表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SPIRITUAL HOME 〜猫のトム・ジョード〜  作者: ホーリン・ホーク
PR
25/30

25.here comes the emperor

 アルフレッドはトムに言った。

『もうここへ来ても、ビンセントさんには会えんぞ。もう帰っては()んのじゃ』

『うん。わかってる。もうわかってきた』

 トムは笑ってみせ、アルフレッドが言う前に言った。

『ビンセントさんは心の中で生きてる。だからいつでも会えるんじゃ。……でしょ?』

 そして胸を張り、目を閉じて冷気を吸い込んだ。


『じいちゃん、ちょうど今の時季なんだ。ぼくがビンセントさんに拾われたの』

『おぅ、そうじゃった。覚えているとも。小ちゃいお前がぶるぶる震えておった』

 と、アルフレッドは身震いした後、大きなクシャミをした。

『へぇーーっくしょい! ぅう〜〜! 老体には沁みるわい』

 鼻水をだらんと垂らしたアルフレッドを見てトムは吹き出す。

『プッ、ぶるぶる(きった)ね〜! ハハハ』

『これ、笑うでない! フフ……ゥホホ』





 聳えるNOEAを眺めながら、ディック・オルソンは呟いた。

「……ニックのやつめ。どこへ消えやがった……」

 それから毛皮のコートを脱ぎ、ロンとロッドを従え敷地を見て回る。

 やがてディックはドン! と音を立てるように()()()()を指差した。


「あれは何だ? あの犬と……猫か?」

「あ、あれは、その〜、以前パン屋の親父が飼ってた犬と猫のようでして」

「……はは〜ん。例の土地か、あそこが。何故追い払わん!」

「あ、はぁ……では今から……」


 ロンとロッドが顔を見合わせ()()()()()いると、

「えーーい! そいつをよこせ!」

と、ディックはロッドの持つ測量ポールを取り上げ、いきなり走り出した。



 トムが耳を立てる。

『じいちゃん、人が来る!』『何?』

 アルフレッドは振り向き、遠くから一直線に向かってくる人間に吠えた。


『何じゃ? わしらを(ねろ)うておる!』



挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ