世界を支配する者たち
世界管理機構──
刺客が残したその言葉は、俺の中で静かに燃え続けていた。
(……つまり、表に出てこない連中が、世界を好き勝手に操ってるってことか)
追放も、腐敗も、貴族どもの傲慢も。
すべては、そいつらが仕組んだシステムだ。
ならば──
「壊すしかない」
静かに呟く。
個人への復讐では、もう足りない。
世界そのものを、叩き潰す。
それが、俺の復讐だ。
──
そのためには、情報が必要だった。
ただ突っ込むだけでは、世界そのものには届かない。
まずは、表に見える腐った組織──
貴族、教会、ギルド──をひとつずつ潰し、
連中の裏側に繋がる糸を探らなければならない。
(上等だ……)
心の中で笑った。
面倒な敵ほど、燃える。
俺は、男爵から奪った金貨とスキル石をポーチに詰め込み、
次なる標的へ向けて歩き出した。
目指すは、近隣最大の都市国家。
そこには、巨大な冒険者ギルドがある。
そして、教会本部の出張所も。
(まずは、ギルドからだな)
俺を見捨てた、追放した。
そんなシステムそのものを、ぶち壊す。
すべてを奪い、蹂躙し、喰らい尽くしてやる。
「……待ってろよ、世界」
夜空に浮かぶ月を見上げ、俺は呟いた。
俺の復讐劇は、今まさに加速し始めた。