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腐ったギルドへ
都市国家リヴェール。
ここは近隣最大の都市にして、
冒険者ギルドの中央支部が構える街だ。
ギルド──
本来なら民を守り、魔物を討伐する組織。
だが実態は違った。
金と権力に塗れ、弱者を搾取し、都合のいい者だけを引き上げる腐った集団。
(……いい。叩き潰すにはもってこいだ)
俺はギルドの巨大な建物を見上げ、静かに扉を開いた。
──
「よう、何の用だ?」
受付にいた男は、明らかに見下した態度で俺を迎えた。
ボロボロの服装、剣も持たない少年──
そんな風に俺を見たのだろう