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作者語り(プロローグ)
競馬は単なるギャンブルではない。競馬は人生である。
ターフには無数の夢と物語が散らばっている。競馬を愛する限り、誰もがその夢と物語の主人公であるのだ。時に落胆し、時に熱狂する。競馬とは脚本家のいないドラマとも言えるだろう。
確かに競走馬は経済動物だという考え方は間違っていないかもしれない。しかし、我々はお金のためだけに競馬を愛してるのだろうか。お金では決して語ることのできない価値が競馬にあることを、我々競馬ファンは全身全霊で伝えなければならないと、わたしは思っている。
この作品を通じて競馬を知った方が、競馬の虜になりますように……。