序章
「ごめんなさい、ごめんなさい……！」
「痛いよ……お母さん……助けて……」
誰にも届かない叫びは、空気を震わすこともなく、ただ部屋の壁に吸い込まれていく。
そうして今日もまた、同じ夜が繰り返される。
ドンドンドンドン――
隣の部屋から、壁を叩く鈍い音が響く。
「うるせぇぞ！」という怒鳴り声。
だが、その怒りは外へではなく、すべてゆかへと向かう。
ガンッ！ガンッ！
壁を蹴り、棚を倒し、近くにあるものを手当たり次第に投げつける。
ゆかが少しでも口答えすれば、髪を掴んで床に引き倒され、拳が顔面に何度も落ちる。
「うるせぇんだよ……誰の許可で喋ってんだ、ああ!?」
鼻からは血が流れ、口の中は鉄の味で満ちる。
それでもゆかは、壊れた人形のように「ごめんなさい、ごめんなさい」と繰り返すしかなかった。
それが、日常だった。
暴れ尽くし、息が乱れ、血の気が引いたころ――
奴はまるで別人のように、ゆかに優しい声をかける。
「悪かった……ごめん、ちょっとイラついてただけ。ほら、こっちおいで」
そして、撫でるように体を触り始める。
ゆかは最初、震えていた。けれど次第に、抵抗は消え、「これは愛なのだ」と錯覚するようになっていった。
……いや、させられていた。
その異常な日々が、気づけば3年も過ぎていた。
ある日、奴が機嫌の良いときにふと言った。
「最近よく見る夢があるんだって？」
「……うん、泣いてるとね、夢の中で、優しい顔のとし君が、ただ私を見てるの」
そんな話をするゆかの瞳の奥に、わずかな希望が残っていた。
だが奴は、笑って首を傾げただけだった。
希望が口に出たとたん、それは壊される運命にある。
それでもゆかは、逃げることなど考えられなかった。
心も体も、すでに麻痺していた。
逃げようという意思さえ、削ぎ落とされていた。
けれど、ある日のデートが転機となる。
いつもより優しい奴。笑って、手を繋いで、ゆかにだけ向ける「仮面の顔」。
「このあと、ちょっと寄ってこうぜ。安いけど、近くにラブホあるんだ」
ゆかは頷いた。
“今日は大丈夫かもしれない”――
そう思ってしまった自分を、後になってどれほど悔やむことになるかも知らずに。 しかし室内に入ると同時に奴は態度を急変させた「お前さっきあの男をずっと見ていたろ！」っと、スカートをめくり上げられ下着を無理やり下され「四つ這いになれ」っとどなり散らされ
た奴は自分でズボンをおろしたがその時には何もしていないのに勃起していてそのまま挿入され奴は狂ったかの様に四つん這いの私に突き立てたそして私の中で果てていた。
そしてわたしは奴の子を身籠った、私の中には生むことは出来ないだけど命を奪うこともできない、
そんな感情がわたしの気を奪っていた時に奴は言った、簡単に言った、
「そんな 物 おろせ」と もの・・ もの・・
