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分岐点の果てに  作者: のほほん
堀田瑞樹と近藤要
18/37

第18話:新たな選択の光

再び目の前に現れた新しいレール。その輝きはこれまでに見たものよりも強く、瑞樹の心に訴えかけるようだった。


「これが……私の進むべき道?」


案内人の言葉が頭に響く。


「迷わないことが大切なのではありません。迷いの中で、あなた自身が信じる道を見つけること。それが、あなたを導く本当の光です。」


瑞樹は静かに目を閉じ、深く息を吸った。そして、これまでの選択の過程を振り返る。


要との時間、別れ、キャリアを追いかけた日々……それらは全て、彼女が自分の足で歩んできた道だった。正しいかどうかは分からない。でも、どれも紛れもなく自分が選んだ人生だ。


「進もう。この道の先にあるものを確かめたい。」


瑞樹は決意を胸に、レールの上に一歩を踏み出した。



---


レールを歩き始めると、目の前の景色が徐々に変わり始めた。最初は何もない白い空間だったが、やがて温かみのある光景が広がっていく。


瑞樹が立っていたのは、未来の彼女自身が作り出した新しい世界だった。そこには、忙しさに追われながらも、自分の意思で進む瑞樹の姿があった。


オフィスでは、同僚たちと笑顔で意見を交わしながらプロジェクトを進める彼女。家に帰れば、一人の時間を楽しみながら新しいアイデアを練る姿。


「これが私の未来……?」


瑞樹はその光景を見ながら、自分の中に静かな安らぎを感じた。選んだ未来は完璧ではないかもしれない。でも、それは彼女が心から納得して進んだ道だった。



---


すると、遠くから誰かが歩いてくるのが見えた。その人影は徐々に近づき、やがてはっきりとした姿を現した。


「……要?」


そこには要が立っていた。だが、彼の姿は以前とは少し違っていた。穏やかで落ち着いた雰囲気を纏いながらも、どこか距離を感じさせる。


「瑞樹、久しぶりだね。」


彼が微笑むと、瑞樹の胸に複雑な感情が湧き上がった。


「どうしてここにいるの?」


「それは君が選んだ道が、僕の未来にも少しだけ影響を与えているからだよ。」


要の言葉に、瑞樹は目を見開いた。


「私の選択が、あなたに影響を……?」


要は頷きながら続けた。


「人生は全て繋がっている。君が選んだ未来が、僕の歩む道にも少しだけ影響を及ぼす。それでも、僕は僕の選択を大切にしたいと思っている。」


その言葉に、瑞樹は静かに頷いた。


「私もそう思う。自分の選択を信じて、この未来を歩んでいく。」


要は微笑みながら手を差し出した。


「じゃあ、もう一度君の未来に乾杯しよう。」


瑞樹はその手を取り、二人は一瞬だけ懐かしい時間を共有した。



---


要が再び遠ざかると、目の前にあった未来の光景が消え、瑞樹は現実の世界に戻っていた。


静かな夜の街を歩きながら、彼女の胸には新たな決意が宿っていた。


「過去は変えられない。でも、これからの未来は私が作り出す。」


目の前の道が輝いて見えた。その光景は、彼女の心が決意と希望に満ちているからだろう。


瑞樹はその道を歩き続ける。どんな困難が待ち受けていても、自分の選んだ道を信じて――。



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