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2話:しばらくは何も考えたくない

よくわからないまま地下っぽい所を歩くわたしは、カッカッと子気味良い音を鳴らしながら歩く目の前の人型についていく


どうしてこうなったとか、これから何をするのかとか、色々と聞いてみたいことはあるがわたしの歩行速度に一切考慮せず目の前を歩く人型に聞いてもまともな答えが返ってくる気がしない


むしろ余計な事を聞き過ぎていらない怒りでも買ったのならその場で処分されそうな気さえしてくるというか絶対する


おかげで物凄く気まずい空気の中、一生懸命置いて行かれないようペタペタと音を立てながら小走り気味に後をついていっている


ああそう言えば目の前の人型が親切に質問に答えてくれるわけがないと思うもう一つの理由として、わたしは今裸だ。布切れ一枚すら纏うことなく全裸で小走りさせられている。何かの罰かな?


そんな感じでわたしは目の前の人型がわたしの望みの一部ですら叶えてくれる事を諦めて自分で何とかなりそうな範囲で色々と考えることにした


(まずここは?)


(わからない。何となく地表よりは下に位置する場所な気がする)


(どうしてこうなった?)


(わからない。ビルから飛び降りたのに気が付けばこうなっていた)


(ていうか明かり一つない通路でなんで見えてるの?)


(わからない。わたしは特別な訓練を積んだ記憶も無い)


(目の前の人型はどう考えても2メートルかそこら辺、なのに随分と大きく感じる)


(たぶんわたしの身長が縮んでいる)


(飛び降り、憶えの無い肉体、変な場所・・・異世界?)


ここまできてわたしはようやくその可能性に辿り着いた


(は?うそ?マジで?なんで?わからない)


(いやきっと元の世界で死んだから。かな?神様とかに会った記憶は・・・ない)


(神様には会わずに直接異世界に直行する系?不親切過ぎない?せめてチュートリアルとかないの?)


前世と言って良いのかはまだわからないが、前の時は今とは違う何かに憧れて異世界モノを読んでいたのである程度は予想が出来た。けどいざ実際に自分がそういう目に会うとわからないことが多すぎる


(落ち着こう。こんな時は現実逃避気味に落ち着こう。・・・バナナ)


(よしアホな事言ってないで冷静になろう。まずは王道の情報収集)


(現状で何から知れる?今いる場所の簡単な状況と、目の前の人型が何者なのかくらい?)


記憶の中にある異世界モノの知識を総動員してわたしが置かれている現状を整理する


おそらく異世界で、目の前の人型は貴族?っぽい格好で、病的なほどに青白くて、人に近い見た目なのに人間と何故か認めることができない何かを感じる。それらの情報からわたしはある結論に辿り着いた


(吸血鬼!?え、じゃあ逃げないとじゃ、あ、そう言えば逃げられないじゃん)


(はい詰んだ。いや冷静になろう。仮に吸血鬼ならなんで襲ってこない?今はお腹が空いていないとか?)


目の前の怪物がほんの少しでも気まぐれを起こし暴れれば冷静になる時間なんて無くなると気が付いたわたしは、タイムリミットの分からない猶予の中で必死に頭を回して考えていた。そこでふとわたしはどうして襲われないのかが分かった気がした


わたし、は・・・吸血鬼?」ボソッ


それなら納得はできる。以下に人間には理解しがたい精神構造をしていようと意味も無く同族を殺しにかかってきたりはしないはずだ


(あ、だから何の訓練もしていないはずのわたしでも暗闇の中を昼間みたいに見通せ・・・)


考え事をしながら小走りしていたため反応が遅れた。目の前の吸血鬼が来ていた豪華な服が眼前目一杯に広がっていることに気が付く


「ァっ・・・」


何かと思い見上げた先にはこちらを見下ろす吸血鬼特有の赤い瞳があった


(だ、大丈夫。ギリギリで気が付いたからぶつかったりはしていない。これ以上変な事をしなければ不興を買って殺されるとかも無いはず)


逃げ出すことも抵抗することも叶う訳が無い。ならば精々目の前の化け物が再び気まぐれを起こして見逃してくれることを待つしかないだろう


「成功ではなく大成功だったか。ククッ、我ながら恐ろしき才よ」


よくわからなかったが目の前の化け物は上機嫌なようだ。ならばここで更に媚びたりするべきだろうか?いや、やめておこう。こういう系の化け物は下等種族とかに散々媚びへつらわれて飽きているはずだ。ならば余計な事をしないで待つのが最適解のはずだ


「気が変わった。一族に加えてやる」


「この上ない名誉を与えていただき感激の極みにございます」


「良い」


正直に言えば嬉しくも何ともない。それでもここは目の前の化け物から少しでも好印象を得られる機会だと察して咄嗟に自分でもわからない言葉遣いをした。異世界モノを読んでいて良かったと心の底から思う。多分ここで微妙な反応をしたり、そもそも無反応だったりしたら絶対に不興とかを買っていた


(いい加減落ち着く場所が欲しい。深呼吸する時間が欲しい。というか馬小屋でも良いから一人になる時間が欲しい)


一切ヒントの無い超常現象に謎の化け物に一言でも間違えれば殺されるかもしれない状況にそろそろ頭がおかしくなりそうだった。それでも気を抜くわけにはいかないと無表情を保つ


(もっと難易度の低い異世界が良かったなー・・・・・)


そんな現実逃避をしていると石段まで辿り着く。どうやら当初の予想は正しかったらしくここは地下のようだ


相変わらずわたしに一切配慮しないペースで登っていく化け物に一生懸命付いて行く。遅れたら殺されるかもしれない。こけたら殺されるかもしれない


自分から死んでおいて何を今更死ぬことを恐れているのかと思うかもしれないが、あれは生きている世界に未練が何もなかったからだ。まだ何があるのかもわからない異世界を何も見る事すらできずに死にたくはない


この体に全く優しくない石段を必死にペチペチと登る


それにしても裸足で歩く音ですら不興を買うとじゃなくてよかった。このペースで登るのに全く音を立てずにやれとかわたしにはできる気がしない


そうして石段を登り続けていると徐々に光が見えてきて


(なんの光・・・?)


登り切った先で見えていた光は月光だとわかった。どうやら吸血鬼らしく夜が主な活動時間になるらしい。わかりやすくザ・吸血鬼で助かる。これで異世界モノの常識が通じない系の吸血鬼だったら更に警戒する必要があるから精神崩壊するところだった


そうしている間にも化け物はスタスタと歩いて行くので、今すぐこの場で寝そべったらそのまま眠れそうなほどふかふかの赤いカーペットの上を付いて行く


一気に得られる情報が増えたのでまた周囲を観察する


(立派な居城?)


(さながら吸血鬼城。・・・ということは多分かなり上位の吸血鬼?)


(どういう世界かわからないけど・・・たぶん、目の前の化け物を倒すには勇者とかが要る)


(窓から見える月は・・・大きい月?が1つと、その周りに小さい月?が4つ)


(あ~どう考えても異世界だ。だってあんな変な月?とか知らないもん)


新しい情報が見つかれば見つかるほど今いる世界は元々居た世界とは違うのだと認識していく


目の前の化け物が角を右へ曲がった。それによって見失わないように更に足を速めて角へ入った。するとそこには通路の端、左右に並んだメイド服を着た人間の女性がずらりとひたすらに長い廊下を隣の人間と5センチくらいの感覚を開けて並んでいる


人間の女性たちの容姿は様々だった


肌が白い人間から黒い人間、わたしよりも僅かに小さい幼子から20代半ばくらいの女性、人間に比べて数は少ないが獣人と思われる者達も居た


たぶん猫、たぶん犬、たぶん鼠、そもそも見覚えのない獣人など、厳密に何の獣人化は見ただけではわからなかったが、たぶん様々な種族が当たり前のように子供から大人までいる。わたしの前を歩く化け物さえいなければ近寄って話を聞いてみたいが・・・余計な事をして化け物からの好感度が下がれば死ぬかもしれない


そして耳が尖ったエルフとか言われる系の女性も居た。存在するのかは知らないがハイエルフとかそういう特別なのは居ないと思う。パッと見て12歳くらいの子から18歳くらいの見た目のエルフ?達だ。ただ、異世界定番の見た目と年齢があっていない種族であるのなら実年齢はもっと上だろう


共通して言えるのは、美少女と美女揃いだということだ


(この化け物面食いか?いや、そういう意図は無くて何となくコレクションしてるのかも?確かに、何かをコレクションするのなら見た目の悪いモノよりも良いモノの方が並べた時に気分が良い)


どんな気持ちで集めたのか。化け物の心境などいきなり吸血鬼になったばかりのわたしにはわからないので、人間の価値観に無理矢理落とし込んである程度推測する


そのようなコレクション達だが、皆一様に腰を90度まで折り頭を決して上げようとしない。よく見ればその体は震えており恐怖に支配されていることが良くわかる。それでもパニックを起こして逃げたりしないのは、わたしと同様にこの化け物からは逃げられるわけがないと理解しており、そしてわたしと違い逃げられないのだと思い知ったのだろう


わたしは武術を習ったことが無いので立ち姿でどれくらいの強さかなど微塵もわからないし、このコレクション達が戦闘する術を持ち得ているのかもわからないが、正直これだけの数が居るのなら一斉に襲い掛かればギリギリ目の前の化け物を殺せるのではないだろうか


それともわたしの目の前を傲慢にしかしながら堂々と歩く化け物はこれだけの数が束になっても叶わない程の超常的な化け物なのだろうか?


もしもそうであったのなら


(数分前のわたしほんとナイス!よく化け物の機嫌を損ねないように行動した!)


少し前の自分を思いっ切り褒め囃したい気持ちになりながらも、化け物を不快にさせないよう距離を保つためにかけ足を続ける


しばらく進んでいると化け物が話しかけてきた


「これはどうだ?」


一人のメイドが肩をビクリと跳ねさせてより震え始めた


(なにが?)


いきなりこれとか聞かれても意味がわからなかったが、その化け物が一人のメイドの前に立ちそれに視線を向けていることからこれが何を示しているのかは察することができた。


化け物がこれと称したメイドはおそらく猫の獣人で、体系は貧相な方だが見た目的には17歳かそこら辺な気がする


しかしながら一体何がどうなのかがわからなかった


意味が分からずそのメイドを見つめていると、段々の猫耳メイドの呼吸が荒くなってきた。わたしも化け物も喋らないためそのメイドの荒く乱れた呼吸だけが城内に響く


緊張なのか恐怖なのかガタガタと揺れるさまは、このまま放って置けば吐き出すのではないかというほどだった


(考えろ。何がどうなのかを)


(よくあるのだったら世話係?別に世話なんてされる必要ないけど、まあ色々情報収集をするのに話を聞く相手は必要か)


「気に入らんか?」


どうやらわたしが黙っているのを目の前のメイドが気に入らず難色を示しているのだと思ったらしい。それと同時に猫耳メイドが嗚咽を漏らしながら泣き出した


(え?な、泣き出した?なんで?あ、いや緊張かな?いや待って?もしかしてそういう!?)


「いえ、丁度良いと思います」


これ以上黙っていた場合の未来を想像し、細かく考えるよりも先に答えた


「そうか」


正直もっと良い言い方があったのではと思うが咄嗟に出たのがさっきの台詞だったんだから仕方ない


「来い。お前に我が娘の世話役を務める栄誉をやろう」


「か、感謝、致します。ご主人様」


古い洗濯機を稼働させたかの如くガタガタと震え嗚咽を漏らし泣いている状態でありながらよく受け答えが出来たものだと場違いだが感心してしまった。まあ死にたくなければ状態の良い悪いに関わらず即答する他無かったのだろうが


「お嬢様。ほ、本日より、わたし(わたし)がおじょっ、お嬢様のっ、お世話係を務めさせて頂きますッ」


周りのメイド達から猫耳メイドに向けられる視線は、夜が明ける前にこの世にいないであろう犠牲者へ送る同情と、自分が選ばれなくて良かったという安堵の籠った視線だった


(壊さないよ!たぶん。・・・力加減に慣れるまで触らないでおこう)


吸血鬼定番の馬鹿力でうっかり壊してしまうかもしれないとあまり近寄らないしようと決めたのだった


そうして新たに猫耳メイドを引き連れ化け物は一つの扉の前までわたしを連れてきた


化け物は遠慮なく扉を開けると中へ入る。するとそこには、また化け物が居た


見た目は14歳かそこら辺の少女の形をした化け物


その化け物は、わたしをここまで連れてきた化け物を見ると笑顔になり


「お父様!ようやくいらっしゃってくださったのですか?」


久方ぶりの再開であるかのように、まるで人間の如く化け物にかけよる化け物


(お父様?ということはあの子は娘か)


(じゃあこっちの化け物は仮称お父様、向こうの化け物は・・・まあたぶんわたしより先に生まれてるだろうしお姉様で良いか)


だがそのお姉様の笑顔もわたしを視界に入れるまでだった


「・・・う、うそ・・・嘘でしょ?嘘よね!?」


何をそんなに慌てているのだろうか?まさか殺される訳でもあるまいし


ふとわたしの斜め後ろで待機していた猫耳メイドが耳をたたみ視線は首から下げて一切何の情報も入らないようにしていることに気が付いた。その様子はまるでこれから行われる凄惨な行いを認識しないようにするためのような


ブチャブチャゴキゴキグジュリと肉を抉りながら太い骨を砕き内臓を搔き乱すなの音がした


「あ゛っ、あ゛がっハっ!?」


視線を戻した時、そこには逃げようとしたのかお父様に背を向け、その背中から腕で貫かれ空中に貼り付けにされているお姉様の姿だった


(ぇぇ・・・・・・・・・????????)


ビチャビチャビチャと粘性の高い液体が、まるでバケツをひっくり返したかの如くお姉様から床に落ちていく


赤いカーペットはますます紅くなり、吸い切れなかった液体がカーペットの上に朱い血溜まりを作り出していた


「ガハッ」


咳をするたびに大量の血が口から零れ落ち床の地溜まりを広げる。しかしながら腕を突っ込まれた背中からはその何倍もの血液は溢れ返っては床に広がっていった


「や゛、や゛だや゛だや゛だや゛だ!!!じにだぐない゛、やべでおどうざま゛!!!!!」


今更やめたところで助かるのかは甚だ疑問ではあるが、それでもこれ以上内臓を抉らないでと懇願するお姉様


あまりに唐突、あまりにも非現実的、あまりにも残虐、あまりにも化け物的


そんな光景にわたしは何をすればいいのかわからなかった


確かに望んだ。退屈しない世界を


だが流石にここまで唐突にスプラッタ的展開は予想外過ぎた


瞬間、脳裏にはどう考えても今ではない言葉が思い浮かんだ


(笑えば・・・良いと思うよ・・・・・・)


「ふふふっ」


何で笑ったのかはわたし自身もわからない


というか何もわからない。ので取り合えず現実逃避をしたかったんだと思う


「あ゛、う゛っぐぅ゛っ」


死から逃れようと必死に身をよじるお姉様に対してお父様は何を言うまでも無く、代わりに終わりを告げた


グヂャッ


くぐもった音で何かが潰される音がした。そしてお姉様は一度ビクッと大きく跳ねたかと思うと四肢がだらりとぶら下がり、それ以降微塵も動かなくなってしまった


そんなお姉様からお父様は腕を引き抜くと、支えを失ったことによりドサリとまるでゴミの如く床に打ち捨てらる。光を失った瞳がわたしを見てくる


(・・・出会って数十秒で姉妹?が一人消えた)


「やはり期待外れだったか」


吐き捨てるような台詞を言うお父様から家族愛などというモノは一切感じなかった


そして


ガタガタガタガタッ


部屋の中で最も大きな騒音がなくなり、時点で五月蠅い騒音が耳につくようになる。その音の正体はお姉様だったもの世話役であろうエルフ?のメイド。パッと見は14歳くらいだ


それに伴いわたしの斜め後ろに居る猫耳メイドがより一層身を固くしてこれから起こることを絶対に理解しないようにしていることを感じ取ったわたしは、何となく先の結末がわかってしまった


既に一体黙って見送ってしまったがどうせアレは人間にも理解できる音で鳴くだけの化け物なのでセーフだとして。わたしはもう一人のエルフ?の方をどうするか考えた


(殺さないで?多分ダメ。わたしがやりたい?何も変わってない。いや、やっぱり後でやる?ならば今やっても変わるまいとか言われそう)


鬼畜クイズだってもう少し時間制限が無いと言いたくなるような最適解の分からない問いに、どうすれば最善またはそれに近い結果を得られるか考える


(えっと、えーっと、何が良い?何なら良い?どうすれば気を反らせる?・・・!)


「・・・お、父様?」


本当にそう呼んでいいのか戸惑いながらも声をかけた


「なんだ」


用があるなら早急に発言しろと言わんばかりの雰囲気に駆け引きや後先を考える間も無く苦し紛れに言った


わたし、お腹が空きました」


(だ、だからほら?そんなエルフ?一匹放って置いて食卓に着きましょう?)


(家族での食事って大事ですよね?一緒に何か食べましょうよ。だからそこのエルフ?は置いといて)


「ならば丁度良い」


「・・・ぇ?」


それはどういう。そう続けるよりも先にお父様はエルフ?の胸を一突きし心臓を引き抜いた


「これは定命の者にしては長命種故に見かけより長く生きてはいるが肉体は若い。特別に味わう権利をやろう」


「ぁ、ありがとう・・・ございます・・・・・・」


最早手遅れであろうに胸に大きな穴を開けながらも光を失った瞳で心臓を求めこちらへ腕を伸ばすエルフ?を見て、自信の命は惜しいわたしはそんなことしか言えなかった


「そこの」


「ひゃ、ぁ、っはい!」


猫耳メイドは無理矢理にでも声を捻り出してお父様からの声掛けに答える


「潰して持って来い」


「はっ、はっ・・・カッ、かし、かしこまり、ましたっ!」


抜き取られてなおも弱弱しくはあるがドクドクと鼓動を打ち血が溢れる心臓を両手に受け取ると、まるで吸血鬼のように肌を青白くさせて駆けて行った


「食事はしばらくした後に来るであろう。それまで待て」


「それとこの部屋は今日からお前のモノだ。好きに使うことを許そう」


「必要なモノがあれば世話役に伝えるが良い」


「はい・・・」


そうしてお父様も部屋から出て行った


瞬く間に命を失い光無き瞳でこちらを見てくる二つの肉塊。貴族のようにとても広い部屋であるはずなのにとても血生臭い良い香りが部屋に充満している


何となく肉塊から視線を上げると窓際にテーブルと椅子がある事に気が付いた


わたしは血溜まりを踏むことさえ気にせずピチャリッピチャリッと最短距離で向かい、椅子を自分で引いてそこに座った


(ごはんよりも先に洋服が欲しいって言えばよかった)


どうでも良いことを考えながら物憂げな様子で空に浮かぶ計5つの月?達を見つめるのだった


(しばらく、何も考えたくないなあ~・・・・・・)


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