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026:新たな資源

やってきました。【モルデラ】の町。


ここ最近、本当に外出することなかったから、太陽がまぶしいです。

そして私がほぼ動かなかったので、町の方でお手伝いに回っていたシンとも久しぶりに会った気がする。



「なんか、シン久しぶりだね。」


「俺は、もうしばらく会わなくてもよかったかも…」


「そんなこと言って、うれしいクセに~」


アイアンクローをお見舞いされた。ギャー‼ 







この町は、イメロデ山から採掘されたダイヤを加工、装飾する町だ。そのため、細工職人がたくさんいる。ここも以前のハティアの町と似たような雰囲気だった。ただ、細工職人の町だからか、見渡す限り美しい装飾が施してあり景観は美しかった。




「ロロ先生にもらった住所だと、確かこの辺なんだけど…。あッ、すみません」


店の外で掃除をしていた店主に住所の紙を見せて聞いてみることにしたのだが、紙を見て住所を確認した瞬間、さっきまでの愛想はどこへやら


「この道をまっすぐ、外れにある家だからすぐわかるよ。」



そうぶっきら棒に答えると、さっさと店に入り扉を閉められた。あまりに突然のことに一瞬呆けていたが、すぐ我に返ったシンが乗り込もうとするのを止めるのに必死だった。



「もう、あんなの気にしなくていいから!」


「あれは人として、どうかと思う態度だ。」


「変わり者って言うのは、時代の先を行き過ぎて、受け入れられるのに時間が掛かるものなんだよ。」



あの偉人も、あの理論を構築したあの人だって、当時はバカにされ受け入れてさえもらえなかったのに、時代が、化学が発展するにつれ真実を突き付けられたのは、名もない一般人の方だった。



「なんか、経験があるみたいな言い方だな。」


「いッ、一般論だよ。」





そんな話をしている間にも進み続け、ようやくそれらしい家が見えてきた。一般家庭のお宅にしては立派だ。素敵な言い方をすると(おもむき)のある、オブラートにくるまなければ、お化け屋敷かな?



大人の胸ぐらいの高さにある門の蝶番はさび付き、触ると悲鳴をあげそうな装いだ。

中に足を踏み入れると、玄関まで続く石畳は、険しいジャングルかの如く、おびただしい雑草に覆われている。



極めつけは、ドアのノッカーが仕事をしてくれないであろう有り様だ…。 仕方がない、覚悟を決めてドアを叩こうとしたその時、裏庭の方で爆発音のような音がした‼



シンと二人、顔を見合わせ慌てて裏庭の方に回ってみると、思いのほか広い裏庭の真ん中で、白衣のようなものを着た青年が上を向きひっくり返っていた。




「痛たたッ… また~失敗か~。」


「大丈夫ですか。」


「きみ~、だぁ~れ?」


「手紙が来ていませんでしたか? 私はウル=ライラ。ロロ先生からの紹介であなたに会いに来ました。」


「手紙…、手紙…、ちょっと~待っててね~。探して~みる。」


そう言って彼は、家の中に入っていった。5分ほどたった頃だろうか



「これだ~‼ あったよ~。ローワちゃんからの~手紙。」


その手には未開封の手紙が握られていた。

散らかっているけど、どうぞと通されたのは、本当に足の踏み場もない応接間だった。



「初めまして~、ローワちゃんの甥~の、ピンキーって言いま~す。」


彼の定位置なのだろう、一人用のソファーに足を山にして座っている。瞳も髪の毛も薄桃色のほんわかした雰囲気の男性だった。



「突然お邪魔してすみません。」


「全然~、大丈夫だよ~。向こうの町から~、遠かったでしょう~?」



「先ほどは、何の実験をされていたんですか?」


この言葉を、ピンキーの前で安易に発言してはいけない、と知ったのは後だったので、この時の私は大変な目にあう事になる。


~2時間後~


「であるからして、この物質に対して電気とどのような反応を起こすのか、実験しようと思いその結果、この方法は爆発を起こしてしまうと言う検証が得られたと言うわけです。ご理解いただけましたか~?」




驚くほどの研究バカだった。それも諦めないタイプの… いいな。欲しい――


「何で電気との反応何ですか?炎でも、氷やその他にもありますよね?」



私がそう質問すると、ピンキーは少し悲しそうに、


「ボクね~、昔、外で遊んでるとき~雷がボク自身に落ちてきたの。その時一命は取り留めたんだけど~、そのせいなのか、魔力に電気を帯びてしまって~、これ以外の魔法~、使えなくなっちゃった~。」



しかし、すぐ元の表情に戻り、


「でも~、ローワちゃんは~それでお医者さん目指したし~、ボクは~楽しく実験出来てるから~、大丈夫~。」




そのあとは、今実験している素材がどこでとれるのか聞いてみると、少し行った先の裏山でとれると教えてもらい早速、連れて行ってもらう事にした。その道すがら一番気になることを聞いてみた。



「なんで、この土地だったんですか?」


「ボクの~お父さん、細工職人で~、この町一番の腕を持ってる~って言われていたんだけれど~、ダイヤが~、取れなくなると~、仕事もなくなって~結局仕事を探しに~王都へ行ってしまったんだ~。でも、またこの町に~戻ってきてほしくて~、代わりになるものを~探してる。あッ~ここだよ~。」



そうして案内された岩肌を見ると、赤褐色をしており、所々白や灰色と、ますます期待に胸が高鳴る。鑑定をかけてみると、


名称:【ボーキサイト】

成分:【アルミナ、ケイ素、酸化チタン、MP 】

効果:【特になし】



来ました。最高です‼ アルミニウムが作れる。そうすればアルミ合金もできる。宝の山や~

私が岩壁に向かって突進をかますと、すかさずシンに取り押さえられた。放せ~!





自分よりヤバい人間がいるのかよ、みたいな視線を浴びている私。なぜ?





それでは気を取り直して、ボーキサイトとは、水に溶けず、他の物質と結合してしまい残った残留鉱床の事。その中の一つにアルミナ、アルミニウムの元となる物質も含まてれいるのだ!


それでは、~簡単なアルミナの作り方~


鑑定で、手に握っているボーキサイトを見ます。


化学式:【Al₂O₃・nH₂O】


これから、【AI₂O₃】を残して残りを切り離すと、アルミナの出来上がり。最強



「この~、白い粉~何ですか~?」


「これがアルミナ。これを今から、いろいろな化合物と混ぜ合わせて合金にしていきます。超絶、地道な作業だよ。それでもやる?」


「もちろん、やるよ~。」


こうして、研究モンスターが加わり、アルミ超合金の作成、人工ダイヤの製作と二足の草鞋を履くこととなった。ドロテアも加わり、私とドロテアで鑑定により素材集めから始まった。



ケイ素、鉄、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、チタン、eat……

集めるのも、教えるのも楽しくて、途中からシンにも教えたらあっという間に習得してしまって、ドロテアの落ち込みがすごかった。



町の復興は一時期、権限をメニラさんとニニに委託して、私たちは4年ほどモルデラの町で研究三昧の日々を過ごした。



温泉から湧いていたメタンガスは、貯め過ぎても湧いてきてしまうモノなので、実験的に公共の火を使う場所へ供給してみることにしたらとても喜ばれた。



ピンキーと途中で参加したドロテア、私とシン、研究すること5年―― ついにアルミ合金2000~5000番台の配合が完成した。



何がすごいかわからないよね~。まずはね、人工ダイヤを作るための、熱に耐えられる箱が出来るのはもちろん、車のボディ素材もできる。あの馬車じゃない馬車を、カスタムしてやる。



蒸気機関車風だった乗り物が、新幹線にランクアップできる。【モルデラ】の職人も腕がなるでしょう。

さぁ、下準備が整った。馬車馬みたいに働いてもらいましょう。


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