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「もうずっと閉じ込められたままだ。
外がどんなか、俺らが何者なのか何にも分からない」
本しかない世界は現物のない偽りの世界。
「ハルヒ…」
「何も知らないままここに閉じ込められてるなんてごめんだっ!」
この世界に僕らは二人きり…
「何かないのかな…この、目の前にある扉を開く方法が……」
翡翠の瞳はただ固く閉ざされた鉛色の扉を見つめる事しかできなかった。
その時ーーー誰かが扉を叩く音がした。
今思えば、あれは波乱の幕開けの音だったのかもしれない……。
ゴメンねハルヒ。
一人にしてゴメンね。