ギルドマスター撃破
ギルドの広間を蹂躙した俺は、
そのままギルドマスターの部屋へと踏み込んだ。
ドアを蹴破る。
バンッ!!
「……誰だ、貴様は」
ギルドマスターは、豪奢な椅子に座りながら、睨みつけてきた。
禿げ上がった頭に、贅肉にまみれた身体。
そして、
その隣には、うずくまる少女の姿があった。
(……またか)
薄汚れた服。怯えた目。
明らかに、力でねじ伏せたのだろう。
「ここも腐ってるな」
俺は静かに呟いた。
「黙れ! 冒険者ギルドを敵に回す気か!?」
「敵に回すも何も……」
俺は一歩前に出る。
「最初から、敵だ」
──
ギルドマスターが印を切る。
ズゥン!!
部屋全体に結界が張られる。
魔法結界だ。
外部との連絡を断ち、内部での力を押さえ込む。
ギルドマスターは杖を振り上げた。
「汝、下賤なる者よ──封じられよ!」
詠唱と共に、無数の鎖が空間から出現し、俺を縛ろうとする。
だが。
(遅い)
俺は軽く身をかわし、鎖を掴む。
そのまま、力任せに引き千切った。
「なっ……!?」
驚愕するギルドマスター。
「……あぁ。俺は、封じられねぇ」
俺は手を伸ばす。
≪スキル【強奪】発動≫
ズズズズッ!!
ギルドマスターの体力、魔力、そして保持していた結界スキルすら──吸収する。
「ぐ、ぐあああああっ!!」
苦悶の叫びと共に、ギルドマスターはその場に崩れ落ちた。
──
(あっけないもんだな)
結局、こいつらも、権力にしがみついて腐っただけの存在だった。
俺はうずくまっていた少女に目を向けた。
「……行け。もう自由だ」
少女は、怯えながらも、泣きながらも、必死で立ち上がった。
「ありがとう……!」
そう言って、駆け出していく。
──
(ああ、別に感謝なんて求めちゃいない)
俺はただ、
邪魔な腐敗を潰すだけだ。
ギルドマスターの机から、内部資料を漁る。
そこで──新たな情報を手に入れた。
「……教会、か」
ギルドと教会は裏で繋がっていた。
民衆を操り、搾取し、支配する。
すべては、世界管理機構の意向によるものだ。
(次は──教会だな)
俺は静かに笑った。
復讐の刃は、さらに深く、世界を抉り始める。