闇が深い
杉本サイド
僕の心は踊っていた。なぜなら同じ学年の人と話せたからだ。(出会いは微妙だけど)。
最初はやばい人でカツアゲとかされちゃうと思ってたけど全然そんなことなく,むしろ友好的に接してくれた。それが嬉しかった。
僕はふと気づいてしまった。トイレに行ってないことに。僕は嬉しすぎてまたトイレに行くことを忘れちちゃってたみたい。僕の尿意は踊っている。サンバを踊っている。
ダッシュでトイレに向かうと通り道にある音楽室から声が聞こえた。
僕は固まり,尿意も固まった。確信したお化けだと。
そして僕は興味本位で音楽室を覗くと。
学園アイドルの新井さんがピアノと会話していた。演奏とかではなく,ガチで話していた。何ならほかの楽器ともしゃべっていた。まるでかわいらしい楽器たちとティーパーティーを開いて女子会をしているみたいだった。僕は何も見なかったことにして,扉を閉めた。
だって,闇が深すぎるんだもん。しかし,人は学園アイドルとかかわると何かしらとハプニングが起こる。それは陰キャボッチの僕も例外ではなかったのだ。
扉の近くにあった箒が倒れて,新井さんはロボットみたいにビクッと肩を動かしてからギギギッ首を動かし,ひきつった顔で僕を見た。
「杉本君?だったかしら。私に何か用?」
「お後がよろしいようで。」僕はそう言葉を音楽室と僕の学校死活に言い残し,
「闇落ち展開来たーーーーーーー」という声が廊下に響き渡った