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SPIRITUAL HOME 〜猫のトム・ジョード〜  作者: ホーリン・ホーク
15/30

15.welcome to NOEA

 それから一年が過ぎた。

 ブロウィン空港が開港し、フリーホイールの街は活気付いた。

 メインストリートの新しいアスファルトの道路を車が行き来した。

 改装したホテルも賑わった。

 タクシー、レンタカー、働き手も増えた。

 情緒ある一番街二番街も客を呼んだが、何より八の二番街の新築デパートNOEA(ノエア)に人が押し寄せた。



 ニックはNOEAのテナントを見て回る。

 有名飲食店、ファーストフード店、SUSHIBAR。

 ホームリビングコーナー、ブランドの服飾・雑貨店。

 店員にのせられてカジュアルな服やブーツを買うニック。

 行き交う客の波に紛れ二階三階とうろつき、また一階へ。

 旅行案内所の派手な宣伝、ペットショップも目新しい。


 ――犬の服だと? こんな水玉着せられて、犬は喜ぶのか? ……と顎をさすりながらベーカリーの前を過ぎるニック。

 焼きたてパンか……。



 そして外へ出て、車の多さにあらためて()け反った。

 珍しさで州外から来る買い物客もかなりいると見た。



 オルソン・エンタープライズの会長ディック・オルソンは、息子のニックとNOEAの状況を電話で話す。

《どうだ? ニック。黒字経営の方は》

 ――ギリギリのとこを、何を皮肉るクソ親父。


「ふっ。まずまずさ。だが物流コストがかかる。やっぱり不便なド田舎だ。もっと道路を整備してもらわなきゃ。あとは駐車場も」

《向かいの場所はまだ手こずってるらしいな?》

「……ああ。一人」

《パン屋の男だろう? そいつは今、病院に厄介になってるそうじゃないか》

「そう。だからそのうち手に入る」

《早くしろ。そこはお前に任せると言ったが、これ以上は予算オーバーだ。もう待てんぞ》





挿絵(By みてみん)

■長靴に入った猫 ハイルとデル

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