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02:お互いの旅立ち

話し終わると項垂(うなだ)れて、体育座りした足の間に顔をうずくめてしまった。



「僕から補足させてもらうと、あの後、彼の魂は砕け散る寸前だったみたい。向こうの担当者からすごいクレームが来たんだよ。体はあちらの世界で眠りについてもらってる。」



大人っぽく見えるから私と同じ年かと思ったら彼の精神年齢は14歳で止まっていたらしい。



14歳にこの事実は酷だろうな~ かわいそうに……



「私が全部解決してきてあげるよ。」




彼はうずくめていた顔をぱっと上げこちらを凝視した。私はニコニコしながらもう一度彼に


「私が解決してきてあげる。だから、アスク君は心配せずに日本を満喫しておいでよ。きみからしたら魔法のような世界だと思うよ。」



私には元の世界で妹が2人いる。 長子はがんばる生き物なのです。

お姉ちゃんに任せなさい。




そこからはお互いの世界情報交換。

アスタ君が神様にお願いしたことはやはり記憶の削除。



「新たなスタートを切るためにはいいかもしれませんね。後悔はないですね。」



「はい、話したらすっきりしました。気にならないといったら嘘になりますが、もうお任せします。……ごめんなさい。」


アスタ君は申し訳なさそうに私に頭を下げる。ふわっふわっの頭髪が目の前に…思い切り撫でくり回した。



「ふわふわだ~。謝ることなんてないよ。私の学生時代のあだ名教えてあげる。【クラッシャー】ほらね、安心して…フフフ」



されるがままになっていた彼も最後は微笑んでくれた。かわいい





「では、日本に送るキミは1年の昏睡状態から目覚めて記憶喪失。基本的な生活に困らないぐらいの記憶は留めておきますね。エンプレに送るキミは10年の昏睡から目覚めるところからのスタートです。」



10年? そんなに寝ていたの‼ アスク君と二人してビックリ顔を見合わせた。


「地球と向こうの時差みたいなものです。時間の管轄は私ではないのでどうすることもできません。肉体年齢は14歳ですよ。若いですね~」




他人事ですね神様。まぁ、なるようになるでしょう。




「それでは、お二人はここでお別れです。私は日本の管轄なので先にキミから行きましょうか。」



アスク君に手を差し出す神様。その手を取らずに、私の方に体を向けて手を差し出すアスタ君



「あなたにすべてを押し付ける私を恨んでくれて構いません。どうかよろしくお願いします。」



差し出された手を握りながら、



「きみは十分頑張ったよ。あとの事はまかせて、両親と妹たちの事よろしくね。」




こうして私は彼を見送った。







しばらくすると、神様だけ戻ってきた。


「あの子は無事体に馴染みましたよ。これからしばらくは大変でしょうけど、いいご家族みたいですね。」



「私の家族ですよ。もちろんです。それで、私はどうなるのでしょう?」



「これからキミの身体のある惑星に魂魄を送ります。一瞬ですがもうこちらに戻ってこれる事はないでしょう。記憶はそのままでいいんですね。得点は本当にあれでよかったのですか?」



「覚悟はできてます。彼にも任されましたし、記憶も特典ももちろんそのままで! 楽しみです。早く行きましょう。」




現代の子は変わってるなんて言いながら神様は私のいるところから少し離れた。



「それでは、あとは向こうの担当に引き継いでありますのでよろしくお願いします。キミの人生に幸多からん事を本当に面倒をお掛けしました。いってらっしゃい 」




こうして私は魔法のある別世界へ期待を胸に旅立っていった。




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