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フローティア  作者: ゆらぎからす
5.冬だ!雪だ!チュパカブラだ!
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44日目‐47日目(1)

 44日目‐47日目(1)



 頭も入れるマミー型寝袋の中でもぞもぞと動き、津衣菜はスマホの画面を覗く。

 眠りについてからちょうど3日が経っていた。

 外から聞こえる話し声に顔を出すと、タブレットを持った花紀が千尋と雪子と梨乃を集めて、何やら講義の様なものをやっていた。

「――とこのように、向伏のUMA(未確認生物)はチュパカブラだけでなく、あらゆる所にいるのだよ!」

 タブレットの画面には「市中央の小山――ツチノコ」「栗根山――雪男クリフッド」「小高山・隻龍市――犬面牛」などと、箇条書きで彼女が実在を主張する「向伏の未確認生物」がピックアップされていた。

「クリフッドは僕も聞いた事あるけど……結局、あれ熊だったんじゃないんすか」

「たまたま見間違えただけだもん! 本物のクリフッドは他にいるかもしれないんだよ!」

「あと犬面牛って何すか……いるかどうかの前に、形をイメージ出来ないんすけど」

 千尋のツッコミに花紀は「じゃじゃーん!」とか言いながら、手描きの犬面牛の想像図を掲げる。

『本ぽう初公開 犬面牛! いばしょ:牧場や牛ごやの牛に紛れている!』

 ハートやスターが乱舞する中にいたそれは、頭部が犬に見えないし、胴体も牛には見えない。何故か口から電撃を吐いている。

 こんなものが本当にいたら確かに大事件だろうという説得力だけはある、奇怪な図画だった。

「何すかそれ……いや本当に、何ですか、それ」

 大事な事にも思えなかったが、二度繰り返して尋ねる千尋。

 花紀に言い返しているのは千尋だけで、梨乃と雪子は大人しく花紀の講義を拝聴していた。本当に興味を持っているのかどうかは表情からうかがい知れない。

 シュールな光景だなと思いつつ、津衣菜はそっと寝袋から這い出すと花紀の背後に回り、その頬を両側から引っ張る。

「見ての通り、牛なのに顔が犬なんだよ! すごくない? 始まりは昭和40年代に農家のHさんの牛小屋で生みゃあっ!?」

「大声で怪しい教室開かない。上の階に聞こえちゃうでしょ――他の子は?」

「むう……がこさんとみーやんはまだ戻ってないよ。ひーさんは先に遥さんのとこに」

 今日はこの水槽室を引き払い、仮のねぐらを変更する日だった。彼女達は全員起きて、一旦遥と合流し、次の場所の指示を受ける手筈になっている。

 鏡子と美也は当番の巡回に出ている所だった。日香里は個人的に遥に呼ばれて、先に出たという。

「私が最後か。起こしてくれてもよかったのに……UMA教室の生徒も多い方がいいでしょ?」

「うそだー……ついにゃー絶対授業妨害するつもりだった……」

 両頬をさすりながら言う花紀に、津衣菜は意地悪そうに笑う。

「花紀のほっぺた、面白い程伸びるからね」

「戻らなくなっちゃうよう……」

「そうそう、ほっぺが無事なうちにライン開いてよ。そろそろ美玖からの連絡入るんでしょ?」

 津衣菜の言葉に花紀は思い出したように頷くと、タブレットの画面を切り替える。

 美玖との別れ際、花紀は一人だけ、彼女と個人的にフレンド登録をしていた。表向き、フロートのコミュニティに門前払いされ、接点もなくなった筈の美玖の事実上の唯一の窓口となっていた。

 少し離れて座っていた千尋たちも、近付いて来て画面を覗き込んだ。

「みくにゃんいたっ……やっぱり今週末来るんだって」


 Miku2001:こんばんは。

 Miku2001:かのちゃん起きてる?

 Miku2001:やっぱり土曜日にまた来ます。また会ってくれるかな。

 Miku2001:純太くんまだ怒ってるかな。純太くんにも会いたいけど(TT)


 Miku2001:相談に乗ってくれる人がいたよ。


「相談に乗る人……?」

 津衣菜は呟きながら他の少女達と顔を見合わせる。

 花紀も首を傾げながら、美玖へのメッセージを入力した。


 花紀@冬眠中のUMA探索者:こんばんは。ぜひぜひ会おーね。花紀お姉さんも美玖にゃんの元気な顔をみたいです。

 花紀@冬眠中のUMA探索者:みくにゃん、相談に乗ってくれる人って? フロートのことで?

 Miku2001:かのちゃん起きてた(^▽^) そうだよ。東京で、私みたいな人の支援とかしているんだって。

 花紀@冬眠中のUMA探索者:みくにゃんみたいな人?

 Miku2001:そう。家族や友達が死んで、その後でフロートになって起き上がったり、そのままどこかにいなくなっちゃったりしたって人。

 Miku2001:その人はそういう人を支援する活動してるんだって。そんな人もいるんだね。東京やべえ笑

 Miku2001:その人も週末に、向伏市まで来て会ってくれるって。


 津衣菜は花紀の顔を見た。そんな支援者の存在など彼女は一度も聞いた事がなかった。

 津衣菜の表情を見た花紀も、困った様に首を横に振った。花紀も知らないのだ。


「身内がフロートになったって人の支援活動ね……まあ……あるっちゃあ、あるね」

 合流先の倉庫内で、話を聞いた遥は少し考えてから、意味ありげにそう答えた。

「大きな所では、医療法人陽生会が事業の一環として始めた、特殊失踪人家族支援でしょうか」

 遥の言葉に日香里が答え、鏡子もそれに頷いた。

「ええっ、ひーさんもがこさんも知ってたんだ。ずるいなー」

「表向きフロートだのゾンビだの出て来ないし、失踪人の家族が対象という立て前は崩さないけどね」

「その他にも何人かで細々とやってる様なボランティア団体も、あったよな」

「ああ。どちらにせよ、あくまでも相手は生者。東京都内の『特殊な失踪人の』家族や知人で、相談に乗ったり、調べられる範囲で調べてやったり、生活に困っている人は少し助けるとかしか出来ないらしい」

「本当にあったんだ……」

「ただね」

 遥は顔を見合わせている花紀達や呟いている津衣菜を見渡して、また少し考え込んでから口を開いた。

「美玖に話しかけて来たって言うそいつが、本当に支援の人間だって保証はないよね」

 美玖はその人物とどこで出会ったのか。

 美玖はフロート狩りとも関係のない、フロートについて噂話を語り合う掲示版――フロート狩りとの接触について教わったのもそこだったが――でつらつらと、肝心な所はぼかしながら自分の話をしていた。

 その時、「そういう人の悩みを聞いてくれる人がいる」と書き込みがあり、やがてその人物本人を名乗る書き込みが現れた。その彼――男か女かも分からない――とメールでやり取りし、精神的な事でアドバイスを色々貰ったと美玖は言っていた。

 会えるものなら私も会ってみたいかねえ。小声で遥はそう呟いた。

 不意に顔を上げて、遥は津衣菜に少し硬い声で言った。

「生者と言えば津衣菜、あんたもしばらく動くな。あんたの巡回当番はもういいから」

「え……?」

 唐突に自分に話題が変わり、津衣菜もきょとんとする。

「梶川君からも聞いたろ? 警察のあんたの捜索が勢いづいている……森さんから捜索願は出てるだろうけど、それだけの動きじゃない。あんたの事がかなり対策部に掴まれてるんだろう」

 森さん。遥が口にしたその名前は、津衣菜を探すであろう唯一の生者の名前だった。

「私らは徹底して、森さんから津衣菜を隠す事に決めた。あんたの死とフロート化を知った森椎菜が何をするのか。現時点じゃ想像もつかないが、一つだけはっきり分かる事がある」

 遥は珍しく険しい目をして、津衣菜を見据えた。

「生者の側の、私らの数少ない頼りない味方は、その瞬間から厄介な敵に化けるって事だ」


「森さんはどっちかって言えば私らの味方だ。前そう言ったけど、忘れちゃいけない。彼女は現政権や与党の敵で、弱者の味方ってイメージも確かに強いが、あくまでも生者の世界の、生者の為の政治家だ――生者の世界でそうしている様に、『フロートにも人権がある、尊重し保護しよう』でいられるとは限らない」

 遥の話は続く。自分の母親、森椎菜がどんな県会議員だったか元より知らない津衣菜は、そんなスタンスやイメージだってこと自体、殆ど聞いた事がない。黙って聞いているしかなかった。

「下手したら、生者の弱者の為に、フロートは駆除しようって方向にだって動くかもしれないって事だ。まして娘が死者の仲間入りしているなんてなれば……あまり公私混同しない人だけど、あんたを全力で自分の手中に取り戻そうとするだろう――私らを潰してね」

「よく分からないけど……じゃあ、あんたらは、私をお母さんに引き渡せばいいって事になるんじゃないの?」

 話途中で、初めて津衣菜が口を挟んだ。

 遥の言っている事を聞いていた限りでは、隠し通すよりも、その方が彼女達にとっては好都合である様に思えた。勿論自分にとって良い話ではなかったが。

 この身で母親に会って、彼女の元に戻ってどうなるというのか。生者の世界に津衣菜の生きる場所はあるのか。答えは否しかない。

 フロートになったからなんて事ではない。そんな事は、津衣菜の生前からはっきりしていた。

 内心不安を抱えている津衣菜に構わず、遥は首を横に振って彼女の問いに答えた。

「私らの――フロートの世界(フローティア)の存在自体が邪魔だと思う様になるのさ。こうなったら、引き渡すなんて何の意味もない」

 強く確信を持った口調で、遥はそう断言する。

「私らだって、その日を想像して、ただ物陰で震えている訳じゃない。それについても保険を掛けようと思っている」

「保険?」

「今度は与党とも仲良くするのさ――と言っても、海老名やその仲間とじゃない。奴らと対立している与党内の派閥とだ」

 自分の立場がそれだけ微妙なのは何となく理解しているが、どうして遥は自分にばっかりそういう難解な話を振るのか。津衣菜の内心にあったのはそんな疑問だけだった。彼女の言っている事については殆ど理解出来ていなかった。

 そんなむずい話じゃないんだけどね。固まっている津衣菜の様子を見て、そんな内心を見透かしたのか遥は呟くと、彼女へ尋ねた。

「去年の国土大臣失言事件って知ってるかい?」

「何かニュースでやってた……国会で大臣がいきなり、会議と関係ない、訳の分からない事を口走って、皆に取り押さえられたって。確かそれで失脚したんじゃ」

 そのニュースは津衣菜もおぼろげながら覚えていた。当時国土大臣だった平賀という議員。「はあ?」「何言ってんだあ?」という野次と怒号。

 国会で大勢の議員が檀上の大臣へと殺到し、掴み合いの乱闘を繰り広げていた。翌日以降の新聞では大臣が体調悪化で、精神面でもおかしくなっていたらしいと報じていた。

「大臣はあの時、フロートの存在について小出しにだけど公言したのさ。国会の中でね」

「へ……?」

「大臣に詰め寄ったのは、海老名とその仲間だった」

 海老名光秀。与党「主権自由党」の国会議員で、フロートや対策部に影を落としている男。日本中でフロート狩りを扇動する「アーマゲドンクラブ」の黒幕。

 遥は手元のタブレットに動画を表示させる。見覚えのある国会内の映像。当時の中継だと津衣菜もすぐ分かった。


「死体が……死亡の確認された筈の方が、起き上がって活動されると、心停止し、呼吸もない、死体のままで……」


 津衣菜も実際の発言場面は見た事がなかった。元国土大臣は明らかにフロートの話をしていた。しかも、国会の中で。

 直後に上がる「何喋ってやがんだ、ええごるああああああっ!」というヤクザみたいな巻き舌の怒声。スーツ姿の議員が数人、大臣へと駆け寄る。

 巻き舌の男を指差して津衣菜は尋ねた。

「こいつが海老名?」

「違う。海老名の仲間でフロート絡みなのは確かだけどね。海老名はその隣で黙って走ってる奴」

 巻き舌の男よりは少し若いが、50歳位の白髪混じりの髪をオールバックにした中背の男。何度も話に聞いていたけど、実物を見るのは初めてだった。

「じゃあ、その大臣が」

「平賀元大臣は対立派閥のトップだ。あれは失言じゃない……大臣の椅子を引き換えにしての海老名達への牽制だった。これ以上調子に乗るな、こんな事いくらでも表に出せるぞってね」

「そんなにニュースの事覚えてる訳じゃないけど、大臣が何言ったのかなんて、どこのニュースにも出てなかったね……みんな、大臣がおかしくなっている。こんなんで今期の国会大丈夫なのか。そういう事しか言ってなかった」

 津衣菜が覚えている限りのことを話すと、遥は頷く。画面の中では見覚えのある議員同士の乱闘が展開され、すぐに放送中断を告げる静止画面に変わっていた。

「平賀派もそれ程強い派閥じゃない――海老名の国神会派と比べるとね。何しろ、現閣僚の半分以上が国神会所属で、その中には総理大臣――現政権のトップも含まれている」

「国神……会……?」

「国政神道議員会。政教分離も民主主義もぶっちぎって『日本を神の国に戻そう』と誓った、政治家先生達のサロンだよ。国神会のメンバーの一部はフロートの存在に目を付けた。日本を神の国に戻すのに、フロートは格好の道具になると思ったのさ」

「いやちょっと待って……神の国? 民主主義もぶっちぎる……? 総理も? フロートどうこう以前に、そんなのが政府動かしてるって、いくら何でもないでしょ。そんな昔テロやった宗教団体みたいなこと言ってる、おかしな奴らが表に出てたら――」

「それで誰も文句言わないけど? 現政権は支持され続け、支持率は年々上昇している。国民の大多数が彼らに投票し続け、彼らは国を動かし続けている。それって一応、民主主義なんじゃないかい?」

 津衣菜の疑問の声に遥は答えた。皮肉げに、そして心底どうでも良さそうに。

「まあ同じ与党でも、真面目に近代の保守政治をやりたい政治家からすれば、国神会派なんてものは邪法でしかないだろうね。平賀派はずっと国神会派とやり合っている……でも、やっぱり弱いんだ。主流にはなれない。県内だって平賀派の県議はいるが、殆ど国神会派の言いなりだ」

「それで、彼らに接触するって事……なの?」

「そう。森椎菜より難しいし、私らの実入りも少ない話だけどね。彼らはフロートや対策部の存在に、政治的にタッチしない、させないって方針だから。それでも、海老名や国神会にずかずか踏み込まれるよりは、ずっとマシなんだ」


 金曜の夜。津衣菜は元・西部地区のフロート達と一緒に、温泉地周辺の冬眠スポット開拓をやっていた。

 西部地区のグループは解散し、市内グループに再編されていた。地元を離れたがらない老人もいたが、強引に説得して来てもらっている。

 一時的なもので、山麓に住みたがるフロートが増える、山麓までの連絡が取り易くなるなどの変化があれば、再び復活を検討するというコミュニティの決定だった。

 冬眠途中での氷点下の作業だったが、古巣に戻れる機会と言う事で彼らには好評だった。

 ただ、期待に反して目ぼしい場所は見つからなかった。温度の高い場所は、例外なく一日に何度も人の出入りがあった。

 天津山は広い。諦めずにまた探せばいいという事で日の出前に探索を切り上げ、彼らは市内へ帰還した。

 遥に報告した後、今度の仮眠場所である駅前地下の下水道に着いた時は、もうすっかり空は青くなっていた。

 下水道には、壁から小さな通路が伸びた一画があり、入り組んだパイプが走るその奥に、年単位でしか点検の入らないスペースがある。彼女らはそこに寝袋を並べていた。

 花紀は起きていて、スマホでラインをチェックしていた。

「ついにゃーおかです。みくにゃん、一時間前に向伏駅に着いたって」

「うん、いつ会いに行こうか」

「ちょっと待った方がいいよねえ。今明るくて人も多いし、みくにゃんはもう、その支援の人に会ってるみたい。ちょっとカッコイイ、高そうなコート着たおじさんだって」

「……私らも一度会った方がいいんじゃないかな。その人、フロートの家族や知人に関わる人なんだろ?」

「そうなんだけどね……ん、どれどれ、どーしたみくにゃん」

 花紀はスマホを覗き込みながら、美玖の書き込みを津衣菜に教える。

「……向伏で同じ活動している仲間がいるから、ちょっと会ってほしいって」

「え? ちょっと――待って」

 津衣菜は思わず驚きの声を上げる。

 遥から聞いていた。身近にフロートがいる人への支援。その活動は東京にしかない。

 急いで自分のスマホで遥に直接電話する。再度確認したが、やはり遥からは、向伏でそんな話は聞いた事がないという返事だった。

「とりあえず、彼女にまめに現在地を聞いて……ん、ちょっと待って」

 会話途中で遥は沈黙した。

「花紀に共有ファイルページを開けって伝えて……電話は切らんといて」

 しばらく間を置いて、遥は短くそう言った。

 ラインを見ている花紀に呼びかけて、タブレットからフロートの共有ファイルページを開いた。

 アルファベットを羅列した変な名前の、今アップされたばかりの動画ファイルがあった。

「花紀の電話番号を使った不正ログインがあったって、今、信梁の子達から。それ開いて――マルウェアじゃないのは確認済みだから」

 映しだされたのは、朝の駅前広場の一画。リアルタイムじゃない、録画済みの動画らしい。

 画面の中央にいる美玖は複数の男達に囲まれていた。

 全員、暴力的な雰囲気ではなくにこやかに美玖を見つめていて、美玖も少し不安げに彼らに笑い返していたが、男達はどう見ても堅気じゃなかった。

 美玖を囲む男達の端にいた一人がカメラの前に立った。カッコいいかどうかは微妙だが、美玖の話にあった通り高そうな灰色のコート姿。年は30代半ばぐらいだろうか。

 男はマイクに顔を近付け、美玖にも聞こえないように小声で話し始めた。

「やあ、純太くん。私の顔は覚えているね? アーマゲドンクラブ向伏の支部長をやらせてもらっている、石村だ。今、美玖ちゃんの相談に乗ってあげてた所だよ。可愛い子じゃないか、悲しませちゃダメだろう?」

 津衣菜は画面を凝視する。石村は小声のまま、ゆっくり唇を歪めて笑った。

「私はこれから美玖ちゃんと、私のお友達とで、河北倉庫に行こうと思っている。彼女を迎えに来なさい。君のお友達と一緒でも構わんが、くれぐれも警察は呼ばない様にね……私のお友達は『生者でも死体でも構わない』って言ってるんだ」

 美玖はまだ男達を支援の人間だと思っているのか、笑顔のまま何やら話しかけている。男達もそれに笑顔のままうんうん頷いている。

 石村の言った男達の言葉の意味を考えると、彼女がどれだけ危険な状況にあるのか理解出来た。

「キャンペーンはまだ終わっていない。じっくりいたぶってやるよ、クソゾンビ」

 そんな一言と共に動画は終了した。






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