けて見てもずっしりと、確かに留子の胸を支えていた。

 留子はそれを見ておおっ、と笑みを浮かべていた。


「ふっ……。急遽作ったものだから恐らくは半年持てば良いだろうがね。……そんなのでごめんなさい、とでも言っておこうか。

 まぁ、それでもダメだと言うのなら、別のをやらせて貰おうかな? では1つ2万で、後5つ用意するから30万で……」


 そう言ってさらに作ろうとするナッノに対し、留子は側にいたメイドに対して耳打ちをする。


「あなた達……お金を用意しておいてね」


「はい、お嬢様」


 そう言ってメイドは銀色のアタッシュケースを取り出すと、そこには大量の札束が入っており、その中に入っている札束を見て「あ、あれ……?」と困ったような声を上げていた。


「全15品、1個10万円の計150万円にて買い取らせて貰いますわ。

 30万円が欲しかったのでしたら、これで十分足りると思いますけれども」


「……あ、あぁ。まぁ、ちょっとばかり多すぎる心遣いに対して戸惑っているがね。

 まぁ、100万円はそちらに返すとして取り分は50万と言う事で……」


 ナッノが銀色のアタッシュケースから札束を手に取り、そのまま取った札束を持って来ていた白色のアタッシュケースの中へと入れようとしていた瞬間、扉が開いて緑色のポニーテールの美少女が入って来る。



「ナッノ博士! ご無事でしたか!」


「……留子お嬢様、こちらのお客様がどうやら来られましたナッノさんに、御用とのことでしたのでお連れしました」


 そう言って扉から入って来た緑色のポニーテール美少女、眠田佐美は入って来るとナッノ博士に抱きつくと、ナッノ博士はと言うと佐美の姿を見て怪訝そうな顔で見てカリカリと片眼鏡を動かすと真剣な目になり、そのままアタッシュケースから携帯を取り出していた。


「はい、ナッノです。……そうですか、バレてしまいましたか。

 まぁ、これはいずれバレるから仕方ない事ですし、ボクが行きさえすれば終わる話ならばそれで良い。

 ――――じゃあ、後で」


 そう言ってナッノは札束を戻すと白いアタッシュケースを閉じて、佐美の手を取る。


「帰るぞ、佐美。

 これ以上、ここには居られないからね」


「……で、でもナッノ博士! せめてこの3人に話をするのも!

 ――――――私達がネームネームに……」


「黙ってろ! 佐美!」


 と、ナッノ博士がそう力強く宣言しており、佐美はと言うとビクッと揺れる。

 留子、桃子、梨花の3人はいきなりの変化に驚いていると、扉を開けて大慌ての様子でメイドが入って来る。



「た、大変です、お嬢様!

 都市の中心部でネームネームと名乗る集団が現れて、暴れながら『エージェント・ナッノを出せ』って言っていまして!」



「「「ナッノ?」」」


 と、そう言いながら留子、桃子、梨花の3人はゆっくりとナッノ博士へと視線をナッノ博士へと移動する。


「は、博士……」


「……フフッ」


 怯えている佐美と、どこか影のある顔のナッノ博士。

 そしてナッノ博士は笑いながら、3人に向かって声を出していた。


「数百年前、既に伝説となっているギガレンジャーの宿敵。

 乳房帝国ネームネーム。胸を大きくすると言う目的で活動する悪の集団であり、彼らは人々を苦しませ、嘆かせていた事はあなた達も既に知っているでしょう?

 そして、乳房帝国ネームネームの第2の支部にして別世界を襲う集団、乳房帝国ネームネーム界外支部。

 その二大頭領の1人、あらゆる世界の文化を研究して調査する者。それがボク、文化者エージェント・ナッノなのさ! ハハハハハ! 喰らうがいい、ナッノ・ブラック!」


 そう言ってナッノは白衣から黒い球を取り出して床に叩きつけると、部屋が真っ暗に包まれる。


「お、お嬢様!

 皆の者、お嬢様とご友人方を守れ!」


『はいっ!』


 メイド達が慌てながら、自分の仕える主と主のご友人達を守ろうと行動していた。


「ちょ、ちょっと暗い! メイド達、早くナッノさんを捕まえて!」


「く、暗いです! あああああああっ!」


「きゃあ! お、落ち着いて、桃子ちゃん!」


 どたばたどたばた、とそんな騒がしい足音が聞こえてきた。

 数分後、黒い煙が消えると――――――そこにはナッノと佐美の姿は消えていた。






「これで良かったんですか、ナッノ博士?」


 と、屋敷から逃げた佐美はナッノに聞く。


「――――――あぁ、これで良いのさ。

 佐美君は恨まれる方には慣れていないから、と言うか不十分ですらある。

 普段から悪態を吐いているボクの方が恨まれ役を買って出ると言うのは、むしろ当然と言う物さ」


 そう言いながら早歩きで歩くナッノを、佐美は複雑そうな表情で見つめていた。


「ナッノ博士……お願いがあります」

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