私のベストフレンド [夏姫サイド]
「コトちゃーん ちょっと来てー」
私はいつものように専属メイドの名前を呼ぶ。でも、呼び名は前と違う。でも、同一人物。昔みたいにあだ名で呼ぶ方が私としてもしっくりくる。
「ハイハイ。何でしょうか?」
やってきたのは、ちょっと大人っぽい綺麗なメイドさん。
「ねえ。コトちゃん。この間のボディは気に入らなかったの?」
「あ。えっと・・・やっぱり、この身体のほうがしっくりくるから・・・」
コトちゃんこと琴美は、サイボーグ化した時から、皇木重工の標準サイボーグボディを愛用している。生身の時の写真が殆ど無いことと、サイボーグになるきっかけである交通事故の時に、皮膚の90%を損傷し、とても再現できるような状態ではなかったことから、生身の時代の身体をモデルとしたボディを持っていない。
「でも、あのボディは可愛かったと思うな・・・」
でも、そんな彼女のボディが先日できあがった。無かったと思われた写真だが、琴美の中学時代の同級生に卒業アルバムを借り、それをモデルにしたのだった。
「いいえ。私はあの身体は嫌です」
彼女がそのボディを嫌がる理由。それは、彼女の生身の時の身体がロリ体型だったからだ。そんな彼女にとっては、大人の色気の詰まった標準ボディの方がお気に入りなのだとか。
「じゃあ、今週の日曜日にもう一回。ね? お願い」
私はそんなロリ体型の彼女が大好きで堪らない。標準ボディの彼女も好きだけど、ロリ体型時も譲れないからなぁ・・・
「・・・わかりました」
渋々OKしてくれる琴美。
「やったー」
「それと、お仕事中に「コトちゃん」は止めて下さいね」
相変わらず真面目なところは変わらない。一応、リミッターは24時間取り外してある。というより、琴美に記憶を戻した日に博士に頼んで
リミッターを完全に外してもらったのだ。それと、お疲れだろうから、体内タイマーも弄らせてもらった。そのことを琴美に言ったら、ちょっと怒られた。メイドとしての仕事に従事するのが、彼女の生き甲斐ならしい。リミッターがかかっていたから生真面目だと思っていたけど、
生真面目なのは、元からなんだ。
身体も機械の私たちだけど、親友としては人間として楽しく生活しています。それが、私のお嬢様ライフなんだから。
最後まで『私のメイドさん』を読んでいただき、ありがとうございます。
今後の勉強のためにも、是非感想や評価をしていただけますと、助かります。
また、「こんなストーリーどう?」などの提案がありましたら、お気軽にメッセージをいただけると嬉しいです。