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29日目
すっかり霧が晴れた空を、東に向かってドラゴンが飛ぶ。
途中、何匹か空飛ぶ魔物に襲われたが、俺達の魔法で簡単に撃ち落とせた。
しかし思ったより魔王の城は遠く、到着したときには夜になっていた。
人気のない最果ての地の夜は、恐ろしく暗い。
「夜目の利く魔物たち相手に夜戦は不利よ。今日はもう休んで、明日の朝に攻め込んだほうがいいわ」
「明日は最終日じゃないか、ギリギリだな。具体的に、明日のいつがタイムリミットなんだ?」
「日没よ」
それまでに魔王を倒して願いを叶えなければ、俺は死ぬというわけだ。
「魔王も前の戦いのダメージが完治してないはずよ」
「なら、俺達2人でも勝ち目はあるな」
俺達は岩陰に隠れ、明日に備えて休息をとった。
「……ねえ。あんたの名前って、なんていうの」
闇の中で、女神がぽつりとつぶやいた。
「ヒナタだ。お前は?」
「ルナ」
俺達は、出会って29日目に初めてお互いの名前を知った。
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