表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

fairy dance

 世界的な良血、英愛ダービー馬の半妹、最後の大物○外、これはその馬を評するときに踊った言葉の数々である。

 Kジョージを含めてG1競走3勝の実績を持つガリレオ、彼に酷似した血統を持った1頭の牝馬、フェアリィダンスである。

 ガリレオの父、サドラーズウェルズの全弟フェアリーキングを父に持ったこの馬は兄と異なり、日本へと輸入された。サドラーズウェルズとフェアリーキングの兄弟を比較すると、兄の方が優秀な成績を納めたが、弟の方が日本向きであったこともあったのだろう。その馬は異国の地、日本でデビューすることになった。


 新馬戦は2着となったが、未勝利戦を快勝、阪神JFの抽選に漏れて挑んだ千両賞では当時のレコードタイムを計測して、改めて器の大きさを実感させた。

 そして、翌2003年、彼女の快進撃が始まった。初戦となるシンザン記念こそ2着に敗れたものの、クイーンCで重賞初勝利を飾ると、毎日杯では牡馬を相手に快勝。1番人気で挑んだNHKマイルCでも勝利して晴れてG1のタイトルを獲得した。夏に挑んだクイーンSでは昨年の最優秀3歳牝馬を抑えて4連勝、外国産馬故に出走が叶わなかった牝馬三冠路線の3冠目、秋華賞へと駒を進めた。


 この年の秋華賞は3強と目された。桜花賞・オークスの2冠を制したアインクラッド、無敗の2歳女王でローズSではアインクラッドに勝利したファントムバレット。そして、裏街道で連勝を重ねていたフェアリィダンス。

 アインクラッドの三冠か、ファントムバレットが無敗を貫くか、それともフェアリィダンスが世界的良血の底力を見せつけるか。回は浅いが、最も盛り上がった秋華賞といっても過言ではないレースであった。


 そして、迎えた秋華賞、最後の直線ではやはり3頭が抜け出した。互いに譲れぬ3頭の追い比べを制したのは、アインクラッドであった。史上2頭目の三冠達成。フェアリィダンスは2着、3着にファントムバレットとなったが、この時のレースは今でも語り草となっていた。

 3頭はこの後、それぞれ違うレースを1戦した後に故障を発症して引退。このときの凄まじいレースの反動が出たとしか思えない足並みの揃えぶりだった。


 この3頭の運命が再び交わるときが来るとは誰も予想しなかっただろう。繁殖牝馬として血を次世代に繋げる役割を背負った彼女たちは、自らの魂を凝縮した牡の幼駒を産み落としたのだった。奇しくもその3頭は同じ2013年に生まれ、ライバルとして戦いあうこととなった。

 その中で、フェアリィダンスとクーオウエンジェルの間に生まれた黄金のたてがみをもった1頭の牡馬。それが後のフューダルロードであった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ