序
ここは惑星【ソラリス】。見渡す限り何もない。あるのは小さな集落がいくつか、と、山が一つ。少年【バスター・オル】は、今日も祖父の【スクイズ・オル】と一緒。
「ねぇねぇ、おじいちゃん! 今日は何して遊ぶ?」
「そうじゃのう……」
「おーい!」
同じ集落の青年がやって来た。
「はぁはぁ、こんなとこまで、き、来て、今日は【ソラリス儀式】だろ、オルさん!」
「おお! そうじゃった! 我々が生きていくには欠かせない大切な日じゃったわい!」
「あー! ぼく知ってるよ!」
バスターが話しを遮るように出てきて続ける。
「聖杯で【水】を飲むんでしょ?たしか、十年に一回。ぼく、十歳だから、今日飲むの?」
「そうじゃよ」
「まぁ、そういうコトだから、早く祭殿に来てくれ!」
「わかった、わかった」
タタタ……。青年は走り戻って行った。二人も祭殿とやらに行った方が良さげだ。と、ここで、ソラリス人の特徴を紹介しておこう。見た目は白髪の地球人。髪の毛は産まれてからすぐ伸び腰まであり、切るということを知らない。そして、最大の特徴、食事を一切しない。歯はあるのだが。
これから始まる物語はソラリスとある男の物語。さて、どうなりますかね?