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剣人  作者: はむ星
【幼年篇】
4/113

3

 そうして僕の修行は始まった。

 剣の修行は一日一時間。

 体が出来てないうちから剣術ばっかりやると、体に偏りができるとお師さんは言う。

 とにかく走り回って遊んでろ、と言われたので僕は外を走り回ることにした。


 剣の修業をするときと、外で遊ぶときはポメは部屋に置いておくことにした。

 修行のときは集中の妨げになるし、ぬいぐるみを外に持って出ると砂とか枯れ葉とかついてばっちくなるし。

 三十路過ぎの男がぬいぐるみに執着していると思うと我ながら気味が悪いが、今の僕は二歳の女の子なのでセーフだと自分に言い聞かせる。

 庭ならともかく、家の外となると光恵さんに抱っこされて連れ出されたくらいしか出たことがなかったので、割とどきどきしながら外へ出る。


 目に映ったのは一面の緑だった。


 かろうじて舗装されている家の前の左右に分かれた道路は、右は田んぼの中に家が点在している村へ、左は雑木林の中へ道が伸びており、その先は山に続いているようだった。

 そういえばここは三隅村みすみむらというらしい。

 村というだけあって、紛うことなき田舎のようだ。

 道路を埋め尽くすかのように周囲には草木が生い茂っており、自分の身長が低すぎてよく分からないが、周囲を山に囲まれた盆地のようだった。

 隣の家は二百メートルほど先のようだが、あまり家から離れすぎるのも不安があった。

 なんといっても幼いこの体は簡単に電池が切れる。

 どこかの家の近くで眠りこけるなら危険もないだろうが、お師さんやその家の人に迷惑もかかるだろうし、やめておいた方が良さそうだった。


 なので、そのへんを走り回ることにした。

 といっても子供の体は頭が重いためにバランスが悪くてすぐ転ぶので、舗装された道路を走り回るのは危ない。

 道を少し離れたところは休耕田なのか、ちょうどいい広場になっていたのでそこを走り回ることにした。

 転んでも雑草のクッションがあるので、擦り傷はできても大怪我はしなくて済む。

 広場は一見平坦に見えて、雑草の下には石ころやくぼみが潜んでいるのでまあ転ぶ転ぶ。

 多少は痛いけれど、こういうところを無事走れるようにならないと、剣の複雑な動きなんてできっこない。

 そうやって転びまくって雑草の匂いにむせていたら、いきなり近くから笑い声がした。


「バッカでー! 何やってんだ、おまえ」


 ついでに馬鹿にされたのでそちらを見ると、僕より一つか二つほど年上の、まさにやんちゃ坊主を絵に描いたような男の子と、その後ろに今の僕と同い年くらいに見える女の子が立っていた。

 僕を馬鹿にしたのは当然ながら男の子の方のようだ。

 強情そうな癖っ毛と、陽の光を照り返すような目の輝きが印象的だった。


「はしってる」


 僕の返答に、彼は太い眉を思いっきり寄せて口を尖らせた。


「走れてねえじゃんか。おまけに頭に草の葉っぱめっちゃくっついてるぞ」


 ずかずかと近づいてきた彼は、僕の頭についていた草をぱっぱと払ってくれた。

 案外いい奴なのかもしれない。

 置いて行かれそうになった女の子は慌てた様子で男の子の後ろにぴったりと張り付いた。

 日本人形みたいな黒い髪と目鼻の筋が通った綺麗な顔立ちで、年頃になったら美人になるだろうなと思わせる子だ。


「おまえ、そこのおばけドージョーの子か? 光恵おばさんがいつも行ってる」

「おばけ……」


 お師さんの道場はそんな扱いなのか。


「おばけだろ、あのじーさん。こないだ勝手に中に入ったらいつのまにか後ろにいたし……」


 お師さんならそれくらいは余裕だろう。


「かってにはいるの、よくないよ」

「うるせ。ともあれそこの子なんだろ?」

「うん。それできみ、だれ?」

「ああ、おれは今里いまり悟志さとし。サトシでいいぜ。こいつは水野みずの麻衣まい。マイでいいんじゃねえか」


 てっきり兄妹なのかと思っていたら違うようだった。

 マイはサトシの後ろでモジモジしている。


「おまえは?」

「ぼく、くろみねいおり」

「ふーん? へんななまえだな。それにおまえ、女なのにぼくっていうのか?」

「うん」

「へんなの」


 お師さん渾身の命名を一言で片付けた上に僕の一人称をディスったサトシは、手招きした。


「来いよ。いいとこ教えてやる」


 まあ、子供が子供を誘拐することもないだろうし、ご近所さんであるならこの先も長くお付き合いすることになる。

 僕はサトシとマイについていくことにした。


「ここだ」


 いわゆるドヤ顔で振り返ったサトシが案内してきたのは、広場から百メートルほど移動した雑木林の中だった。

 道からは木々の葉っぱが邪魔をして視線が通らず、それでいて切り株や子供が登りやすそうな小さな木があるちょっとしたスペース。

 いわゆる男の子なら誰もが憧れる秘密基地という奴らしかった。

 マイは勝手知ったるなんとやらといった風情で、もそもそと切り株に腰掛けていた。


「おれのひみつきちなんだぜ!」


 うん、そのままだった。


「すごいね」


 男の子の自負心を傷つけるのも忍びない話だし、僕自身が子供の頃に友達と作った秘密基地はこんな自然あふれる場所ではなくてダンボールで作ったお粗末なものだったので、偽らざる本心でもあった。


「だろ」


 そっくり返って嬉しそうに笑うサトシを前に、僕はその秘密基地とやらを見回した。

 走り回れるようある程度踏み固められた地面、登りやすそうな木、少し奥には岩場があるようだった。

 今の僕の鍛錬にはもってこいの場所かもしれない。


「ぼくもここにきていい?」

「いいぜ。けどおとなにはいうなよ。すぐあぶないからダメとかいうからな」


 サトシが口を尖らせた時に、女の人の声が響いた。


「サトシ! どこに行ったの!!」

「やべ、かーちゃんだ。行かねえと。マイ、行くぞ」

「う、うん」


 首を竦めたサトシに慌ててついていこうとしたマイは、その前にくるりと僕の方に振り返った。


「ばいばい」


 手を振るマイに、僕も思わず笑顔になって手を振った。


「うん、また」


 二人を見送って、僕はしばらくこの天然のアスレチックで遊ぶことにした。

 鍛錬ではあるけど、楽しまないとね。


*   *   *


 そうやって過ごすうちに、僕は三歳になった。

 裏山を走り回れるくらいには体力が付き、剣の修行も一日二時間に増えた。

 髪も伸びて今は光恵さんにおかっぱに切ってもらっているから、見た目は本当に幼女だ。


 いや幼女なんだけど。


 光恵さんいわく、僕の髪は多いけれど細くて素直なので切りやすいらしい。

 他にも修行用に光恵さんお手製の道着、お師さん手ずから作った木刀と竹刀も貰った。

 袴の着方を教わるなんて前世では思ってもいなかったことだったけれど、慣れてしまえば動きやすいし着やすい。

 注意しないと裾を踏んづけることはあるので、そこはもちろん気をつけているけれど何回か転んだ。


 道衣は光恵さんの趣味で桜色。

 前世の感覚が抜け切らない僕にしてみれば可愛らしすぎる色だけれど、なぜか気に入った。

 ぬいぐるみが好きになっていることといい、女の子になったことで好みにも影響が出たんだろうか……。


 現金なことだけれど、自分の道着や木刀が手に入ると稽古にもいっそう身が入った。

 そして今日から新しく組太刀の稽古をすることになったのだが……道場に見知らぬ人が二人いた。


「やあ、君が伊織ちゃんかい? まさか師匠が子供を引き取るなんてな、あはは」


 こう言ったのは三十歳くらいになろうかという、穏やかそうな雰囲気の男だ。

 とは言っても体は細いながらも鍛えられているのが僕の目からでも分かったし、その身のこなしはいつも来ている門下生と較べてもこなれていた。


「黙ってろ。おい、伊織。こいつは鴻野こうの春樹はるきってな。出来が悪いが儂の弟子じゃ」

「出来が悪いってひどいな。これでも一番弟子のつもりなのに」

「けっ、おめえなんぞまだまだ半人前じゃ」


 口は悪いけれど、お師さんがこの春樹さんに気を許しているのは十分伝わってきた。


「ともあれ鴻野春樹だよ。よろしくな、伊織ちゃん。それでこっちは僕の息子の真也しんやだ。君の二つ上になるのかな?」


 春樹さんの隣に立っている小さな男の子(と言っても僕よりは少し大きいんだけれど)は、春樹さんに背中を押されてほんの少しだけ頭を下げた。


「こうのしんやだ」


 いがぐりのような頭の下の目は意志の強そうな光を宿していたが、今はどうやらご機嫌斜めのようだった。


「くろみねいおり。よろしく」


 そう言って手を差し出したが、ふん、と鼻を鳴らした上で無視された。


「おい、真也」

「だってちちうえ。オレはこんなところであそんでるばあいじゃない」

「ほう」


 馬鹿にしたように古びた道場と僕を見た真也に、お師さんが面白そうに声をあげた。


「なかなかの鼻っ柱じゃな、春樹」

「済みません師匠。なまじ才能があるもんで天狗になってまして」

「だからここに連れてきたってか。相変わらずじゃな、おめえは」


 苦笑したお師さんは、僕に手招きをした。


「伊織、ちょっと来い。それと真也っつったか。おめえもじゃ」


 僕がお師さんの前まで行くと、さすがに父親の師匠の言うことを無視する気はないのか、しぶしぶながら真也もこっちへとやってきた。


「今からおめえたちで組太刀をする。伊織はこれが初めてじゃが、真也、おめえはやったことがあるか?」

「あります」


 馬鹿にするな、と言わんばかりに鼻息荒く真也は答えた。


「そうか。じゃあおさらいとして聞け」


 話などすっ飛ばして稽古したそうにそわそわと体を動かす真也に構わず、お師さんは話を続ける。


「組太刀においては型も無論大事じゃが、それ以上に大事なことがある。そいつは相手の呼吸を読むことじゃ」

「こきゅう」

「と言っても馬鹿正直に相手の息を見るんじゃねえぞ。いや、それも重要なんじゃが」


 お師さんの言葉は武道未経験者には分かりづらいことが多い。

 真也は分かってるのかと横を見るが、彼はこっそりあくびをしていた。

 きっと何度も聞かされたことなんだろう。


「呼吸を読む、ということは相手の意志を読むということじゃ。そいつはいろんなところに現れる。息、目付け、筋肉、重心の動き。そいつらを見逃すな」


 型をしながら覚えたことだが、人間、強い動作をするときには息を吸いながらでは動けない。

 踏み込みや斬り付けのときは必ず息を吐く。

 訓練が足りないとその際に息を止めてしまうのだが、それはやめろと教わった。

 後の動きが続かないし体にも悪いんだそうだ。


 ともあれ息を吐く、または止めるときに相手は何らかの行動を起こす、ということだ。


 動くときには筋肉が必ず動くし、重心も移動する。

 そして十分な訓練を積まない限り、目は自分の向かうところを見る。

 つまりそれらを総合的に見て相手の動きを読むことを、呼吸を読むと言っているのだろう。


「組太刀ではそいつを鍛える。分かったか?」


 木刀を手渡してきたお師さんの言葉に僕は頷く。

 真也は自分用の木刀を背負っていたので、それを抜いてぴたりと構えた。

 五歳児にしては実に様になっていて、才能があるという春樹さんの言葉は本当なんだろうと思えた。


「一の型、掌分!」


 お師さんの号令で組太刀を始めた僕は、真也の呼吸を見逃さないように集中力を高めた。


*   *   *


「よし、休憩」


 一時間みっちり組太刀をやらされた。

 組太刀そのものは勝敗などは無く、決まった型を対面で行うものだ。

 しかし、その対面と決まった型いう事実こそが大事なのだと僕はこの一時間で思い知った。

 相手がどう動くか分かっているからこそ、そのときの相手の呼吸が分かるようになっていく。


「それにしてもいい動きだね」


 タオルで汗を拭いていると、春樹さんが話しかけてきた。


「おしさんにおしえられたとおりにしてる」

「そうか……にしては、型の意味を理解しているように見えるね。真也でも理解はしていないのに」

「ちちうえ!? オレがそんなちんちくりんにまけてるっていうのか!?」

「さて、そこじゃな」


 どう聞いても悪役の声でお師さんが割って入った。

 というか真也、ちんちくりんとはまた古風な表現を……。


「休憩が済んだらおめえらには竹刀による打ち込み稽古をしてもらおう。言っとくが防具なんざねえぞ。竹刀なんじゃからな」


 竹刀は当たるととことん痛いが、突き以外で致命傷になることはほとんどと言っていいほどない。

 昔の兵法家が生み出したものとお師さんに聞いているが、本当に良くできているものだ。

 と言っても普通は防具を付けるのだが、お師さんは痛くないと覚えないという昔ながらのスパルタンな気風である。

 お師さんと乱取りした門下生が、あまりの痛みに大の大人なのに涙目になってるのを見たことがある。


 ……うん、よほど痛いんだろう。


 気をつけないと。

 もっとも門下生の中でも実力ある人たちは、木刀でそれをやるんだから恐ろしい。


「ほんとうにいいんですか。オレ、てかげんしないですよ」


 怒気の混じった口調で真也は竹刀を二、三度素振りする。


「必要ねえ。いいからやってみろ」


 お師さんが煽りまくったせいで真也の怒りのボルテージは今まさに頂点のようだった。

 相手する方の身にもなってほしい。

 いくら竹刀で叩かれても死なないとは言え、痛いのはなるべく嫌なのだ。


「ほれ」


 僕の内心などもちろん知ったことではなく、無情にもお師さんは僕の子供用竹刀を手渡してくる。


「構え……始め!」


 合図と同時に、真也は床を蹴って飛び出してきた。

 うん、重心は前にあったし足にも力が入っていた。

 その時点で飛び出してくるのは分かっていたが、腕にも力が入っていて上体がそり気味となると、これはもう真正面、上段からの斬り下ろしだろうと判別できた。


 つまり掌分で対処が可能ということだ。


 二歩進んで真也の右手首を竹刀の先端で押さえる。

 真也の顔に戸惑いの色が浮かんだが、痛くもなんともないのでこれは止まらないだろう。

 体を左に開くと目の前を真也の振り下ろした竹刀が通り過ぎたので、そのまま真也の小手を軽く打った。


「一本」

「っ!? ま、まって、いまのは!」

「一本は一本じゃ。なんじゃ、やめるのか?」

「い、いや。やります!」


 僕としてはまぐれに近い気がするのでこれでやめて貰った方がいいんだけどな……。

 そうは言っても僕も強くならなくちゃいけない。

 逃げてもいられないだろう。

 僕が竹刀を再び構えると、真也も気を取り直したように構えた。


「やあっ!」


 先程よりは慎重に真也が斬りかかってきた。

 しかし重心は後ろ寄り。

 つまり、これは牽制に過ぎないのだが、重心が後ろ寄りというのは見逃せない。

 竹刀の引き際に合わせて思い切り踏み込んで鍔迫り合いに持ち込み、体重を掛けて押し込む。


「あっ!?」


 三歳児の体重など大したものではないが、後ろに重心が偏っていた真也はそれでバランスを崩して尻もちを着いた。

 すかさず頭を撫でるように打った。


「一本。それまで!」


 なんとか勝てたようだった。

 それにしても、組太刀を事前にしていなかったらまったく勝てなかっただろう。

 組太刀で相手の動きの見方と、真也のクセを把握できたからこその勝利だった。


「ま、まてよ! いまのはまぐれだ!」

「いいや、真也、おまえの負けだよ」

「で、でもちちうえ、いまのはどっちもぜんぜんいたくないし、まだ、オレやれる!」


 あまりにもうまく行って手加減する余裕があったので、真也は本当に痛くもなんともなかっただろうとは思う。


「痛くないのは伊織ちゃんが手加減してくれたからだ。これが真剣だったらどうなってたと思う?」

「そ、それは……」

「一本目ではおまえは右手首を切り落とされてる。二本目では頭に致命傷を受けて死んでいるな。完全に、おまえの負け」


 春樹さんの宣言に、真也は青菜に塩の例え通りにしおしおと萎れてしまった。

 そのまま下を向いてぷるぷる震えていたと思ったら、どうやら泣き出してしまったようだった。


「っく、うぐ、ひっく」


 ぽろぽろと床に涙をこぼしながらも、口は真一文字に引き結んで泣き声を漏らすまいとする真也の頭に、春樹さんは優しく手を置いた。


「悔しいか? それでいい。悔しいと思うのは負けを認めたからだ。そして、悔しいと思えるのは負けたくないと願うからだ。おまえにそれがある限り、もっともっと強くなれる」


 どうやら僕は真也の教育に一枚噛まされたようだった。

 そうは言っても僕にも得るものはたくさんあったわけで、お互い様ということだろうか。


「……うん、オレ、もっとつよくなる」


 ぐい、と涙を拭った真也は僕の方をぐっと力の籠もった目で見た。


「きょうはオレのまけだ。でも、つぎはまけない」

「うん」


 頷いて手を差し出す。

 人と本気で打ち合うなんて前世と合わせても生まれて初めてだったけれど、今日は僕もひとつ強くなれた気がした。

 そしてそれは真也がいたからこそだ。

 お師さんや門下生たちでは、僕程度とはレベルが違いすぎて動作を読むことも簡単にはできなかっただろう。

 コツをつかむという意味では、真也こそが今の僕に最適な相手だったのだ。


「………」


 しばらく僕の差し出した手をじっと見ていた真也だったが、やがて手を力強く握ってきた。


「それにしても、凄い才能ですね」


 春樹さんが僕を見て言うが、お師さんは首を横に振った。


「才能じゃねえよ。良く見て、良く考えているだけじゃ。まあ、まだまだじゃがな」

「相変わらず厳しい」


 苦笑する春樹さんだったが、お師さんの言う通りだと思う。

 僕が今の勝利に驕って何もしないでいれば、真也はあっさりと僕では追いつけないほどに強くなってしまうだろう。

 だから、僕ももっと努力をするべきだと思った。


「二人して強くなるといい。同じくらいの腕の奴ってなぁ貴重なもんじゃからな」


 そう言ってニヤリと笑うお師さんはやっぱり悪役のようにしか見えなかったが、その言葉には実感が籠もっていた。


 こうして僕は、その後の人生において最大の好敵手となる少年と知り合ったのだった。

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