お嬢様のイタズラ [夏姫サイド]
「京極博士」
私は京極博士のラボに堂々と入る。と言っても、博士のラボは私の家の中にあるし、彼の研究費や諸所の経費などは、ウチのお金でやりくりしているから、私が彼のラボに入ることは自分の家の部屋に入ることと同じこと。まあ、博士自身も大天才としての頭脳を持っている割に庶民的でフレンドリーな性格だから、私と彼との仲は友人みたいな感じだ。
「お嬢様!? どうされたんですか? こんな真夜中に・・・」
時計を見ると夜中の3時を回っていた。京極博士はしっかり起きている。
「琴美のことで・・・ちょっとね」
そう言って、琴美の眠っているカプセルを見る。とても綺麗な寝顔。ちょっと憧れるなぁ・・・
「琴美・・・のことですか?」
「ええ。ちょっと耳を貸してくださる?」
そして、私は博士に耳うち。
「えっと・・・用件はわかりました。自分も協力いたします。しかし、何故そのようなことを・・・」
「ん? 女の秘密」
私は博士に向かってウインク。
「あと、フォローしてくれてありがとうね」
「フォロー・・・ですか?」
博士は顔を傾け、考える。
「琴美の言ってたダイエットのこと」
「ああ。アレのことですか」
博士はようやく私の言いたいことを理解してくれたらしい。
「アレは、お嬢様の秘密ですので・・・ ただ、そろそろ琴美に教えたほうが良いかと・・・」
「うん。明日教えるつもりだから。それで、あなたに協力を求めたんじゃない」
「確かに・・・って、お嬢様。覗かれていたのですか?」
「ええ。ちょっとね」
そう言って、私は博士のラボの出口まで歩いていく。
「あなたも寝なさいよ。皇木の貴重な人材なのだから」
私はそう言ったあとに、彼に向かって投げキッス。ちなみに、京極博士はポカーンとした顔をしていた。ちょっと・・・滑ったかな・・・