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一章 《死にゲー》の世界

私、桐山雪は普通の高校生だった。

夏休みになり退屈していた時、この《死にゲー》の存在を知り手を出した。

それ以来このゲームの虜となり二年間プレイし続けたが……ある日事件が起こった。

なんと死亡率インフィニティ、つまり∞と言われたこのゲームのメインストーリーを死ぬことなくクリアしてしまった。

その時だった、テレビ画面が光りあまりのまぶしさに目を閉じた。

次に目を開けた時は《死にゲー》の冒頭の監獄だった。

ここから私の物語は始まった。





「ここ……ユグステッドよね……」

ユグステッドとは冒頭の監獄の名前で、最初の難関と言われている。

ひとまず私は自分の格好を調べた。

「服装も囚人の服に囚人の靴、囚人のズボンと手枷ね……」

これら四つは最初から装備されているが実際のところ防御力は皆無である。

「どういうことなのかしら……もしかして夢?」

それほどボケているとは思っていないが夢以外の答えが出ない。

仕方なく私は古典的手法を試すことにした。

「っいたたたたた」

ほっぺをつねること、古典的だが実用的な方法だ。

この時の痛みは夢で感じる痛みとは全く違っていた。

「夢じゃない……ということは本当に《死にゲー》の中ってこと?」

そう呟いた瞬間、ガンッと牢屋の格子を叩かれた。

「静かにしていろ囚人017」

見張りの兵士だった。呼ばれたのは名前ではなく番号だったがこれはゲームの世界でも同様……というかこの時点ではまだキャラクターの容姿も名前も決められていない。


「申し訳ありませんでした、我らの神にお祈りを捧げていたもので」

実はここは最初の関門で兵士に怒られるというものだ。

三択の中で正しいものを選ばないと死なない程度に体力を削られてチュートリアルに移行した時の死亡率が跳ね上がる。

正解は私が今行った神に祈っていたと謝罪する、だがほかには黙っている、反抗する、とある。

反抗すれば兵士の持っている槍で串刺しにされ、黙っていると「お前だよお前」と殴られる。

私の選んだ選択肢の場合はというと。

「神様に祈ってもお前のような罪人を救ってくれるとは思えねえがな」

と、今のようにセリフを投げかけられ見逃しえくれる。

しかし実際今後どうしたものだろうか。

ゲーム通りならば、この後《死にゲー》のラスボスの襲撃で牢屋の壁が崩れるだが……




『グオォォォォォォォ』

どうやら来たらしい、《死にゲー》ラスボス、〔シルクバード〕が。

名前に鳥とあるが実際はドラゴンだ、見た目は七つの玉を集めると出てくる龍を想像してほしい。

彼はなぜか人間を滅ぼそうとしており、なぜかこのユグステッド監獄を狙った。

耳をすませてみると「敵襲だ!」といった声や爆発音が聞こえる、私は立ち上がってすぐに走り出せる準備をした。

そして、すぐに爆音が響き渡り私の閉じ込められていた牢獄の壁が吹き飛んだ。

すぐさまその穴めがけて走り出す。

するとすぐ目の前に〔シルクバード〕の顔があった。

やつはその口を開いて火を吐こうとしている、それに構わず私は穴から飛び出した。

そこは監獄塔の五回、普通に飛び降りたら即死してしまうが今は脱出用のはしご替わりに使えるものがある。

〔シルクバード〕の体だ。

ここで最初の位置から動かずにいると〔シルクバード〕の火で焼かれ、机を倒して隠れたり、穴の横で火をやり過ごすと〔シルクバード〕が退いてしまい五回の高さから紐無しバンジーをしなければならない。

このゲームは危険な時は危険な方向へ逃げろという格言がある程こう言う悪意の滲み出るイベントが多い。

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