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フローティア  作者: ゆらぎからす
10.リービング
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189日目(2)

 189日目(2)




 アーマゲドンクラブ会長・日出尊人を乗せた車、それを前後で挟むフロート達の車は、南向伏から西寄りに逸れて行く。

 彼らは天津山の裏を回るルートで、向伏市へと向かっていた。

 両横をフロートに固められ手錠を掛けられUて座る日出が、視線を左右に動かしながらも、鷹揚な態度を作って運転席へ声をかけた。

「窓をちょっと開けてもらえんかね……臭くて堪らん」

「におい、ですか? 換気は一応、最大出力にしてありますが」

「お前らの死臭が車の中に充満してて吐きそうなんだよ!」

 運転席の曽根木が他人事めいたのんびりした返事を返すと、苛立ちを爆発させる大柄な中年男。

 日出は横柄な大声を張り上げながら、自分の左隣を固めている津衣菜を見下す様に睨む。

「出てるんだよ! タンパク質が分解した時の、死体特有の臭いがお前らから―――ぶっ!?」

 言葉途中で、その鼻先にギプスを勢い良く押し当てられる。

 日出の鼻と口を圧迫して黙らせながら、津衣菜が前を向いたままうんざりした声で言葉を返す。

「いちいちうっさいな。こっちは嗅覚ないんでね。そんなもん知ったこっちゃないんだよ」

「ぼ……ぼうりょきゅででじゃまらせりゅ気か……こっこの私をだりぇだとむぐ」

「はいはい臭いゾンビの暴力怖いでしゅねー静かにちてまちょーね」

 鼻血が出そうな程に顔を圧迫する津衣菜と、手錠をされたまま身じろぐ日出とが揉み合ってる間に、音もなく全てのウィンドウが3cmだけ開いた。

 乱暴な空気の流れが車内を巡って抜けて行く。

 津衣菜も少し驚いて運転席に視線を向ける。

 ウィンドウの開閉スイッチから指を離して、曽根木はのんびりと言った。

「あー、日出さん。言っておきますが、そこの彼女は僕ら(フロート)用の消臭処理もまめに取って、コロンも使ってるから、そういうのない筈です。雑踏に紛れる仕事も多いし、女の子ですからね」

「曽根木さん、いいですよ、そんな事わざわざ言わなくたって」

「臭いの元は多分僕ら……右と前の二人でしょう。地下に籠ってばかりの男三人ですから、デオドラントにも気が回らんもので、すみませんね」

「って、俺らもっすか!?」

 曽根木の言葉に、助手席の匠が口を尖らせる。

 後部座席で日出の右を固めていた少年も、ばつの悪そうな顔を浮かべている。

「だって君ら最近、そういうの全然やってないだろ。下水で何日も寝泊まりして、そのまま地上に出て来て。男だって言ったって、本来、臭いとか凄く気になる年頃だろう。それじゃ女の子にだって嫌われるとか思わない?」

「はあ!? 女ぁ!? んなの関係ないっすよ。生きてる奴らと違うんすよ。俺らヤリたいとかそういうの全くないんで、女なんか、ただうぜえだけの動物にしか」

 舌打ちしながら津衣菜が睨むが、全く気にする気配のない匠。

「……梶川くんと純太くんは、そういうの結構きちんとしてたんだけどね。綺麗好きだったし」

 ハンドルを握りながら、曽根木が他人事みたいな感じで言うと匠の様子が変わった。

 短く「そっすか」とだけ言って、その後黙り込む。

 三分以上経って、彼は小声でぼそっと答えた

「……じゃあ、検討はしてみます」


「ま……まあ、そういきり立ってないで、落ち着いて考え直しなさいよ」

 津衣菜の右腕のギプスが顔から離れると、不自由な両手首を何とか持ち上げて鼻の周りをしばらくさすりながら、日出は唐突にそんな事を言い出した。

 イラついていた津衣菜と当の日出以外で、落ち着いていない者は車中に見当たらない。

 怪訝な目で凝視する津衣菜が「はあ?」と聞き返すよりも前に、日出は妙な自信に満ちた声で話しかけて来る。

「この日本は法治国家だ。犯罪で物事が解決したためしはないぞ。愚かな真似をやめて私を解放すれば、こちらも人間として理性のある態度を取ろうと思うものだ」

「ちょ……説得力がねえ」

 右隣の少年が思わず噴き出し、そう嘲った。

「ええと、日出さんの考える(・・・・・・・)法治国家における(・・・・・・・・)人間として(・・・・・)理性のある態度(・・・・・・・)』とは、どういうものでしょうか? 僕は生前から不勉強でしたので、そういう哲学的な話はちょっと」

「哲学じゃないだろ! 社会生活の常識の話だよ!」

 運転席の曽根木は腰の低い声でそう尋ねたが、質問の中にたっぷり含まれていた皮肉を日出は鋭敏に感じ取ったらしい。

 不機嫌そうな甲高い声で、すぐさま曽根木に言い返した。

「『法治国家の人間としての理性』ってのは、俺らをバラす為にヤクザとこねつけて、ネクロフェリアどもを田舎町に多数送り込む発想のことかよって聞いてんだよ」

 曽根木の隣の匠が、ニヤニヤ笑いながらミラー越しに日出を見据えて声をかける。

 彼の言葉は日出の顔をみるみるうちに真っ赤にさせた。

「わたしがそんな事をしたという明確な証拠を提示して言いなさい。アーマゲドンクラブの中には、私の関知しきれない指示系統も生じてるんだ」

「そんな話は裁判所でやれよ、もうすぐそんな機会もいっぱい出来るさ。今話題になってるのはお前の理性だろ」

「何だよ、君ら、対話がしたかったのだろう? 野蛮な解決に走らず、きちんとした手続きを取って、話し合いのテーブルにつこうじゃないか。そう言ってるんだよ、そんな事も分からんのか」

「あんたらにきちんと席についてもらうために、こういう措置を取ってるんだ。分かんねえか? あんたらは、そういう連中だと見なされてるんだ」

「ぞ……死にぞこないのゾンビどもに、そんな風に貶められる理由など我々にはないぞ! 一部のマスコミみたく、我々を人殺しだの人間狩りだのと言うつもりか? お前らは死んでるんだぞ! 死んだくせに歩き回ってしゃべり回って、最後に腐って人を喰い殺す、有害な化け物じゃないか! それを自然な元の肉片に戻す作業をしているんだ。日本を愛する普通の日本国民として、イザナギの時代からの生者と死者の秩序を守る仕事をしただけだ」

 ―――ごっ

 鈍い音が響き、日出は呻きながら右斜めに顔を伏せる。

 津衣菜が彼の側頭部をギプスで擦る様に打ちつけたのだ。

「喋り回し過ぎ。こっちににんにく臭い唾飛んで来る。邪悪なゾンビだから聖戦士様の唾なんか浴びたら溶けちゃうじゃない」

 匠も右の少年も、運転席の曽根木も、彼女を咎めもせずくすくすと笑うばかり。

「でもまあ、ふふふ、『法治国家の人間の理性』がどんなものかはよく分かりましたよ。御教示ありがとうございます」

 しばらく顔を失せながら唸り震えていた日出は、口元をひくつかせながら表情を殺して車内のフロート達をせわしなく見回す。

 自分が優位に立っている様な振る舞いを保とうとしていた。

「む、むむ……そんなにカリカリしなくて良いっていうんだよ」

 もはや、彼ほど落ち着いていない者は車の中にいないにも関わらず、口元に取って付けた笑みを貼り、なだめる様な声を出す。

「君達、本当は怖かったのだろう? 本腰を上げた我々を見て、自分達にもう後がないとか思ってしまったのだろう? それでこんな先走った行為に出てしまった、違うかい?」

 匠と少年が、彼のその解釈に驚いた様に一瞬だけ注目するが、すぐに苦笑を交わし合って彼から視線を外す。

 津衣菜と曽根木は、最初から見向きもしていなかった。

「私はね、君達が思ってる様な、一方的な正義の死刑執行者なんかじゃないよ。生きている者はいつかは死ぬ。生者と死者とは一つながりの隣人同士の様なものだと、心得てるんだよ」

 一人芝居めいた日出の演説は、車内のフロート達からことごとく無視されていた。

 その中で津衣菜はふと、スルースキルの不足がちな仲間達の顔を思い出し、少し不安を覚えていた。


 車は天津山北側から向伏市北へ入り、廃線近くのドライブウェイの路肩で日出を降ろす。

 そこには既に、向伏残留組のフロート数人が待機していた。

 ここから廃駅までの道にも数人ずつ分散して配置され、日出の連行を補助する事になっている筈だった。

 降りたと同時に、手錠に加えて腰紐まで付けられるに至り、日出は大騒ぎしながらそれを拒んだ。

「おいっ、何だこれは!? あんまり図に乗るんじゃないぞ。死人どもがこの私を罪人扱いか。いいから外せっての!」

「罪人っていうか、屠殺場の豚だよね」

 別の車に乗っていた少年がそう言うと、日出は更に身をよじらせて暴れた。

 それを津衣菜と匠の二人がかりで後ろに引っ張り、彼は転倒した後、二メートルばかり引きずられる。

「ほら、やっぱり必要だったじゃない」

 遠巻きに囲んでいたフロート達の間からは、笑い声が上がる。

「うう……どうなってんだよ。何で私がこういう事に」

「おいおい、まさか俺らに笑われるだけで済むと思ってんの、お前?」

 二十歳は越えているが若い男のフロートがそんな声をかけると、立ち上がらず四つん這いのままでいた日出は血の気の失せた顔を上げる。

「やはり私をここで殺すつもりだったか! 何が話し合いだ、クソ死人どもが! 何が望みだ、金か、復讐か――」

「勘違いしてんじゃねえよ、豚」

 男がそう言いながら日出のシャツを掴んで無理矢理立たせる。

 日出が立ったのを見て、津衣菜と匠の二人は再び彼の腰縄を引く。

「まあ、大したもんですよ。実際、この状況でこれだけ自己主張出来るのは、さすが全国組織のトップって所だ」

 曽根木は彼らの斜め前で、スマホのカメラレンズを日出に向けながら付き添って歩いていた。

「普通のフロート狩りだったら、味方が誰もいない場所で、これだけのフロートに囲まれたら、失禁して一言も喋れないでしょう……僕だって、一人で同じ位のフロート狩りに囲まれたら、何も言えなくなると思うよ」

「ええ? 曽根木さんが? そんな事はないでしょ」

「あるよ。勿論君だってね――ちょっと想像してみると良い。あんまりそういう状況になった事のあるフロートはいないだろうけど」

「まあいないでしょうね……そんな事になったら100%、こっちに戻って来れなくなってますから」

「私も……そうするというのか?」

「そうだつったら何か文句あんの? お前らって、集団で一人を嬲り殺しにするのが大好きなんだろ? だったら自分がそうされても仕方ないとか思えねえ?」

「思える訳ないだろ! 馬鹿じゃねえのか!?」

 匠の問いに、吠え声で日出は反駁する。

「我々の死人退治は殺人じゃないって、何度言えば分かるんだ!?」

「何度言っても分かんねえよ、そんなカス理論。警察や対策部、それで納得させられたのかよ」

「やられたからやり返すって、そういうゾンビ特有の身勝手な理屈が大嫌いなんだ。どうしてそこで、狩られるゾンビに原因があるって思えない!?」

「報復とか、あんまりいい考えじゃないと俺も思うけど……さんざんやって来た側のお前が言うなよ」

「狩られる側に、どんな原因があるの」

 今の日出の言葉に、匠だけでなく津衣菜まで反応した。

「どんな原因って、少しは冷静に考えてみろ。お前ら興奮して物考えられないんじゃないのかね? 死んだ人間が歩いているなんて、それだけでどれだけ精神衛生環境が損なわれていると思ってんだ。おまけにまともそうに見えても、突然腐って人間襲って食うんだろ、それで被害者だって何十人も出ているんだ」

「あんた達が襲ったフロート……変異体が、何をしたの、誰を襲ったのって聞いているんだけど」

「屁理屈だ。生者を襲ったゾンビとお前らが別だとでも言いたいのか? そんなもの、私達には関係ない! ゾンビが危ない、生者の敵だって事が確定しているんだよ。だからお前らは駆除すべきだって事なんだ」

「つまり、あんたのでっち上げた原因……私達は、あんたに狩られたくなければ、そんなものを配慮しなければならないって言ってんの?」

「当たり前だろ。これは生者と死者の最終戦争で、我々が勝者で、我々が多数派なんだっ……いいか、そういう時は攻撃する側じゃなくて、攻撃される側に問題があるんだ。これがこの国での、日本人なら当たり前の考え方なんだ」

それは知ってるよ(・・・・・・)

「な、何だ……」

 津衣菜が手に持ったロープを腕に絡めながら、日出への距離を詰める。

「自分が私に殺される原因を、考えれば良いんじゃない?」

 すぐそばまで来ると、おもむろに曲がらない右手を真っすぐ振り上げて、日出の顔を掴む。

「ぎっ!? やめ痛痛痛いいったたたた」

「フロートにも色々いるんだ。腐って人襲うのもいるけど、そうでないのだっていた」

 日出の顔を締めつけながら津衣菜は、小声で囁きかける。

「ここにさえ、あんたにも生きる資格があると思ってるフロートが多いみたいだけど、そうじゃないのもいるんだって事覚えといてよ」

 津衣菜が日出の顔から手を離すと、身構えていた匠が緊張を解いた。

 あと少し彼女が日出を締め上げていたら、彼は飛びかかっていたかもしれない。

「冗談だよ」

「お前の冗談は信じらんねえ……で、豚じゃなくて会長さん。俺らが復讐しようとしてるとか、そこから元々あんたの妄想だからな」

 津衣菜から日出へ視線を移し、匠は淡々と言う。

「ここで死なれちゃむしろ困るわ、あんたは生きて俺らの役に立って、たっぷり恥かいて貰わんと」

「そいつに羞恥心なんてないでしょ」

「こいつになくても、こんなトップで恥ずかしいと思う会員は沢山いると思うぜ」

 津衣菜に答えたのは、匠ではなく前方からの声だった。

 茂みの中からぬっと現れた坊主頭の巨漢に、日出は怯えを浮かべた。

 高地の背後に錆びたレールと朽ちたホーム、草の中の駅舎が見える。

 いつの間にかゴールまで歩いて来ていた様だった。

 駅舎の手前には、更に10人以上のフロート達がばらばらとたむろして、こっちを注目している。

 その中に丸岡や花紀、鏡子の姿もあった。

「き……貴様が、死人どもの頭か。こいつら動かして、こんな事を考えた主犯か」

 引き攣った顔で高地を睨み、怒りと怯えの両方で唇を震わせながら尋ねる日出。

 日出も大柄な方だったが、高地よりは一回りサイズが小さく見えた。

「どうでしょうね……おかげ様で(・・・・・)俺らばらばらになって、誰がどこのリーダーなのか、最近よく分からなくなってますもので。そんな事よりも――」

 高地は苦笑しながら日出の問いに答えると、顎で駅舎を指して言う。

「ここがゴールだ。あんたには二三日、あそこでただただじっとしていて貰う。それだけだ。あんたのやって来た事の清算としては、破格の待遇だろう?」

「虫はもうそんなに出ないと思いますよ。そいつ入れとく所はきちんと蚊帳も張ったし」

 高地の言葉を継いで、鏡子が報告する。

 アンプルを節約している状況で、外で少し長時間作業したからか、顔色があまり良くない。

「大人しくしてりゃ何もしねえよ。何も聞かねえし何も言わねえ。話はあんたを迎えに来た奴らとする。あんたはこの小汚い駅で、話がまとまるのを待ってりゃいい」

 高地のその言葉に、日出は顔を歪める。

 拷問や報復や何らかの尋問がない事に安堵して終わったりはせず、さすがに彼も理解した様だ。

 ここの死者達は自分をお飾り程度にしか見ていないという事を。

「ふ……ふざけるな……貴様ら、私を誰だと思ってるんだ……一体どうして、こんな事に」

「『どうしてこうなった』か……都内にいた時そのままに、大イベントを格好良く陣頭指揮して、大ボスオーラ放って、大活躍出来ると思ってたかよ?」

 日出の問いに、高地が聞き返した。

 無言で顔を上げた日出は無言だったが、その表情が高地の問いの是非を明確に答えていた。

「本当は、自分でも分かってたんじゃねえの? 一月前までのあんたなら、絶対こんな目には遭わずにいられた。それだけ全国の対策部とのパイプも安定してたし、海老名からも守られてた。自分に不満を持っている会員も、ガッツリ押さえ込む事だって出来た」

 日出の視線に、高地は頷いて見せる。

 どこか憐れむ様な顔を浮かべて。

「やっぱ気付いてたよな。あんた、もうすぐお払い箱なんだ。海老名からも、変異体対策プランからも」

「ふざけるなっ……私は、全国の最終戦争を生者の勝利に導く護国の……政治家の庇護などなくとも……二万人の同胞が私を……」

退場者(リービング)の引き際は、もうそこまで来ているんだぜ」

 日出の抗弁は最後まで続かなかった。

 高地の言葉を聞いて、小声になり尻すぼみに消えてしまう。






 なあなあ、おじちゃん、そんな所で何してるの?

 なんでそんな所にいるの?

 やめなよ、美也ねえもこっちには入るなって言ってたじゃない。

 危ないからって。

 大丈夫だよ。

 橋もないから、フロートだってここまで飛べないし。

 それに、何度呼んでも返事しないんだよ、あれ。

 フロートなのかな?

 生きてる人間じゃないよね。

 色だってわたしたちと同じだし。

 あそこに何日もいるって事は、ずっと何も食べてないんだよ。

 やだ、何かこっちを睨んでるよ。

 ずっと何も喋らないでああなんだよ、大人なのに、変だね。

 仲良くなれそうにないね。

 おい返事しろジジイ。

 泥棒ですか、人殺しですか、痴漢ですか、

 ロリコンですか、ヤクザですか、強姦魔ですか。

 何言ってんのやめなって。

 大丈夫だって、何か腹立って来るよ、あのおやじ。

 頭おかしいんじゃねえかな、だからあそこに閉じ込めてあるとか。

 おお、向こうの池に丸い小石いっぱいあったぜ。

 あったって何? 投げるの? それはまずいよ

 いやいいんじゃねえ? そんな気する。

 僕もとって来る。

 いや、やっぱり怒ってるよ。やめた方いいって。

 ええ、おもしろいよ、あれ? 何か手縛られてるよあいつ。

 やっぱりおかしい奴だな。変質者だ。

 決まり、やっちまえ。

 ちょ、ちょっと……

 また命中、あ、喋った。

 殺すだって、こえー、ハハハ

 殺すって、ははは、僕ら死んでるのに

 きゃははははははは

 ふふふふふふふふ



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