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宝石の竜  作者: 座頭海月
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覚悟




 肌に感じるのは凍てつく風。見える景色は真っ白の世界。生き物がいる気配もない死の世界で俺はただその景色を眺めていた。


 どうしてこうなったのだろうか。


 輝く大きな身体を洞窟に隠し目を閉じる。何かを間違えたわけではないと思う。いや、間違えたんだろうか?まあ、きっと正しい選択をしてもいつかはここに来ていたのだろう。


 今頭にあるのは救ってくれた人間への感謝と欲にまみれた人間への恐怖と憎悪だけだ。


 あの人たちはどうなったのだろうか。傷ついた身体を休めながら救ってくれた彼らのことを考える。いや、大丈夫だろう。彼らは俺が思っているより強いはずだ。この世界で戦いで生きていけるだけの実力があるのだから⋯


 あぁ、段々と意識が遠のいていく。もう限界なのだろう。切り裂かれた宝石の翼からは赤い宝石がが流れ続けていた。


 深く切り裂かれた翼の傷は治るのだろうか?ここまでの傷は初めてだ。

 

 体温が下がっていく。このまま意識がなくなったら俺は死ぬのではないか⋯?


 さっきまでとは違い、今はもう一人で死ぬ恐怖だけだ。こんな雪山の奥で誰にも気づかれずに死んでいく⋯


 


















 嫌だ


 














 目から宝石がこぼれ落ちる。涙のように流れる宝石は美しい青色で⋯大切な色をしていた。


 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!!!!こんなところで何もできずに死んでたまるか⋯!


 限界なんていくらでも経験してきた。だからこそ俺はここにいる。人間のいない場所に死ぬ気で逃げてきた。だからこそ俺は生きている。死にたかったらあそこで死ねばよかったのだ。俺は生きたいからここにいるんだ。


 俺はふらつきながらも立ち上がる。強くなれ。弱いままでは死ぬだけだ。奪われるな。身体を、居場所を、俺の全てを!


 俺を逃したことを後悔させてやろう。


 「──────GUOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!」


 大気を震わす咆哮をあげる。もう逃げたりはしない。自分はここにいると世界に告げる。


 俺は傷ついた身体を動かす。止まるわけには行かない。もう、後悔だけは絶対にしない。今の思いはただ一つ、憎悪でも、絶望でも恐怖でもない。


 






















 諦めて⋯⋯⋯⋯⋯たまるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!!!

 

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