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「時代はゆるコミュニケーション」

作者: 満風はるか

ずっとほのぼのです。

ほんとです。

「時代はゆるコミュニケーション」


(なんだこいつ…)


なにこれ…なに??

トモは混乱していた。なんかよくわからんやつに絡まれた。


絶妙に理解できる言葉を話し、ぬいぐるみのようにも見えるがなんかつるっとしてる。

明らかに人ではないのだが、不思議と恐怖を感じないのが逆に気持ち悪い。


「あいあむ宇宙人。人間ともだち」


地球を侵略する宇宙人のセリフだそれは。

けれど、地に足つけて身振り手振りで交流を図る謎の生き物を足蹴にするのもなんか嫌だったので、もう少し話を聞くことにした。


「なんで私に話しかけたの?」


トモが話しかけたら、(自称)宇宙人はなんかぐねぐねしていた。キャッキャッて感じかな…?喜んでる…?


「わたし、漫画アニメだいすき」


お、おう?流れ変わったな…?


「物語すき。小説よみたい。言葉ちょっと話せる。文字教えてへるぷみ~」


そ、そうか。なんか本当に敵意はなさそうだったのでちょっと付き合うことにした。暇だったし。


「えーと、じゃあちょっと教えてあげる。本がたくさんあるところ行こう」


「りあり?喜びハピネス大感謝~」


ということで一緒に図書館に来た。謎の生き物について、ほかの人は何も言わずに素通りしていく。

私にしか見えてないのかなあ、これ。


「宇宙人、なんの漫画が好きなの?」


「月太陽プリンセスきらきらひらひら陰陽師もののけ友情愛情冒険活劇」


欲張りすぎでは?

まあなんとなく言いたいことは伝わったので、とりあえず児童書コーナーに向かった。


「はい、これ一緒に読もう。かぐや姫」


「かぐや!」


聞いたことはあったみたいだ。漫画やアニメが好きならまあそうだろうなあ。

絵も漢字もひらがなも混じった本が一番伝わりやすいだろうと、小学生向けの本を広げる。


「これ、月、プリンセス」


トモが示した女性の絵を、宇宙人がしげしげと眺めている。


「ひらひらたくさん」

「昔は寒かったんだよ」


宇宙人はぐねぐねしていた。なんかちょっとかわいく見えてきた。


「プリンセスごーほーむ、なぜ?」

「なんでかなあ」


かぐや姫はなんで月に帰っちゃったんだろうね?

家族も愛する人も置いていく理由が、月には何があったのかなあ。


月に帰ったかぐや姫。悲しむ人々。

最後のページをじっと見て、宇宙人は顔(?)を上げた。


「わたし人間すき。群れ。まぜまぜ。Let’s Makeにゅーわーるど」


んん~~~~~???

今のはちょっとよく分からなかったが、まあ、宇宙人は相変わらずぐねぐねしてるし。

トモもなんか嬉しかったし。


二人ともハッピーなら、今日はまあいっか。


…こいつ人扱いでいいのかな?

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