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フローティア  作者: ゆらぎからす
10.リービング
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193日目(9)

 193日目(9)




 そのお部屋の、そのベッドにいた人が、

 ある日いなくなるの。


 病気が治って出て行って。

 それと、花紀お姉さんも時々そうしたみたく、少しぐあいが良くなって。

 それと、もっと具合が悪くなって、別の部屋に送られて。

 それとね、

 もう一つ。


 私にとって『死』は、そんなベッドのお引っ越しの一つだった。


 当たり前みたく、看護士さんや他の患者さんから聞かされる話で。

 挨拶代わりに、他の子に話すことだった。

 いつもどこかで起きている、身近なもので、

 そして、遠いものだった。


 あの人は、おじいちゃんは、あの子は、

 彼は、彼女は、

 昨夜、早朝、先日、

 亡くなりました。


 そう説明された人がどうなったのか。

 病院の中では、一度も見なかったの。

 花紀お姉さんは誰かのお葬式に一度も行かなかったし、動物を飼ったこともなかった。

 とても清潔な病室(お部屋)では、蠅も蚊もゴキブリもネズミも見なかった。

 それを殺している所も見なかった。

 生きていた時に(・・・・・・・)

 わたしは死を見た事はなかった。


 うん。

 覚えてないの。

 いつ頃からだったのか。

 その『死』(お引っ越し)の順番が、

 |自分に迫って来ていると分かったのは。




「目の前に今、対策部の人達が来てます」

 津衣菜が引きずり出された直後の窓。

 そこから、ヘルメットに機動服の対策部実力部隊が素早い動きで、一人ずつ滑り込んで来る。

 一見警察の様にも見えるが、服の色や装備、デザインを警察とは変えてあり、彼らの機動服には『指定変異対策局』の文字が左胸の上と右袖に刺繍されていた。

 彼らは室内に入った順で左右に広がって、奥にいる花紀を扇状に囲んで行く。

「えっと、対策部というのは何かというと、耳慣れない名前かもしれないけど、私達フロートについての国の……公共機関みたいなものかな」

 彼らはそれぞれ手に刺股、あるいはゴム銃らしきものを構えている。

 およそ半数は、周囲に視線を向け、隠れている者を警戒していた。

 だが、残り半数はそれらの切っ先や銃口を花紀へと向けていた。

 廊下の奥からもガラスの割れる音が聞こえ、複数の足音がこちらへ向かって来ていたが、棚や台を重ねて塞がれていた辺りで止まる。

 人数が増えている気配はあっても、すぐに破ろうとはしていない様だった。

 隊員の一人が、持っていた刺股を上へ逸らし、ゆっくりと花紀へ近付いて行く。

 暴徒や対策部の投げ込んだ物、そして津衣菜が抵抗の為に投げたり倒した物、ガラスや壁の破片で、フロア全体が惨憺な有様だった。

 埃や煙も薄く立ち込めている、その中で花紀のいる場所だけが平静だった。

 花紀は、目の前に置かれたままのカメラとノートPCへ、そして輪を縮めて来る彼らへ、さっきまでと変わらない様子で話し続けていた。

 機材の手前まで来た彼は、振り返らずにハンドサインで後ろの隊員達を止める。

 そして、花紀へ向かって手のひらを見せ、続けてその手を押し下げながら尋ねる。

「言葉は分かるな? 喋るのを止め、放送も中止するんだ」

「いま、対策部の人が放送を止めてくれと言ってるの……でも、私は続けたい。みんなにお話したいことがもっとあるから」

 花紀はカメラを見たまま、そう言葉を続ける。

「あの、対策部の皆さんにも聞いて行ってほしいです」

 彼女の前の隊員は、溜息と共に手を下ろしてうつむいた。

「班長」

「こちらの状況をきっちり喋っている」

 後ろからの部下の小声へ、抑揚のない声で彼は答える。

「強制執行しますか。彼女も変異体の様ですが、放送自体はノートを閉じれば瞬時に……」

「やめろ。ここで放送が中断されれば、それが我々対策部の対応として、全国、全世界に発信されるぞ。機材や電波状況の不具合のせいに出来ない」

「では」

「基地局の係長へ繋いで」

 彼――班長は、隊員の一人を指して言う。

 命令を受けた隊員が無線で、どこかにいる高槻へ現況を報告し、判断を仰ぐ。

 その声はインカムを着けていない、無線担当者以外の者には全く聞こえない。

「現状況を継続せよ、との事です」

「ああ、聞いていた」

 無線を終えた部下の報告に、班長が答える。

「はい。『環花紀』と思われます。確認します。対象は完全な包囲状態にあります……攻撃の意思なし。確保に失敗する恐れはありません」

「ありがとう……ございます」

 隊員に追加報告をさせた班長へ、花紀はお礼を言って、一言尋ねる。

「あの、ついにゃー……窓にいた子は」

「安全に確保されている。不要な実力行使は行なっていない」

 そう言ってから、階下で続く戦闘の音に顔をしかめる。

 窓際で巨漢の変異体と争っているのが、暴徒なのか他班なのかも彼にはよく分からなかったし、そもそも、一階からの突入を試みている班が、どの指揮系統で動いているのかも、把握出来ていないのが現実だった。

「放送続けて良いならば、君から一階での抵抗を止めてもらう事は……できるかね?」

 班長のその問いに、花紀は答えない。

 黙ったまま、まん丸い目で彼を見返し続けている。

「ああ、そうだな。一階から入って来る連中が、現状を維持してくれる事は、俺にも約束できん」

 肩をすくめながらも後ろ手のサインで、彼は隊を自分の周りへ密集させる。

 目の前の小柄な――彼の一人娘と同じ位にも見える――少女が、生者の様に動く死者――痛みも熱も感じない、折れた骨も振り回し生者以上の力を出す、第二種変異体である事は意識から外さなかった。

 彼らが態勢を整え終わったのを見て、花紀が口を開きかける。

 その時、班長の声がかぶさった。

「ちょっと、こちらから聞いても良いかな?」

「は、はいっ。な、何だろ」

「いや、個人的な質問なんだが」

 かなり焦った声で花紀が聞き返すと、彼は彼女をじっと見据えたまま尋ねた。

「君は、何があって死んだのか?」

 一秒の沈黙。

 彼が早口で言葉を続ける。

「聞くべきじゃなかったかも知れないのは分かっている。答えたくなければ別に――」

「病気です。生まれた時からの」

「そうか」

「もっと詳しく聞きたいですよね?」

「そう見えるかい?」

「うん。苦しんだのか、怖かったのか、それは長かったのか短かったのか……私は今の班長さんの顔(・・・・・・・・)を沢山見て来たから」




 他の健康な人達と何も変わってなかった。

 今ならそう思う。

 みんな、いつかは死ぬの。

 それを知っているけど、いつかの事で今じゃない。

 だからみんなそれをどこかに置いて来ちゃうの。

 そして今を幸せに過ごすの。

 それが突然目の前に現れるまで。


 発作の回数が増えた。

 一人だけの部屋に何度も連れて行かれた。

 光も音も、少しずつ弱くなって行く。

 呼吸の量が減って行く。

 苦しい、苦しい、痛い、痛い

 そして痛みさえいつかは麻痺し始めて。

 私の身体が、止まろうとしているというのを、24時間感じさせられ続けた。


『死ぬって、どういうことなんだろう』

 朝から夜まで、それをずっと考えるようになった。

 その答えが、この苦しさや怖さを少しでも紛らせてくれる。

 一人でそう信じてた。

 それが間違いだったと気付くまで。

 その答えなんてなかった。

 全てなくなる事が、死だったの。

『なくなるという事もなくなる。あったという事が、ここに生きていたという事そのものがなくなるのだから』

 花紀お姉さんは、宇宙人も、未確認生物も、妖怪だって、どこかにきっといると思ってるの。

 でも、幽霊や、天国と地獄、死者の魂。

 そんなのは生きている誰かの希望でしかなかったの。

『死』自体が、生きている人の頭が作ったものであって、実際に死ぬ人には『それ』さえない。

 それを知って、私は更にその日を恐れ、自分の運命を理不尽だと思う様になった。

 どうして、私にそんな事が起きるのか。

 どうしてなくならなければならないのか、全く受け入れる事なんて出来なかったんだよ。


「ねえ、どうして私が死ぬの」

「ねえ、私じゃなくてあなたが死ねばいいのに」

「あなたが死んだらとても悲しいし、明日からの不安も増えるけど、それでも私がなくなるよりずっといいのに」

「そうだねって、本気でそう思ったの?」

「ごめんねって何? 誰に何を謝っているの?」


 病院の中の人生でも、私、十分、幸せだったと思うよ。

 みんなが優しくしてくれた。

 私は愛されていると、感じる事が出来た。

 面白い本も楽しい遊びもあって、退屈しなかった。

 毎日がエキサイティングの連続だった。

 おいしい物も時々食べた。

 こんな幸せがずっと続く様な気がしていた。


 ―――だからなおさら許せなかった。

 自分がもうすぐ死ぬという事が。

 この全てがなくなってしまう事が。

 とても、受け入れられなかったよ。


 本当の私は嫌な子だった。

 みんなのことが大好きでも、みんなから愛されていても、

 私は私しか愛していなかった。

 いつも誰かに当たり散らしていたよ。




「ギブス装着……頸椎骨折の様子あり……」

 津衣菜の頭を押さえている男が、どこか虚ろな響きの声で報告する。

 傍らの隊員が『頸椎骨折あり』と復唱した時、凍った表情に微かな安堵を浮かべる。

「ギブス装着、右上腕骨折」

「肩甲骨下と背面肋骨、骨折あり。プレート装着」

「頭蓋骨骨折なし」

「呼吸なし……体温なし……眼球、口腔の乾燥度は」

「これで生きてるみたいに動く……これが指定第二種変異体なんですか」

 レストハウスの屋根の斜面に、窓から出した津衣菜が運ばれ、隊員数人がかりで押さえこまれていた。

 津衣菜を押さえている数人以外に、屋根にはおよそ十人以上の隊員が待機し、2階への突入班や、どこかにいる管制と連絡を取っているらしかった。

「これとか……言うな」

 津衣菜は抵抗する様子もなく、隊員一人の呟いた言葉へ反駁する。

 頭を更に強く押さえられるだけで、言葉は訂正されなかった。

 屋根の上へ連れ出されて、視界の端に見えた地上部分から、中で感じていた以上に自分達が絶対絶命の状況にあった事を知る。

 建物東側の暴徒は、半分近く対策部の制止を振り切って窓へ迫っている。

 暴徒周りの対策部は、一旦その制圧を止めて建物内へ同行しようとしている。

 西南部分では暴徒に先手を打つ気か、別の部隊が一気に突入を試みている。

 窓からは何本もの煙の筋が彼らへ伸びる。

 津衣菜の知る限り、レストハウス内に運び込んだのは全てただの発煙筒で、催涙効果のある物は皆無だった筈だ。

 そして、本数もそんなになかったと思う。

 屋根上からの突入部隊は、既に十人以上二階へ入り込んでいた。

 彼らは花紀を取り押さえず、放送を続けさせていると、ここで交わされている会話で知った。

 一階の窓から私服姿の暴徒が一人、放り出されて転がった。

 次にテーブルと一緒に機動服姿の対策部の職員が放り出された。

 数人がゴム銃を続けざまに窓へ撃ち込んでいる。

「現状を継続って……何故です」

「我々が彼らを人間扱いしない暴力的な輩だと宣伝されるリスクは、今の時期、それだけ重大なんだ」

「ということは……中でネット放送しているって情報、本当だったんですか」

「本当だったんですかじゃなくて……自分で見たらいいじゃない」

 津衣菜が押さえられたままで、また口を挟む。

 今度はさっきよりも彼女を注目する者が増えた。

「そのモニターでアクセスして、見取り図ばかり見てないで、あの子の話を聞いてよ」

「静かにしていろ」

 待機班のリーダーらしい男が、津衣菜の顔の前で屋根板を突く。

「調子に乗ってんじゃねえよクソゾンビ。何が話を聞けだ。『死人に口なし』って言うじゃねえか?」

 津衣菜を見下ろして男は嘲笑を浮かべた。

「全く、異常な状況で異常な奴らが調子に乗ると、普通の人間の負担ばかりが増えるんだよ」

「……『普通のゴミ野郎』の何?」

「あ?」

 男は再び津衣菜の身体の脇で、刺股の柄を叩き付ける。

「俺達公務員は、素人のハンターと違って何もしねえと思ってんのか? どうせ痛くもねえんだろうけどよ、てめえの見えない所ぶっ壊すぐらい、さほど問題ねえんだからな」

 男の声と同時に、津衣菜を押さえている手が一斉に拘束を強める。

 腰の上や足も踏みつけられ、身じろぎも出来ない程となった。

「……何だ?」

 頭の上で訝しむ声。

 そして、さっきまでも頻繁に聞こえていた、空高くからのモーター音。

「我々のヘリだ。現地派遣用の」

「今頃か? まだ来ていない班などあったか?」

「高槻係長はさっき完了したと言っていましたね……南側の井口次長管轄ではありませんか?」

「井口次長の所も、係長は把握済みだ。それに……酔座方面から来ていないか、あれ?」

 そんな会話の間にも、上空のヘリはスキー場上へ移動して着陸態勢に入っていた。

「係長より各局通達です。東京の旧部局本部から状況整理要請あり! 本部長がヘリにて現着後、現地指揮をとるとの事!」

「何だって……それは間違いないのか?」

「レストハウス周辺と屋内一階、二階、屋根上の状況について再度詳細送れとの事です!」

「ちっ……待機W班。変異体一体確保。十代女性。首と腕に骨折とギブスの補強あり。多少暴れたので、一時的に制圧を行なったが、人道的配慮の元に拘留を行なっていると報告しとけ!」

 その声の直後に津衣菜を押さえる力が、一斉に解かれた。

 直後、引き起こされて立たされる。

 彼女の頭上を更に二機、ヘリの轟音が通り過ぎて行った。

 続けて向伏市内方面、さっきまでと同じ南からも新たなヘリが接近している。

 地上の様子も変化した。

 窓際に固まっていた部隊が順番に移動し、総員を暴徒の包囲に投入し始めた。

 玄関から突入した部隊も、先に入り込んでいた暴徒だけを捕まえて戻って来る。

 一階がどうなったのか、高地がどうなったのかはここからは分からない。

「お前らの人権にうるさそうな上が来やがった……告げ口するなら好きにしろ。旧部局は、現場を弄る事は出来ても、どうせ俺の発言どうこうする権限まで持ってねえんだ」

 投げやりな声で待機班の班長は、津衣菜へ捨て台詞を吐いて屋根の縁へ向かった。

 一人ずつそこから降り初めているらしい。

 西の空から飛んできたヘリ一機が、斜面の上でなくこちらへ向かって来ている。

 良く見ると、機体前方に「指定変異対策32 酔座支部」と白字で書かれていた。

 その側面から、身を乗り出してこちらに手を振っているのは遥だった。

 彼女の後ろの日香里や曽根木と共に、この屋根の上に降りて来るつもりらしい。

 ヘリが津衣菜の前方で高さ5メートル程まで降下して来た時、彼女は声を振り絞って叫ぶ。

「うるさい! 花紀の話が聞こえないでしょ!」

「分かってる! 放送ちゃんと見てるよ! すぐに出すから!」

 大きなジェスチャーを交えながら言い返す遥は、いつもの胡散臭い笑顔を浮かべていた。

 ヘリは更に1メートル降下すると、縄ばしごを垂らす。

「降りるんなら早くしなよ」

「せかさんどいてって」

 津衣菜の冷たい声に苦笑しながら、降り始める遥。

 機動服の隊員に両脇を固められながらも、津衣菜は上半身を少しそらして、降りて来る彼女達を待っていた。

 その津衣菜が突然肩を震わす。

 異常に気がついた隊員二人が、彼女を押さえようと構えるが、それより彼女が身体を捻る方が早かった。

「うわっ!?」

 津衣菜を掴み切れずに弾かれてよろけた二人を後に、津衣菜は屋根の縁へ駆け出そうとして、途中で転びかける。

 そのまま転落しない様に勢いを殺しながら、屋根を滑り落ちて縁手前でしがみついて止まった。

 地上を凝視する彼女の耳に、もう一度、彼女の名を呼ぶ微かな声が入った。

「津衣菜!」

 レストハウス玄関前のスペース。

 機動服姿の対策部が100人以上でごった返す先に、囲まれて大騒ぎしている私服姿の賞金目当ての連中20人以上がいた。

 その更に向こうから、見覚えのある青っぽいスーツを着た女性が、こっちを真っすぐ見ている。

 津衣菜も彼女を無言で見返す。

 森椎菜は、百メートル以上先のレストハウス屋根に立つ娘へ、もう一度大声で呼びかけた。

「津衣菜!」

 地上の大騒ぎと、空を飛び交うヘリ。

 普通の人間だったら、どんな大声でも届かなかったかもしれない。

 だが、フロートの耳は、しっかりと母の声を拾ってしまった。

「森さん、群衆がまた興奮し始めました! 二十メートル以上後ろへ離れて下さい!」

 対策部職員に促されて、半ば無理矢理後退させられる椎菜。

 彼女へ向かって、口を開きかけた津衣菜は、再び両横を捕まえられる。

「どこへ行くんだ! 大人しくしろ」

「ほら、仲間と合流して移動しろ。頼むからこれ以上面倒増やすな」

 抗い切れないまま引きずって行かれる。

 その先には、既に梯子を降り終えていた遥が待っていた。

「行くよ。丸さんや鏡子も10キロ東で拾ってくれるってさ」

「……」

 津衣菜は遥を見返すが、そのまま黙ってしまう。

 そんな彼女に、遥の方から声がかかった。

「言っただろう? あんたらが向かい合える機会は、思ってる程多くないって」

 踵を返し、津衣菜に背中を見せてから、一言付け加える。

「そういうふうにしたのは、あんた自身だよ。忘れんでね」

「分かってる……」

 ようやく口を開いた津衣菜は、うるさげに答えると遥の後に続いて歩き始めた。




 聞こえますか?

 もう大丈夫だよね?


 それでね、

 さいご(・・・)まで、私は嫌だと言い続けた。

 このまま死んじゃうのは嫌。

 どんなに痛くたって、苦しくたって、怖くたって、

 生きるんだって。

 もっと楽しい事が待っている。

 もっと嬉しい事がある。

 もっと優しくされたい。

 ありがとうって言いたい。

 大好きな人に大好きだよって言いたい。

 そして、自分のイヤなところも、いつか直すんだって。

 酷いこと言ったのも謝るんだって。

 そう思いながら、意識がなくなった。

 本当に、なくなるということも、なくなってしまったんだよ。

 あのまま目が覚めなければ。


 だから、次に、私が当たり前みたく目を覚ましてしまったから

 とてもびっくりしたの。








copyright ゆらぎからすin 小説家になろう

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